2012年1月19日木曜日

艦船修理ガイド

Ship Repair 101 Guideというスレを紹介します。艦船の修理に関する包括的な解説で、とても勉強になりました。どこかで読んだことがあると感じる点も含まれてはいるのですが、それをすべて理解してプレイにいかせていたわけではないの、現在進行中のPBEMにも役立ちそうです。

1. はじめに
 WItP AEでは素のWitPに比較して艦船の修理の仕組みがより複雑になった。艦船の修理に影響する要素については、マニュアルの14.2章(239-249ページ)にながながと記載されている。マニュアルに情報が豊富に含まれているにもかかわらず、フォーラムには疑問を解決してほしいというスレがいつも立てられている。
このガイドは艦船修理というテーマをより理解しやすくすることを目的としている。そのため、マニュアルでは用いられていない独自の用語を、概念をより理解しやすくできると思って、導入してみた。
またこのガイドは関連するデータを種々の表のかたちで提示している。それぞれの表には、理解を助けるような例を添えてある。
艦船の修理の仕組みがより複雑になったとはいっても、プレイヤーが修理の仕組みの細目まで知らなければいけないというわけではない。影の修理管理者(以下の14章で詳説する)が自動的に統括してくれる。修理の仕組みの細かな管理まではご免だと感じる人は、 影の修理管理者が細かい点を調整してくれるているのだということだけを知っていれば充分だ。
2. 修理に関する略語
 このガイドで使用する略語のリストを以下に示した。各略語の意味するところは、このガイドの中で初めてその用語が使われる章で説明されている。略語は参照の便のためここにまとめて示した。マニュアルには正式にはつかわれず、筆者が独自に導入した用語がどれかをはっきりさせるため、その用語には星印(“*”)を付した。
• IR* - integrity repair 船本体の修理*
• IRP* – integrity repair point 船本体の修理ポイント*
• POD – point of damage 点数表示したダメージの程度
• RW* – repair worker 修理工*
• WR – weapon repair 武器の修理
• WRP – weapon repair point 武器の修理ポイント
3. 修理の仕組みに対するプレイヤーの誤解を正す
 「修理の仕組み」について細かく議論する前に、まずは「修理の仕組み」に関するありふれた誤解を解いておこうと思う。プレイヤーに「修理の仕組み」について誤解している点があると、「修理の仕組み」を正しく理解することの妨げになってしまう。プレイヤーの誤解を正してくれる真の規則を以下に示そうと思う。
 ・艦船の修理の過程でサプライが消費されることはない。従って、母艦が工作船として機能するには、サプライを積載している必要はない。
 ・「修理の仕組み」は素のWitPよりも詳細になって現実の世界に近づいたけれども、抽象化されているのは確かで、あなた自身の現実世界での経験をゲーム内に投影しないこと。
 ・使用されなかった修理能力が次のターンに持ち越されることはない。したがって、現ターンで使用しなかった分は無駄になる。
 ・ダメージはnormalとmajorに分類される。両方の種類のダメージがともにみられることがふつうだ。
 ・majorなダメージの修理に要するコストはnormalなダメージの修理に要するコストに等しい。
 ・ゲームの仕組みとして、武器は部分的にダメージを受けるということはなく、完全に破壊されてしまう。したがって、武器にはnormalなダメージとかmajorなダメージといったものは存在しない。
 ・修理の方法(repair mode)の選択は慎重に。必ずしも、造船所での修理が最適だとは限らない。
 ・ダメコンとダメージの修理とを混同しないこと。この二つは全く異なった概念である。
 ・火災の消火はダメコンの問題であって、ダメージの修理ではない。
 ・火災の続いている艦船は鎮火するまで修理に他からの助けを受けることができない。また、火災によってダメージが増加する恐れもある。
 艦船のアップグレードの仕組みと「修理の仕組み」とを混同しないこと。 この二つは全く異なった概念である。
4. 修理の方法(repair mode)
 艦船の修理には次の4通りの方法のいずれかで行われる。
• Readiness 即応可能状態での修理
• Pierside 停泊
• Repair ship 工作艦
• Shipyard 艦船修理廠
 Readiness mode(即応可能状態での修理)はこのゲームのデフォルトの修理方法である。readiness modeでの艦船は戦闘に即応可能な状態にある。TFに所属していてもいいし、港にdisband(規模0の港に投錨している場合を含む)されていてもいい。readiness modeは一般に最も非効率的な修理方法である(これに関しては9章と12章で詳述する)。
