リプレイを見終わった後に各根拠地を順次チェックすると、そのターンに港に到着したTFにdockしているものとdockしていないものがあることに気付きます。自動的にdcokするTFとdockしなかったTFとがある理由について、dockするにもOpsポイントが必要だがその日に港に到着するまでの航海でOpsポイントを使い果たして、dockするのに要するOpsポイントが残っていなかったのではという仮説がだいぶ以前にフォーラムで提示されていたことがあります。しかし、それが正しいのかどうかについてDevの人からのコメントはなく、真相は闇の中でした。先日、この問題についてまた
TF dockingというスレがたてられ、MIchaelさん(Devチームの一員)からの回答も寄せられていました。それによると、
規模3以下の港では自動的なdockは起きないが、プレイヤーが手動でdockさせることを妨げるものではない。小さな港の限られたdockスペースをプレイヤーの管理下に置くためこうされたのだと思う。プログラムが自動的にdockさせてその港のdockスペースを占めてしまうと、もっと重要なものを揚陸しようとするTFの支障になってしまう。長い目で見るとこの仕様の方が良いだろう。
とのこと。MIchaelさんはいまでもパッチをつくり続けてくれているdevチームの最後の一員ですが、もともとはNavalの担当ではなかったので、推測で答えてくれたようです。 マニュアルの9.3.3.2 CARGO AND FUEL HANDLINGには「dockしていないTFでも港で積載・揚陸ができるが、燃料の補給ができるのは規模5以上の港に限られる(小さな港にはそのための施設がないため)」と記載されています。途中の港で給油しながらのパトロールを指示してあるASW TFのことを考えると、規模4以下の港に物資を輸送するTFが自動的にdockしてしまうと、燃料補給に失敗することもあり得るでしょうから、自動的にはdockをさせないという仕様にも一理ある気もします。でも、この回答に対して
港が空いているなら自動的にdockすべきだし、港が空っぽでなくてもdockスペースに余裕があるなら自動的にdockすべきだし、港のdockスペースがいっぱいならいずれにせよプレイヤーが手動で管理しなければならないんだから、自動的にdockする仕様にすべきだ
と要望が出されました。それに対して、
TFは自動的にdockしない方がいい場合にはdockしないようになっている。上陸用TF(amphibious TF)は規模4未満の小さな港にdockするよりも海岸に揚陸した方が速い。こういった状況ではdockしないんだ
とDonさん(Devチームの一員)から回答がありました。しかしこれに対しても、
「 TFは自動的にdockしない方がいい場合にはdockしないようになっている。上陸用TF(amphibious TF)は規模4未満の小さな港にdockするよりも海岸に揚陸した方が速い。こういった状況ではdockしないんだ」っていうから検証してみた。同じ船級のxAKからなるCargo TFとAmphibious TFを二つずつ用意し、サプライを積載し、naval supportのいない規模1の港に移動させた。しっかりした結果を得るため、TFは同じヘクスから出発させ、到着後1ターン待って手動で揚陸を始めさせた。結果は
dockしていないCargo TF 160サプライ
dockしたAmphibious TF 400サプライ
dockしていないAmphibious TF 320サプライ
いずれにせよ、dockしたTFの方が速く揚陸できる。dockしているTFは燃料を消費せず、Opsダメージを被らず、現在あるダメージも速く修理できるという利点はいうまでもない。dockしない方がいいという主張には同意できない。事実から引き出せる結論はただ一つ、小さな港へはCargo TFやTransport TFではなくAmphibious TFをつかう方が有利だということ。しかもそれでも、dockした方がdockしないよりいい。
と反論のレスがありました。マニュアルの9.3.3.1 SHIPS DOCKEDには「dockスペースの上限を超えてTFを港にdockさせることはできない。しかし、dockしていないTFも少し遅いペースにはなるがほとんどの作業を実施できる」と記載されています。ただ、どのくらい遅くなるかは明記されていないので、少なくともサプライの揚陸に関してはdockしていないとdockしている状態の80%になってしまうことがこの検証で明らかになったのは収穫でした。そして、これに対するDevの人のお答えは、
関連するコードとその背後にあったデザインの目的を、可能な限り思い出してみた。
