COMBAT EVENTS FOR 01/21/42
SHIP CREWS PERFORM DAMAGE CONTROL
xAK China Maru sinks....
昭和17年1月18日、リプレイをみていると突然に沈没音が聞かれてxAK China Maruの沈没が報告されました。China Maruはブナ上陸船団を揚陸中に航空攻撃を受け、揚陸終了後にブナにdisbandしてありました。10日ほどでFltダメージが21から6にまで低下しましたが、その後はダメージの減少がみられなくなりました。ブナ港の規模はまだ1なので、これ以上の修理にはかなり時間がかかるのだろうと判断して、AR Akashiの停泊しているラバウルまで回航することとしました。ラバウル周辺には連合軍潜水艦が出没しているので、PBを護衛につけたEscort TFとして出航させましたが、潜水艦ではなくダメコンの失敗で出航したその日に沈んでしまいました。ラバウルからブナまでARを向かわせる方法もあったのですが、万が一にもARが沈められるのが心配で損傷艦の方を移動させました。China Maruは商船なので乗組員のexpは昼28/夜15とかなり低く、Sys 82で出航させたのは無理だったかも知れません。それにしても、日本の艦船に潜水艦の魚雷が命中したのは1月14日に沈んだDD Hibikiが最後で、最近は機雷や水上戦闘や航空攻撃でダメージを受けた艦船もなかったので、突然の沈没音に相手の方もびっくりしたのではないでしょうか。
フォーラムにEffect of Ship’s Captain on Damage Control Test Resultsというスレを立てて、艦船のダメージコントロールについて検証した人が、乗組員のexpが影響していて艦長のスキルは関係ないという結果を報告しています。xAK China Maruのような損傷艦船を移動させる際にも有用な情報だと思うので紹介します。
Navalスキルの高い艦長はダメコンの成功に寄与していると思い込んでいた。なので、特に重要な艦船の場合にはそうなのだが、用意された指揮官リストの中の一番優秀な人を艦長に任命するために貴重なPPを費やしてきた。艦長のスキルとダメコンの成功との関係に関して、フォーラムには肯定する情報も否定する意見もみられないでの、今回検証してみた。
ありがちなことだが、みつけようと思っていたことではなく、意外な事実を発見してしまうことがある。まず検証結果のまとめを紹介し、ついで検証の仕方と得られた結果の詳細を述べることにしよう。私は統計の分野に多少の経験はあるが、フォーラムにはエキスパートもいるようなので、気づいたことがあったら教えて欲しい。
結果を簡単にまとめると、艦長のスキル値はダメコンに影響しない。
- その艦船の乗組員のexp値はダメコンに大きな影響がある。
- 同程度のダメージを受けた場合、空母は巡洋艦、駆逐艦よりも生還しにくい。空母には航空ガソリンや航空機用の武装といったダメコンに有害な危険物が搭載されていることを反映させるためにこうなっているのだろう。
- ダメコンが成功するかどうかは、かなりランダムになっている。
- 艦長のNavalスキル値はダメコンの成否に全く寄与しない。
- 艦長のLeadershipスキル値はダメコンの成否に寄与しないが、Leadershipスキル値が非常に低いと、とんでもない事態が発生する可能性がある。
- 艦長のInspirationスキル値は有意な効果を持たない。Inspirationスキル値は非常に弱い負の効果をもつ可能性が否定できないが、確認することはできなかった。
- 艦長のAdminスキル値が高くてもダメコンの成否に寄与しない。
検証は、シナリオ1に改変を加え、head-to-headモードで実施した。12月7日開始のシナリオに両軍各30隻の損傷艦を付け加えた。連合軍のdamage controlオプションはオンにした(訳注:このオプションをオンにすると、戦闘中にも戦闘後にも連合軍艦船は日本側より損傷を速く修理できるとマニュアルには書かれています)。加えた損傷艦は加賀、三隈、秋雲、エンタープライズ、ノーザンプトン、クレイブンを各10隻ずつで、それぞれに空母、巡洋艦、駆逐艦を代表させた。各艦は安全な大きい港(日本側は横浜を、連合軍側は真珠湾)まで30ヘクスの距離を移動させた。
各艦は1隻だけでEscort TFに編成し、cruise speedで移動するように設定した。TFが自動的にmission speedになってしまうことが数回あったが、どうしてそうなったのかはわからない。少数の経験からの推定だが、Escort TFに編成した損傷艦にも火災発生のチェックがはいることがあって、そういう時にmission speedからcruise speedへと設定が変更されてしまうのではないか。