 Pierside modeでの艦船は火を落とし、戦闘に従事できない状態にある。港にdisband (規模0の港に投錨している場合を含む)されていなければならず、TFに含まれていてはならない。一般的にPierside modeはnormalなダメージの最も効率的な修理方法である(これに関しては9章と12章で詳述する)。majorなダメージは必ずしもPierside modeで修理できるとは限らない。
 Repair ship modeでの艦船は火を落とし、戦闘に従事できない状態にある。 港にdisband (規模0の港に投錨している場合を含む)されていなければならず、しかもその港にdisbandされた適切な工作艦が存在しなければならない。Repair ship modeは、Pierside modeだけでは修理することのできないmajorなダメージを修理するのに便利な方法である。工作艦は移動可能な修理工場なので、前線に近くで修理を行い作戦に柔軟性を与えることができる。
 Shipyard repair modeでの艦船は火を落とし、repair shipyard(艦船修理廠)に入っている。Shipyard repair modeが利用可能なのは、港に艦船修理廠があって、その艦船修理廠が対象艦船の修理に充分な規模を備えている場合だけである。艦船修理廠に入るためには、その艦船のトン数が艦船修理廠の規模x1000を越えてはならない。艦船修理廠はトン数合計が規模x1000を越えない複数の艦船の修理を同時に作業することができる。艦船修理廠はトン数が艦船修理廠の規模x1000を越える艦船の修理を行うことはできないが、トン数合計が規模x1000を越える複数の艦船にShipyard repair modeの指示することはできる。能力以上の多数の艦船にShipyard repair modeを指示した場合、艦船修理廠の能力を越えた艦船は順番待ちをし、修理中の艦船の作業が終わると修理してもらえるようになる。修理の優先度の設定をプレイヤーが操作すると、順番待ちの順序が変化する(13章を参照)。
 火を落としての三つの修理方法 (“pierside”, “repair ship” and “shipyard”)で修理されている艦船が戦闘即応可能状態に戻ってTFに編入されるには通常三日間を要する。
 ある艦船の修理方法をこの四つのうちから選択して指示する設定ボタンは、個々の艦船のインフォメーション画面にも、根拠地の“ships in port”画面にもがある。しかし、その港で修理中の艦船の総合的な情報が分かるのは“ships in port”画面だけなので、後者の方法で指示することを強くお勧めする。
5. ダメージの分類
 艦船のダメージは以下の4種類に分類できる。
• Weapons 武器
• Flotation 浸水
• Engine エンジン
• System 上部構造
 説明を簡単にするため、特に断らない限り以下ではflotationとengineとsystemそれぞれ、およびこれら三つをまとめたものをintegrity area(船本体)と呼ぶことにする。また、このまとまりに対する修理をintegrity repairs(IR、船本体の修理)と呼ぶことにする。
 Flotation damage(浸水ダメージ)は船殻に対するダメージの結果起きる。flotation damageが100になると艦船は沈没する。
 Engine damage(エンジンダメージ)は推進・原動機に対するダメージの結果起きる。 engine damageが大きくなるほど艦船の速度は遅くなる。
 System damageは艦船の上部構造に対するダメージを意味する。
 Weapon repairs(WR、武器の修理)は、船本体の修理のされ方とは扱いが違っている。船本体の修理に比較すると、武器の修理は扱いは単純明解だ。というのも、このゲームには武器の損傷という概念がなく、武器は破壊されてしまうだけだからだ。艦船の情報画面ではダメージを受けた武器は赤で表示され、ダメージを受ける前と比較して数が減少しているのに気付くはずだ。したがって、武器の修理では、砲塔や砲身を修理するのではなく、破壊されたものを新しい砲塔や砲身で置き換えることになる。
6. Majorなダメージ
 船本体ダメージにはnormalなダメージとmajorなダメージの2種類があるので、船本体の修理の仕組みはより複雑になっている。武器は単に破壊されてしまうだけなので、武器のダメージにはこれに相当する区別はない。
