2010年9月19日日曜日

Tojo vs Tony その2

昨日のエントリーで紹介したスレに、Air Teamのリーダーの人からのレスが含まれていました。Devの人の考え方が分かるのと優位にある敵への対処の仕方など参考になると思うので、今日はAir Teamリーダーの人のスレだけを紹介します。
高度帯に関して。高度帯は設定通りに機能している。高度帯を設定した目的は、飛行機というものの性能にふさわしい現実的な高度で空戦が起きるように層別化し、古典的な戦闘でおきる複雑な機動を可能にすることだった。高度帯概念は素のWitPの空戦システムに新たな肉付けをした。しかし、空戦システムで機能しているのは高度帯概念だけではない。ほかにも、あなた方エンドユーザーのほとんどが気付かないような規則がたくさんあるし、またあなた方がそれに気付く必要もない。しかし、航空機の設計、技術の進歩、工業の能力(例えば冶金学)などが第二次大戦の空戦を決定した要因だった。もし、あなたの飛行機がエンジンのパワー不足や過給器がなく速度も劣っているというようにmaneuverabilityに寄与する因子がゼロに等しくなっていて、高度25kフィートでは不利だと感じるようなら、それが史実にふさわしい結論だ。私たちデザイナーはこのゲームがなるべく史実に忠実であるように努めた。私はそれを達成できたと感じている。
高度がすべてだ、というのは間違っている。P-47やP-51やコルセアが活躍するのはより高く飛べるからではなく、その他の要因も連合軍に有利になっているからだ。高度が全てと感じるのは、ゲーム内部のコードについてあなた方が知らないからで、それ自体はあなたの罪ではない。ただ、あなたの知らないことがあることも認識しておこう。
高度の有利、つまりある高度でのある機種の性能が他機種よりも優れていることが、どんな空戦でも重要になる。日本側プレーヤーは史実の三菱や中島の設計者と同様に決断を迫られる。他方、連合軍プレーヤーはノースアメリカンやVoughtやRepublicやグラマンの光輝に浴することができる。
簡単に言ってしまえば、連合軍はより優秀な飛行機を持つ点で圧倒的に優勢なので、それを享受してください。
みんなが高度について泣き言を言っているのは、日本のパイロットが昭和19年に「20kフィートより高いところでは連合軍の新型機に太刀打ちできない」と嘆いていたようなもの。連合軍は優位に立っていて、もし日本がP-47やP-38やコルセアやヘルキャットを出し抜こうとしても、優位でいられるのはごく短時間だけで、(数的優勢とより優秀な戦術を別にしても)優秀な過給器と大出力のエンジンと大きなプロペラが出会い頭の不利を挽回してくれる。高度(と出力に余力があること)が劣位を挽回するのにとても効果的だった。
高度25kでsweepする戦闘機は高度10kのCAPとは高度差が大きいので交戦する設定にすべきではないと文句を付ける人もいる。これはばかげた議論だ。20kの高度差でもわずか3マイルにしか過ぎない。もしあなたが悪漢を探していて、そいつが下の方にいるのなら、きっと見つけることができるに違いない。10マイル先の戦闘機1機をみつけるのも、訓練された視力1.2や1.0のパイロットなら可能なこと。3~4マイルしか離れていないのなら、見つけるのになんの問題もない。高度差が大きいと空戦に至らないという考え方は現実を無視しているので、取りあげるつもりは全くない。唯一考慮に値するのは天候(sweepする部隊の下方に雲)が発見を妨げることがないかどうか。天候はすでにdetection levelsに影響を与える変数として組み込まれている。
高度帯という概念は、ある機種が最善を発揮できる高度がどこかをあきらかにしてくれる。あなたの主力戦闘機が、高々度での性能に勝る敵の新型機にはりあって高度を上げてゆくと負けにつながることになる。その対策としてあなたにできることは、以下のリストの通り。
1、質的な劣勢を数的優勢でカバーする。高所からの攻撃を受け入れ、敵が降下してくるのを待つ。こうすると被害を被ることにはなるが、高所にいる敵の有利さは一時的なもので、第一撃にボーナスを与えるに過ぎない。敵の最初の攻撃から生き延びれば、もともと少数だった敵をさらに減らして航空優勢を得ることができる。しかし何事にも限界というものがある。まず、犠牲は覚悟しておかなければならない。また、数的優勢実現のために集中させた航空機が勝利を得るまでの期間に期限を設けておく必要おある。敵もやはり戦力を集中するようになり、あなたの数的な優勢がはっきりしなくなった時には敗北を認めるべきで、作戦を見直すことが必要だ。被害を少なくするために後退して、第二線での防衛を計画すべし。