検証開始時の各艦には、50 system、40 float (20 major)、20 engine (10 major)、50 fireのダメージを設定してある。対照群の乗組員のexpは昼70/夜間60で、艦長のスキル値はすべて50に設定した。艦載機が影響するかもしれないので、空母と巡洋艦の艦載機はすべて降ろしておいた。
各艦が無事に港に辿り着くか沈没するかするまで、 head-to-headモードでターンを進めていった。検証に使った艦の大部分が12月8日か9日に沈没してしまった。驚くことではないが、火災が鎮火するかどうかが分かれ目だった。生還した艦はおおむね12月15日には帰港できたが、検証17番の加賀4号は大胆不敵にも最後の15ヘクスを速度1ノットで乗り切ってしまった。一時はflt 95まで上昇したが、1月1日にflt 89ダメージで入港した。この加賀の乗組員のexpは昼70/夜間60から昼59/夜間50にまで低下してしまった。この加賀の修理にかかる期間の見積もりは一年半だった。この加賀が無事に帰港できるかどうかを観るのは、今回の検証の中の小さな楽しみの一つだった。
合計20回の試行を行った。対象の50%が生き残って各変数の影響を明らかにしてくれることを期待して検証を行ったが、ダメージの設定がやり過ぎだったようで、25%が生還できただけだった。この方向への偏向はまだましで、最初に検証を試みた時にはダメージの設定が軽すぎて80%の艦船が生還してしまい、変数の影響をみつけることができずに放棄しなければならなかった。
乗組員のexpと生還した艦の数
Exp (day/night) Number of Ships Surviving
55/45-------------------------0
70/60-------------------------17
85/75-------------------------101
艦種と国籍と生還した艦の数(連合軍のダメコンのオプションオン)
Ship ------------Number of Ships Surviving-------------Durability
CV Kaga-----------------------16-------------------------------134
CA Mikuma--------------------44-------------------------------52
DD Akigumo------------------49-------------------------------10
CV Enterprise----------------14-------------------------------79
CA Northampton-------------48-------------------------------35
DD Craven--------------------50-------------------------------6
Total Japan-------------------109
Total US-----------------------112
艦長のNavalスキル値と生還した艦の数
Naval Skill--- Number of Ships Surviving
20--------------15
50--------------17
80--------------14
艦長のLeadershipスキル値と生還した艦の数
Leadership Skill*---Number of Ships Surviving
20----------------------7
50----------------------17
80----------------------16**
*The editor field for leadership is just called “skill”
** The only CVs surviving other than the high crew exp cases were 2 times a leadership 80 Kaga
艦長のInspirationスキル値と生還した艦の数
Inspiration Skill---Number of Ships Surviving
20-----------------------21
50-----------------------17
80-----------------------13
艦長のAdminスキル値と生還した艦の数
Admin Skill---Number of Ships Surviving
50-------------------17
80-------------------17
乗組員のexpの影響は一目瞭然で、あきらかに最も強い影響を及ぼしている。連合軍の艦船は低いexpで始まり、乗組員を訓練してexpを向上させることはきわめて困難なので、ゲーム的には連合軍に不利な仕様だ。