 normalなダメージの1ポイント(point of damage、POD)と、majorなダメージの1ポイント(POD)との間に本質的な違いはない。majorな浸水ダメージが0だがnormalな浸水ダメージが56ポイントある船は、majorな浸水ダメージが28ポイントでnormalな浸水ダメージが0ポイントの船よりも、沈没する危険性がずっと高い。normalとmajorなダメージの違いは、majorなダメージの修理には専門の施設が必要だという制約がある点だ。majorなダメージを修理するのに要する条件は11章で説明する。
 majorなダメージと表示されたポイント以外のポイントはすべてnormalなダメージだ。例えば、23 flotation damage (3 major)というのは、総浸水ダメージは23で、そのうち20ポイントはnormalなダメージで、3ポイントはmajorな浸水ダメージという意味である。
7. 修理に要する費用
 艦船の修理に関する費用はrepair points(修理ポイント)というかたちで表される。実際に消費される修理ポイントは、武器の修理と船本体の修理とで異なる。そこで、武器修理ポイント(WRP)と船本体の修理ポイント(IRP)とを分けて考えよう。
 武器の場合、必要な武器修理ポイントは修理対象となる武器の種類によって異なる。砲の修理は威力によって必要な武器修理ポイントが変化するが、その他の武器の修理に要する費用はその武器のタイプごとに決まっている。その詳細を表Aに示す。
表 A: 武器の修理に要する費用 
ロケットはすべて50WRP(武器修理ポイント)
レーダーとソナーは90WRP
機雷と魚雷兵装は120WRP
砲の修理にかかるWRPはその砲の威力値(effect)に等しい
 例えば、16in/50 Mk 7 gunの威力値は2700なので、武器修理ポイントは2700。 20mm Oerlikon AA gunの武器修理ポイントは15。
 みての通り、武器の修理にかかるWRPはあらかじめ簡単に計算できる。砲(つまりロケット、レーダー、ソナー、機雷、魚雷以外の武器すべて)の修理はその砲の大きさに依存していると言う点で少し複雑になっている。大きな砲の修理はより多くの武器修理ポイントを必要とする。砲それぞれの威力値はゲーム内の艦船データベース(ショートカットキー”V”)に載せられている。
 船本体の修理は、1POD(ダメージポイント)あたり100IRP(船本体の修理ポイント)と決まっている。したがって、浸水ダメージが12・エンジンダメージが6・上部構造ダメージが6という船の場合、PODの合計は27で、完全に修理するのに必要なIRPは2700となる。
 修理に要するIRPと言う点で言うと、majorなダメージの修理もnormalなダメージの修理も同じである。1ポイントのmajorなダメージの修理には100IRPが必要なとなる。しかしmajorなダメージの修理はnormalなダメージの修理よりも必要な条件が厳しい。11章でmajorなダメージの修理に関することを扱う。
8. 武器修理ポイントを生み出す施設
 WRP(武器修理ポイント)を産出するのはつぎの三つ。
• Shipyards 艦船修理廠 
• Tenders 母艦
• Ports
 WRPの産出率は、IRP(船本体の修理ポイント)の産出率とは異なる。したがって、船本体の修理には充分な能力のあっても、武器の修理に必要な施設がないため、船本体の修理が完了しても武器の修理が済まないということも起こりうる。
 WRPが次のターンに持ち越せないことを理解しておくのは重要だ。WRPの備蓄というのは存在しない。WRPを産出する場所でも、毎ターンに産出するWRPが対象の武器の修理に必要な量に達していないと、いつまでたってもその武器は修理されない。
表 B: 艦船修理廠、母艦、港が産出するWRPの量
艦船修理廠は(Shipyard size x 20)のWRPを産出する。ただし300より大きな艦船修理廠でも規模300として扱われる。
母艦は毎ターン250 WRPを産出する 
港は(Port size x 25)のWRPを産出する。 
 例 B:表 Aから分かるように16in/50 Mk 7 gunを1門修理するのに要するWPRは2700になる。規模が135以上の艦船修理廠だけが、16in/50 Mk 7 gunを1門修理するのに要するWRPを1ターンで産出することができる。修理対象が魚雷発射管ならば必要なのは120WRPなので、規模が6以上の艦船修理廠か、適切なタイプの母艦か、または規模5以上の港で修理ができる。
 表 Bに示したWRPは、産出する施設が状態が完全な時の値であることに注意してほしい。規模10の完全な状態の艦船修理廠は200WRPを産出するが、50%のダメージを受けている時には100WRPしか産出しない。完全な状態なら100WRPを産出できる規模4の港も、75%のダメージを受けているとわずか25WRPしか産出できない。