素のWitPと、発売前のWitP AEの初期バージョンには、TFをdockさせたりundockする特別なコードが含まれていなかった。TFはdockを試みるが、もしdockできなければその港で貨物の積み降ろしを自動的に始めることはなかった。
テストプレイでこの点の不都合が指摘され、dockできなくてもTFが貨物の積み降ろしをできる(ただし効率はかなり低いが)ようなコードが挿入された。
同時に、港の積み降ろしの限度が設定された。それはかなり複雑なものだった。TFがdockせずに大量の貨物を海岸に降ろせるとしても、港がこの貨物を輸送したり貯蔵する能力には限りがあるというものだ。一定量に達すると貨物は海岸に貯留し始め(輸送されるのをまつだけになる)、溢れかえってしまう。そこで、dockしていない時の貨物の取扱量に上限を設けることにした。dockしている時の取扱量の上限と同じように、これは港の規模に依存している。どちらも使えるが、dockしての貨物の取り扱いの方が好ましく、dockしていない状態での取扱量がdockしての貨物の取扱量を上回らないようにした。
最後に、上陸用TF(amphibious TF)が小さな港でdockしていない状態での積み降ろしを余儀なくされた場合の特別なチェックをいれることにした。これに関してはテストプレイヤーの間でかなりの議論がおこり、最終的には折衷案が採用されたが、必ずしも全員が満足できるようなものにはならなかった。
振り返ってみると、貨物の積み降ろしの上限量は少し低めだったかと思うし、dockしていないTFから降ろされた貨物を港が処理する能力の上限も少なすぎたかと思う。でも、これは私の感じ方に過ぎないし、私は今ではこのゲームのサポートチームのアクティブなメンバーではない。
少し長くなったが要点をかいつまんでいうと、計算式に変更を加えないことをお勧めする。変更すると他の面で大きくバランスの崩れる危険が大きい。変更を加えても効果は小さいし、ゲーム内でその変更が効果を発揮する機会も多くはない。
それでももし何らかの変更を加えようというのなら、貨物の積み降ろし量と、dockしていないTFが海岸に降ろした貨物を港が取り扱う量の、両方をいじらなければならない。片方だけ変更しても、もう片一方の上限量が変更なく効いたままなので、変更の効果が発揮されないから。しかし、dockしない状態で海岸へ貨物を降ろせる量に変更を加えるとすると、貨物の積み降ろし量の計算が全体的にバランスを失うことになってしまう(つまり、港にdockできるトン数の制限が意味を失ってしまう)。正気を失わずに済む唯一の変更方法は、上陸用TFのdockしていない状態での貨物の積み降ろし量すべてに制限を設け、Naval supportが海岸の滞貨を処理する特別な能力を(かなり限定的に)増加させることだろう。私見ではこれがなすべきことのように思えるが、上陸用ではないTFからdockしない状態での貨物の積み降ろしの能力を完全に奪ってしまうことになる。開発の途中でこの変更を(特に貨物を積載したTFが目的地で上陸用TFに変更されることがないようにしながら)試みた時、そうなってしまって唸ったのを想い出す(訳注:Cargo TFとして容量一杯積載し、目的地で容量の80%しか積載できないが降ろす速度が有利なAmphibious TFに変換するチートを使えなないようにしたまま、という意味でしょう)。いろいろと試みたが、結局は問題を解決できず、変更を加えることができただけだったので違った意味での問題が生じることになった。
というものでした。複雑な仕組みのゲームなのでプログラミングにもかなりご苦労があるようです。このスレを読むにあたってマニュアルを読みなおしてみたので、その部分の訳と、関連する数字も表にしてみました。
6.3.3.2.5 PORT LOAD RATE ADJUSTMENTS Naval Supportと港へのダメージはともに港のTFを扱う能力に影響を与える。
>> 港のダメージ1ポイントはその港の規模を1%小さくすることで、揚塔能力を減少させる。
>> Naval Supportは兵員とサプライの積載速度を向上させる。Naval Supportは対象となる艦船の揚塔速度を速くするが、その港で兵員・サプライを扱う能力自体を向上させるわけではない。1分隊のNaval support squadは兵員・サプライの積載能力を10ポイント向上させる。
>> dockしていないTF。TFはdockしていなくても積み降ろし作業を実施できる(港の艀を使うか、艦船搭載の舟艇をつかって)。積み降ろしの速度はきわめて制限されたものとなり、各ターンに積み降ろしできる量を制約するために設けられた、dockしていない艦船の貨物取り扱い上限量が課される。可能なら、積み降ろし作業の際にはTFをdockさせた方がいい。