連合軍のdamage controlオプションの効果ははっきりしなかったが、今回はそれを検証するための設定になってはいなかったこともたしかだ。私は、生還率が艦船のdurabilityと関係しているという仮説を持っていた。検証に使用した日本艦のdurabilityが連合軍艦より高かったので、連合軍のdamage controlオプションの効果が打ち消されてしまったのかもしれない。総合すると、連合軍艦の方が生還率がわずかに高かった(空母の場合にはわずかに低かった)。駆逐艦の方が空母より生還しやすかったという事実から、私の仮説には疑問が投げかけられている。上の艦種と国籍と生還した艦の数の数の表を見てほしい。上記の説は仮説に過ぎず、今回の検証では肯定も否定もできない。
もう一つ明らかになったことは、空母の生還率が低いことだ。空母の生還は乗組員のexpが高い場合だけで、例外は艦長のleadershipスキル値が80だった加賀の2例だけだった。この2例は偶然で、有意ではない。こうなった理由は分からないが、空母の火災はより深刻なので、ゲームのコードもそれを反映しているのだろう。とても理にかなった仕様で、このゲームが細部にまで気を配っていることを示す良い例のひとつだ。
Navalスキル値とAdminスキル値は有意差をもたらさなかった。くたびれてしまって、簡単に検証を終えたくなり、艦長のAdminスキル値20の場合は検証しなかった。
図のAにみられるLeadershipスキル値20の例は興味深い。というのもLeadershipスキル値が低いと生還率が低下するようにみえるからだ。私はこれを間抜けな艦長の悪影響と呼びたい。艦長が有能であることは有利な結果をもたらさないが、間抜けだと悪い影響がある。
図のBにみられるInspirationスキル値の例も面白い。Inspirationスキル値の低い艦長はInspirationスキル値の高い艦長よりも艦を生還させやすいようだ。この結果が統計的に有意なものかどうかは分からないし、もし有意だとしてもわずかな効果に過ぎない(乗組員のexpと生還率の間には非常に強い相関があったことを思い出してほしい)。
データのチェックのため、各検証ごと生還した艦数の分布をプロットしてみた。正規分布ではなく、ある上限値と下限値の間でランダムに分布しているようにみえる
このあと感想と質疑応答
乗組員のexpが艦長のスキルよりも影響するという結果は理解できる。ダメコンを実際におこなうのは乗組員だ。優秀な艦長は乗組員のスキルを向上させるのだと思うが、実際に手を下すのは乗組員。もちろん指示するのは艦長で、戦艦ネバダのように前部と後部の弾薬庫に同時に注水を指示したことで非難されている艦長もいる。いまちょうど"Attack on Pearl Harbor"を読んでいるが、戦艦ネバダがどう沈没したのかという説明は興味深い。一本の魚雷と汎用爆弾7発だけで沈むべき船ではなかった。
ネバダの件は、船を救うか乗組員を救うかという問題だった。弾薬庫が二つとも危機にさらされていたのなら、船を沈める方が、弾薬庫の爆発よりも好ましい。弾薬庫注水で船を沈めることになっても、避難する余裕ができるので乗組員の生命を救うことができる。弾薬庫が爆発したら、生き残れる乗組員の数はとても少なかったろう。
この検証をみて、緒戦から配備されている連合軍艦船を訓練すべきとする理由がもうひとつ増えた。
とても興味深い研究だ。検証のご苦労と明解な結果のグラフに感謝する。次にすべきことは、乗組員のexpを70以上にまで速く上げるにはどうしたらいいかっていうことの検討だろう。もし艦長が乗組員のexpの向上に関連しているとすると、艦長のどのスキル値が重要?
expは訓練だけだと50前後までしか上がらない。それ以上へは戦闘で上がるんだけど、戦闘を繰り返した後でも、わずかな上昇しかみられないんだ。乗組員のexp向上と艦長のスキル値の関係については、leadershipスキル値が関与していると誰かが書いていたような気がするけど...
連合軍のダメコンが日本よりも優れてはいないという結果は興味深い。乗組員のexpの影響がもっとも重要なようだ。艦長のスキル値の影響はちょっと変。10%の差は統計誤差の範囲を超えているが、ほんとうにこんな風に影響してるんだろうか?いずれにせよ、この検証では火災の影響が大きすぎた。戦闘後には10から20くらいのレベルの火災の発生はよくあることだが、1-2ターンで鎮火する。50の火災が鎮火するかどうかは運の要素が強くて、追加のダメージが発生することもある。なので、火災なしで検証すればもっとはっきりした結果が得られたものと思う。 艦船の被害がとても大きいと、乗組員のexpが低下するのはこのゲームの特長だ。乗組員のexpがゆっくりとしか上昇しないこととこの特長とは関連しているのかも。戦闘中には熟練乗組員にかなりの死傷者が発生するので、得られたexpが損失よりわずかでも大きくないと、上昇として表現されないのかもしれない。
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