9. 船本体の修理ポイントを生み出す施設
 IRP(船本体の修理ポイント)を産出するのは以下の5つ。
• Shipyards 艦船修理廠
• Ports
• Repair ships   工作艦(母艦が工作艦の役割を果たす場合もある)
• Naval support squads
• Ship crews 艦船の乗組員
 同じ地点に位置する複数のIRP(船本体の修理ポイント)産出施設が産出したIRPは、修理方法に応じて合計され、艦船の修理にターンごとにまとめて使用される。修理方法ごとに合計されないIRPもある。WRPの場合と同じくIRPも次のターンに持ち越すことはできないが、POD(ダメージポイント)が部分的に除去された状態は次のターンに持ち越される。IRPを算出するのに、工作艦は港にdisbandされている必要がある。
 艦船修理廠で算出されるIRPは、Shipyard repair modeにされ、艦船修理廠内で修理されている艦船にのみ費やされる。Shipyard repair modeの艦船は艦船修理廠が産出したIRPのみを使って修理され、他の施設で産出されたIRPは利用できない。Shipyard repair modeでない艦船は、艦船修理廠で産出されたIRPを利用することはできない。
 repair ship modeにある艦船は、対応する工作艦(表 GとFにその艦船に対応する工作艦がリストされている)が産出するIRPのみを利用する。repair ship modeの艦船が存在すると、工作艦の産出したIRPはその他の修理方法をとっている艦船の修理に利用されない。しかし、repair ship modeの艦船が存在しない時には、影の修理管理者が工作艦の産出したIRPも修理方法がpierside modeの艦船に振り向けてくれる。ただし、 readiness modeの艦船の修理には利用されない。
 港とnaval support squadsの産出したIRPはまとめられ、pierside modeとreadiness modeの艦船の修理に毎ターン利用される。
 艦船の乗組員もIRPを産出するが、自船の修理のみに、しかもpierside modeかreadiness modeの時にのみ利用される。
 5つの施設から産出されるIRPを簡単に説明するため、5つを3つに分類して表にしてみた。
表 C:艦船修理廠とnaval support squadsと乗組員によって産出されるIRP
艦船修理廠では、(Shipyard size x 10)
naval support squadsは、
pierside modeの艦船に対しては(Naval Support Squads/2) minus (Damage/5)
  readiness modeの艦船に対しては (Naval Support Squads/3) minus (Damage/5)
乗組員の産出量は、(Crew Experience/8) 
例 C:規模10の艦船修理廠は毎ターン100IRPを産出する。したがって、 shipyard repair modeにある艦船のダメージを1ポイントづつ除去することができる。
表 D:港の産出するIRP
規模1の港は8IRPを産出する
規模2の港は27IRPを産出する
規模3の港は27RPを産出する(訳注:規模2と3が同じなのはマニュアル239の通り)
規模4の港は38IRPを産出する
規模5の港は50IRPを産出する
規模6の港は63IRPを産出する
規模7の港は77IRPを産出する
規模8の港は92IRPを産出する
規模9の港は108IRPを産出する
規模10の港は125IRPを産出する
 例 D:規模9の港にpierside modeでいる艦船は、1ダメージポイントを除去する以上の量の108IRPを各ターン受け取る。規模5の港にpierside modeでいる艦船は50IRPだけ受け取って、(表 Cにある乗組員やnaval support squadsなどの助けも借りながら)ダメージの除去を進めるが、1ポイントの除去が完了するのは次のターンになる。
表 E:工作艦の産出するIRP
港にdisbandされている故障のない母艦は83IRPを産出する
港にdisbandされている故障のないARD(浮きドック)は100IRPを産出する。ただし、一度に一隻ずつ、しかも浸水ダメージの修理にしか利用できない。
 例 E:港にdisbandされている2隻のAS(潜水母艦)は合計で1ターンに166IRPを産出し、repair ship modeにある潜水艦が修理に利用できるが、同じ港にほかにpierside modeの潜水艦がいても、そちらはASの産出するIRPを修理に利用できない。しかし、repair ship modeの潜水艦がいなければ、影の修理管理者がASの産出するIRPをpierside modeの潜水艦の修理に振り向けてくれる。その場合でも、readiness modeの潜水艦はASの産出するIRPを利用できない。