2、あなたの部隊が数的な優勢を達成する準備が整うか、または敵に拮抗(シャーマン戦車対ティーゲル戦車を考えれば分かるように必ずしも敵に対する優勢を実現できる訳ではない、ここではあくまでも拮抗可能かどうかだけを問題にしている)できる新型戦闘機の生産が開始され、そして大戦緒戦の勝利の日々から温存してきた熟練パイロットをその新型機に搭乗させるようになるまでは、戦いを避けるようにしなさい。飛行機の性能とパイロットのexpと数的優勢との間には、ジャンケンのグー・チョキ・パーの関係がある。これら三つのうち二つで優っていれば、相手がそれを覆すまでは戦闘に勝利できる可能性がある。
3、私がこのゲームをする際には、高度のボーナスには拘らず、その機種が最善の性能を発揮する高度で飛ばすようにしている。また、勝利を期待する際には、優秀なパイロットを搭乗させるようにしている。日本側プレーヤーは、技術・性能的に不利な側に立たされる時がやってくる。そんな時には、あなたの航空部隊がきびしい空戦に健康な状態で望むことができるよう、大事にあつかってやることが必要だ。そして、あなたのゲーム上のゴールについて冷静になることもまた必要。
ゲームに関しては誰もが勝ち負けを問題にするが、WitP AEをプレイする多くの人は、両軍それぞれにとっての勝ちと負けとがどんなものなのかを見失っている。連合軍プレーヤーにとっては、史実と比較して領土の回復が遅れていれば負けていることになるだろうし、史実のカレンダーより早ければ勝利しつつあることになる。日本側プレーヤーにとっては、史実より速いペースで占領地を手放さなければならなければ負けていることになるし、史実より多くのダメージを連合軍に与えていれば勝っていることになるだろう。
高度は第二次大戦の空戦に最も重要な因子だ。これは、地上戦闘で高地が最重要視されるのと同様だ。”I have the high ground”は位置的な優位を示す文章で、戦闘における質的優勢・数的優勢・士気・リーダーシップなどの他の利点を大幅に減少させたり意味の無いものにしてしまう。低所にいるものがそれに打ち勝つことは困難で、それが戦闘の真実だ。
常に30kフィート以上を飛行することは現実的ではない。しかし、それはプレーヤーが犯している過ちだ。あなたは、プレーヤーが高度を自由に選択できる現在の設定をゲームから取り除いて欲しい?残念ながら、常に30kの高度で飛行させるプレーヤーの過ちを咎める人はゲーム内にはいない。じゃ、どうしたらいい?
1、高々度で長時間飛行するとパイロットが不快を感じる。疲れる。
2、航続距離が影響される。
3、飛行機は高々度を飛べるし戦闘もできるが、機動が難しくなる。これに対処するため、大きな発動機、より高い吸気圧、大きなプロペラが重要になる。もしあなたの戦闘機がそれらを装備していないならば、不利を被る。
4、現在の天候に応じて、高く昇るほど飛行と目標を見つけることが難しくなる。
高々度飛行によってops lossが多くなるようにすることもできるが、そのためにはコードを書き直す必要がある。Devチームは今のところコードの書き直しはしていない。戦闘の起きる頻度を減らすことも出来るが、そうすると代わりにどうしてうちの飛行機は戦闘してくれないのかという苦情がくるだろう。
あなたが日本側プレーヤーだとすると、昭和19年には空戦で一方的にやられっぱなしだと感じるようになるだろう。確かにその通り。でも、それは史実の指揮官たちの感じていたのと同じこと。選択できるオプションがいくつかあるという点では、あなたの方が史実の指揮官たちよりも希望が持てる状態だ。それでも、つらい登り坂を登るような経験にはなるが。
同様にあなたが連合軍プレーヤーなら、昭和16年には日本の大軍にどう対処していいのか途方にくれることだろう。頼るべき者は視力1.0の後知恵のみだが、おかげでP-40でも有利な高度を選んで巴戦をしないというように適切に使用すればゼロ戦を打ち負かすことがあることをあなたは知っている。
昭和17年段階での4発爆撃機の跳梁への対策を問われてのレス:
日本が緒戦に重視すべきは、劣位にある連合軍を数的優勢で圧倒すること。戦力を集中しなければならず、それで敵の数を削ってゆく。しかし、必ずしも敵を撃墜することだけを意味する訳ではなく、つぎ込めるものは全てつぎ込んで、相手の飛行場を攻撃しなければならない。必要なら陸軍の直協機、Nell、Bettyもそれにあてる。敵の飛行場を離陸しにくい状態にして、地上で破壊する。それに加えて空中でも撃墜する。そして、飛行隊を休ませること、天候も考慮すること、現実的な目標を設定し作戦を現実的なテンポで進めること。

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