>> 味方の港で潜水艦に搭載することのできる兵員数はごく少数に限定されている。港の規模によるが、制空権下の港では一日に1~4、制空権のない港では一日に1~2のみとなっている。
>> 港のヘクスの製油所と産油施設は、積載速度と一日あたりの最大積載可能量とをそれぞれ増加させる。増加する量は、積載速度については一日産出量の半分、最大積載可能量については一日あたり産出量と等しい。製油所と産油施設とがともに存在している場合は、製油所で消費される原油のぶんだけ、上記の増加量からさっ引かれる。
>> 港のヘクスのresource産出施設も、同じようにresourceの積載速度と一日あたりの最大積載可能量とを増加させる。
6.3.3.3 TASK FORCE UNLOADING
TFの荷下ろしはTFのタイプによって、通常の揚陸(normal unloading)と強襲揚陸(assault unloading)の二つに分類される。
6.3.3.3.1 NORMAL UNLOADING
通常の揚陸は積載と同じく港の規模の関数であり、各艦船ごとの速度も港としての一日あたり最大量も積載とまったく同じ速度で行われる。上記の港のダメージやNaval supportによる影響を含めて、積載でつかわれるのと同じ計算式をつかって、TFは揚陸してゆく。
1. 港の揚陸の修正要素:Naval supportと港のダメージはともにTFからの揚陸速度に影響する。
2. 港の揚陸速度の上限:一日あたりの最大取り扱い可能量は積載と揚陸の両方に適用される。もし、積載中のあるTFがその港の一日あたり最大取り扱い量の70%を使用していれば、揚陸に使えるのは残りの30%分だけになってしまう。
3. 港のdock可能トン数制限:港にdockできる最大艦船のトン数と、dockできる艦船の合計トン数とは積載・揚陸の両方に適用される。
4. TFがdockしているかどうか:どのTFもdockしていない状態で揚陸を行うことができる。上陸用TFはdockしていない状態での揚陸作業をより速く実行できる。
6.3.3.3.2 AMPHIBIOUS UNLOADING
Amphibious Unloadの速度ボーナスは上陸用TFだけに適用される。 Amphibious Unloadの速度は艦種(上陸用舟艇か揚陸艦かふつうの貨物・客船か)によって異なる。港の施設に由来する貨物の取り扱い上限量は適用されない。Amphibious Unloadは兵員と貨物(装備とサプライ)のみに適用される。Amphibious Unloadは燃料や原油やresourceには適用されない。日本側には開戦後4ヶ月(訳注:12月7日から4月6日ではなく、12月7日から3月31日まで)の緒戦期ボーナスがあることに注意すること。
6.3.3.3.2.1 OVER THE BEACH
これは海岸への強襲揚陸時に適用される。
>> 上陸用舟艇。上陸用舟艇は1ターンですべてを揚陸できる。
>> 揚陸艦(APA、AKA、LSD、LSVとイギリスの同種艦)。上陸用TFに含まれる揚陸艦は一ターンに一隻あたり3000ポイントの速度で揚陸できる。
>> 軍用輸送船(AP、AK)。上陸用TFに含まれる軍用輸送船は一ターンに一隻あたり600ポイントの速度で揚陸できる。
>> 商船(xAP、xAK)。 上陸用TFに含まれる商船は一ターンに一隻あたり250ポイントの速度で揚陸できる。
>> 日本側は1200ポイントの緒戦期ボーナスがすべてのAP、AK、xAP、xAKタイプに適用される(訳注:xAKLにも適用されるのかどうかとフォーラムで質問されたことがありましたが、はっきりした回答はありませんでした)。
6.3.3.3.2.2 FRIENDLY PORT
上陸用TFが規模4以下の味方の港にdockして揚陸する際には、兵員と貨物とで揚陸速度が異なる。
>> 上陸用舟艇。兵員は一ターンに一隻あたり1000ポイントの速度で揚陸できる。貨物は一ターンに一隻あたり750ポイントの速度で揚陸できる。
>> 揚陸艦(APA、AKA、LSD、LSVとイギリスの同種艦)。 兵員は一ターンに一隻あたり1000ポイントの速度で揚陸できる。貨物は一ターンに一隻あたり750ポイントの速度で揚陸できる。
>> 軍用輸送船(AP、AK)。 兵員は一ターンに一隻あたり300ポイントの速度で揚陸できる。貨物は一ターンに一隻あたり300ポイントの速度で揚陸できる。
>> 商船(xAP、xAK)。 兵員は一ターンに一隻あたり125ポイントの速度で揚陸できる。貨物は一ターンに一隻あたり125ポイントの速度で揚陸できる。