 WRPについて8章で述べたのと同様に、表C~Eに示されたIRPはダメージを受けていない施設が産出する値である。完全な状態の規模10の艦船修理廠は100IRPを産出するが、50%のダメージを受けていると50IRPしか産み出さない。完全な状態なら38IRPを産出する規模4の港も75%のダメージを受けていると9.5IRPしか産出しない。
 一般的にpierside modeが船本体のダメージの最も効率的な修理方法であると4章で述べた(そしてreadiness modeが最も非効率的である)理由が、これでお分かりいただけたと思う。そこで45ポイントのnormalなダメージのある駆逐艦を想定してみよう。規模5の港にpierside modeでいて、ほかに船本体の修理をしている艦船はなく、その港には40分隊のnaval support squadsがいるものとする。駆逐艦の乗組員のexpは80とし、その港には無傷のAD(水雷母艦)が一隻いて、ほかにはADが修理にできる艦種の艦船でrepair ship modeのものはいないものとしよう。この港には規模12の艦船修理廠がある。この想像の駆逐艦が受け取れるIRPは以下のとおりである。
・港からは50 IRP[表 D、港の規模5]
・naval support squadsからは11IRP[表 C、(40/2) – (45/5)]
・乗組員から10IRP[表 C、(80/8)]
・ADから83IRP[表 E]
したがって、このpierside modeの駆逐艦が利用できるのはまとめて154IRPになる。この量のIRPで1ダメージポイントが除去され、次のダメージポイント除去にむけて54%進行中(この状態は次のターンに持ち越される)ということになる。もしこの駆逐艦が readiness modeでいたとすると、合計で64.3IRP[表 Cと例 Eに、修理方法の違いによるIRPの減少の説明がある]しか利用できない。またもしこの駆逐艦がshipyard repair modeだったとすると、規模12の艦船修理廠の産出する120IRPしか利用できない。
10. 工作艦の能力
 工作艦と母艦に関してはここまでの章でも触れてきた。ほとんどの「工作艦」が実は母艦なので、多くのプレイヤーはこれらの艦種の船の真価について混乱してしまっている。母艦は二つの役割をもっている。ひとつは関連する艦種に対して弾薬を補充すること。それについてはこのガイドでは触れない。もう一つの役割は関連する艦種を修理することで、このガイドではその点について説明することにする。この章では二つの表を提示する。一つは「工作艦」のnormalなダメージを修理する能力に関するもので、もう一つはmajorなダメージを修理する能力についてのものである。
表 F:工作艦がnormalな船本体のダメージを修理できる艦種
AD – DD/DE/APD/DMS/DM/AVD/E/TB/KV/PF/PB/PC/SC/AM/ML 
AG – DE/APD/DMS/DM/AVD/E/TB/KV/PF/PB/PC/SC/AM/ML/HDML/MGB/YP/YMS/AMc 
AGP – PT/MTB/MGB/PB/PC/SC/AM/ML/HDML/YP/YMS/AMc 
AR – すべての艦種 
ARD – 浸水ダメージのみ、同時に1隻ずつしか修理できない
AS – SS/SST/SSX 
 例 F:normalなエンジンダメージが39のAM(掃海艦)はAD、AG、AGPかまたはARの産出するIRPを利用できる。同じダメージを浮けている潜水艦はARかASの産出するIRPしか利用できない。
表 G: 工作艦がmajorな船本体のダメージを修理できる艦種
AD – PB/PC/SC/AM/ML/HDML/MGB/YP/YMS/AMc 
AG – PB/PC/SC/AM/ML/HDML/MGB/YP/YMS/AMc 
AGP – PB/PC/SC/AM/ML/HDML/MGB/YP/YMS/AMc 
AR – PB/PC/SC/AM/ML/HDML/MGB/YP/YMS/AMc 
AR – majorなダメージの合計が5を越えていなければ、すべての艦種
ARD – 浸水ダメージのみ、同時に1隻ずつしか修理できない
 例 G:majorなエンジンダメージが3ある重巡洋艦はARによって修理され得る。しかし、majorなエンジンダメージが6だとARは修理できない。
11. majorなダメージを修理するのに必要な専門的な技術
 majorなダメージの修理に要するIRPはnormalなダメージの修理と同じであることを7章で述べた。この二つの種類のダメージの違いは、majorなダメージの修理を引き受けるには特別な技術を要するという点である。こういった専門的な技術をもっているのは、
・艦船修理廠
・ある種の工作艦
・7以上の規模の港
 艦船修理廠は、そこに入渠できる大きさの艦船をshipyard repair modeにすれば、どんな艦種のどんな大きさのmajorなダメージでも修理できる。
 「工作艦」の修理できるmajorなダメージは表 Gに示したものに限られる。
 規模7以上の港は、pierside modeの艦船の5ポイントまでのmajorな浸水ダメージとエンジンダメージを修理することができる。
 WItP AEのデザインの過程の最後で、小艦船のmajorなダメージの修理要件を緩和する決断がなされた。ゲームに付属のシナリオのみをプレイしていると、この修理要件緩和による恩恵を感じることはないだろう。しかしDaBabesのようなmodシナリオのプレイヤーは恩恵を受けていて、下に掲げた表 Hは主にそういったプレイヤーのためのものだ。ゲームに付属のシナリオだけのプレイヤーで面倒は避けたいという人は、表 Hを無視しても実害はない。
表 H:majorなダメージを修理する技術のある場所
・1000トン未満の商船:(港の規模 x 100)トン以下の商船は港でmajorなダメージを修理できる。
・バージ:4以上の規模の港か、またはAG/AGP/ARがdisbandされている港
・特殊潜航艇:エンジンダメージのみがmajorならば規模6以上の港か、AR・ASがdisbandされている港
・500トン未満の小艦艇:規模4以上の港
・500~1000トンの小艦艇:(港の規模 x 100)トン以下の小艦艇は港でmajorなダメージを修理できる。
 例 H:表 Hに示した修理は、対象の艦船が港にdisbandしている時に限られる。
12. 修理に従事する労働者に対する需要がおよぼす影響
 多くのプレイヤーはここまで述べて来たことに注意を払っているだろうが、ある修理方法をとった時の修理完了までの期間については当惑してしまうようだ。このゲームでは市場に供給されているRW(修理工)の数と供給の関係がシミュレートされていて、これを見過ごしているためだと思われる。
 港にdockできるTFのトン数や、貨物の積み降ろし量に上限があるように、ある港で同時に修理できる艦船の数にも、pierside modeとreadiness modeともに、24時間ごとの上限が設定されている。これは本質的には修理工の需給関係を抽象化したものと考えることができる。マニュアルには修理工という用語は使われず、その代わりに“Port Assist Operations”という用語で修理に従事する労働者の供給を、“Port Assist Cost”という用語で修理工に対する需要を表している。
 基本的に、ある港である日に雇用できる修理工の数には上限が設定されている。プレイヤーは、IRP(船本体の修理ポイント)というのは修理工を雇用するのに使用する通貨のようなものだと理解する必要がある。修理工の完全雇用が実現されてしまえば、未雇用の修理工がいなくなり、それ以上の艦船の修理はできない。IRPと修理工とは別の概念だが、密接に関連している。
 修理工は次の通りに集められる。雇用を求めて集まる修理工の数は港の規模で決定される。これをゲーム内では“Port Assist Operations”と呼び、労働力の供給を表す。 pierside modeにせよreadiness modeにせよ、船本体の修理を企図する損傷艦船は、それぞれある一定数の修理工を雇用する。これをマニュアルでは“Port Assist Cost” と呼んでいて、労働力の需要を表している。労働力の需要は、プレイヤーの指示する修理優先度(つぎの13章参照)で調整される。
 細目に興味ある人のために、以下の表を掲示する。
表 I:雇用を探している修理工の数
規模1の港は8人の修理工
規模2の港は34人の修理工
規模3の港は81人の修理工
規模4の港は152人の修理工
規模5の港は250人の修理工
規模6の港は378人の修理工
規模7の港は539人の修理工
規模8の港は736人の修理工
規模9の港は972人の修理工
規模10の港は1250人の修理工
 例 I:(表 Jの後ろの議論を参照)
表 J:通常の修理優先度の艦船が必要とする修理工の数
pierside modeの艦船: 需要 = [(ダメージ x 10) + (船のトン数/500)] 
readiness modeの艦船: 需要 = [(ダメージ x 20) + (船のトン数/500)] 
 例 J;以下の議論
 修理工に対する需要と供給の折り合いがどう付けられるのか、簡単に示すためにこんな状況を考えてみよう。43ポイントのnormalな船本体のダメージのある巡洋艦がpierside modeで規模8の港にいて、その他には修理を必要とする艦船はいない。この巡洋艦の修理優先度(修理優先度の影響は13章を見よ)は「ふつう」に設定する。
 表 Iから、修理工の供給数が736であることがわかる。表 Jからこの艦の修理工必要数を計算できて、(43 x 10) + (10000/500) = 450人の修理工となる。
 この巡洋艦がreadiness modeだとすると、計算式は(43 x 20) + (10000/500)となって、880人の修理工を必要とすることが分かる。
 この船本体の修理がreadiness modeで実施されるとすると、修理工が完全雇用が実現されてしまうだけでなく、修理工の不足が生じる。修理工の不足が生じると、その程度に応じて船本体の修理が遅れる。
13. 船本体の修理の優先度
 プレイヤーは船に修理の優先度を設定することができる。修理の優先度は四つに分かれていて、
• Low あとまわし
• Normal ふつう
• High 至急
• Critical 大至急
 優先度を高く設定することには弊害もある。至急と大至急は修理工が超過勤務するものと考えるべきだ。
 「至急」は「ふつう」の1.667倍のIRP(船本体の修理ポイント)を消費する(そこに充分な数の修理工が存在すれば、超過勤務手当を支払うためにこうなる)。しかしその代償として、2倍の修理工が必要となってしまう。
 「大至急」は「ふつう」の2倍のIRP(船本体の修理ポイント)を消費する(やはり、そこに充分な数の修理工が存在すればだが)。しかしその代償として、4倍の修理工が必要となってしまう。
 「あとまわし」は「ふつう」と同じコストで船本体の修理が実施される。「ふつう」と「あとまわし」の違いは「あとまわし」に設定された艦船は、修理の順番待ちの後ろの方にまわされ、優先度の高い艦船の修理需要が満たされて初めて修理されることになる。「あとまわし」の使いどころは、優先して修理したい艦船があるが余分なコストを支払いたくはないという時だろう。
14. 影の修理管理者は実際にはどう仕事をしているのか
 プレイヤーが変更できず、完全に「影の修理管理者」の管理下にあるのは、個々の艦船の修理が実施される順番だ。どの種類のダメージか、どの程度のダメージかに基づいて、影の修理管理者は修理工とIRP(船本体の修理ポイント)の使い道を決定する。
 影の修理管理者がまず考慮するのは、どの種類のダメージかということで、優先される順番は
• Flotation 浸水 
• Engine エンジン
• System 船の上部構造
 2番目に考慮されるのはダメージの程度で、ある種類のダメージがある一定の程度まで減少すると他の種類のダメージの修理にうつる。ダメージの程度は以下のようにランク分けされている
• 90+ 
• 75-89 
• 60-74 
• 45-59 
• 30-44 
• 15-29 
• 8-14 
• 4-7 
• 2-3 
• 1 
 これはどういうことかというと、浸水ダメージ77、エンジンダメージ48、上部構造(Sys)ダメージ17の船をみた影の修理管理者は、まず修理工を浸水ダメージが45になるまで浸水ダメージの修理に割り当てる。ついで、エンジンダメージが45になるまでエンジンダメージの修理を行う。その次は30まで浸水ダメージを修理し、そして30までエンジンダメージを修理する。その後はまた修理工を浸水ダメージの修理に振り向け15まで低下させ、エンジンダメージを15まで低下させ、次にやっと上部構造ダメージが17から15まで修理される。その次に浸水ダメージを8まで、エンジンダメージを8まで、上部構造ダメージを8まで修理し、その後も同様。
 これは影の修理管理者の通常の作業手順だということを憶えておいてほしい。 影の修理管理者はエンジンダメージや上部構造ダメージよりも先に浸水ダメージを優先しようとする。normalなダメージの扱いはmajorなダメージの扱いと少し異なる。でも、私にnormalとmajorなダメージの優先度がどうなっているのかなどと質問しないでほしい。それは秘匿されDevたちだけが知っている。また、修理の過程にサイの目がランダムな要素を加味してもいる。サイの目が関与しないゲームなんて Gary Grigsbyのゲームじゃないしね。
15. まとめ
 修理作業の費用は修理ポイントで支払われる。修理ポイントは武器の修理と船本体の修理とで異なる。これら修理ポイントを産出源はいろいろあって、プレイヤーが適切な場所を選択しなければ修理は始まらない。
 修理のスピードは修理ポイントと修理工の両方の影響を受ける。修理を実施する労働力の供給は決まっているが、修理工の需要はプレイヤーが決めることができる。

0 件のコメント: