このゲームに登場するアイテムには石油関係の液体としてoilとfuelの2種類があります。oilの方は原油を表していて、油田で採取され、製油所で加工されてfuel(とsupply)になります。fuelは艦船の燃料を表しています。艦船にはそれぞれ重油ボイラー、ディーゼル機関、ガソリンエンジン、石炭バーナーなどが装備されていると思いますが、どの艦船の燃料もfuelで一括されています。燃料でも、このゲームの自動車、飛行機の燃料はfuelではなく、supply(サプライ)というアイテムに包括されています。
原油(oil)と艦船燃料(fuel)はタンカー(TK)と給油艦(AO)で海上を輸送されます。タンカーと給油艦は基本的には同じ構造の船だと思いますが、このゲームの給油艦には船倉の艦船燃料を他の艦船に洋上給油するための施設が施されているという設定です。タンカーと給油艦の船倉、液体用船倉の大きさはトン(WItP AEトンと呼ぶべきか)単位で表示され、1トン分の液体用船倉には1トンの原油または艦船燃料を積むことが出来ます。
たしかに原油と艦船燃料の輸送の主役はタンカーなのですが、艦船燃料を貨物船(xAK)、貨物輸送艦(AK)、攻撃型貨物輸送艦(AKA)で輸送することも可能です(原油はダメ)。ただし、貨物船による艦船燃料の輸送にはペナルティがあります。貨物船には貨物用の船倉があってその大きさがトンで表示されていますが、1トン分の貨物用船倉には0.5トンの艦船燃料を積むことが出来ません。なお、このように用途の違った船倉に荷物を積むことをこのゲームではcross loadと呼びます。このエントリーを書くにあたって、液体を貨物用船倉に積む際のcross loadのペナルティ係数 0.5の明記されている部分をマニュアルで探してみたのですが、発見することが出来ませんでした。発見は出来ませんでしたが、フォーラムのメンバーにも0.5は定数といっていいくらい当たり前の存在として受け止められています。
WitP AEのゲーム付属のグランドキャンペーンには、史実で日米両軍が苦労させられた船腹不足が生じ難いという欠点があります。原因は潜水艦が猛威を振るわないこと、港での荷役にかかる日数が短いことなどがあると指摘されています。日本側固有の事情としては、プレイヤーが船舶を効率的に利用していることが挙げられるでしょう。史実とは違ってA船・B船・C船の区別なく運航できますし、南方へサプライ・兵員を輸送した帰りに空荷で本土に戻さず必ず何かを積み取ってこさせたり、また貨物船を巡航速度ごとに分けてTFを編制したりなど、前者の轍を踏まぬよう、いろいろと工夫しているわけです。
連合軍側でも、史実の1942年オーストラリアには艦船燃料の逼迫した状態があったはずですが、プレイヤーは工夫を凝らします。私は今回のプレイで、イランのアバダンとアメリカ東海岸からケープタウンへの艦船燃料のオフマップ輸送をほとんど貨物船に委ねました。ケープタウンからオーストラリア南西のパースまではタンカーを使用していますが、オフマップ輸送を輸送船に任せることで、その分タンカーの使用を節約しているわけです。逆に、貴重なタンカーを潜水艦の攻撃によって失わないため、オフマップをタンカーにまかせ、ケープタウンからパースまでを貨物船に輸送させるプレイヤーもいるそうです。もっとも、アメリカ西海岸からハワイやオーストラリア東岸シドニー方面への輸送をしないわけにはいきませんから、潜水艦の被害をゼロにできるわけではないのですが。
こんな風に便利使いできる貨物船による艦船燃料の輸送ですが、問題ありなのではと指摘するFuel in cargo spaceというスレをフォーラムで目にしました。扱われているテーマは興味深いし、面白いエピソードも紹介されていたので、翻訳してみました。
以前はたくさんのfuel(艦船燃料)を貨物として貨物船に積んで輸送していた。しかしScenario Design and Moddingに立てられたRA 7.0 US Industry distributionというスレのSymonさん(Devチームの一員)のレスを読んでこのやり方について考え直すことにした。こういった方法は太平洋戦争でふつうに行われていたことなのだろうか?容器はどのくらいの大きさだったのだろうか?webでみつけた情報によると、たった1隻のアメリカ海軍のT-2級タンカーが運ぶ艦船燃料をドラム缶に詰めると141000個が必要になる。なんとたくさんな。私はこの方法を完全にやめることにした。
アメリカの採用した標準的な容器(バレル)は55ガロン缶(=日本のドラム缶)だった。原油もバレルを単位に計量されるが、そちらのバレルは原油の輸送に利用された昔々の木製の樽で容量42ガロンだった。T-2級タンカーは積載量141000バレルで、おおむね6百万ガロンにあたる。第二次大戦で使われた55ガロン入りのドラム缶に入れると、108000個になる。特別な場合には、少量の液体がドラム缶で輸送されることがあった。ほとんどは航空燃料で、困難だった時期のガダルカナルや、中国への航空燃料のハンプ越え輸送など、他の手段がない場合に限られていた。ドラム缶の一般的な用途は潤滑油だった。当時の星形エンジンには多量の潤滑油が必要だったんだ。
ありがとう!108000個のドラム缶でもたいへんな数だ。もしこの方法で艦船燃料が運ばれてきて、それだけの数のドラム缶を積み上げると小さな島なら埋まってしまいそうだ。
わたしはあっちのスレに自分の考えを述べた。私はいま連合軍側の液体槽付きの貨物船を客船に改装せずそのまま使うことを考えている。全部とはいわないまでも、一部はそうしようかなと。タンカーは大戦の全期間を通じて足りない。このタンカー不足のせいだけでも作戦の進み方が遅れる。タンカーは1隻沈没するだけでもがっかりだ。私がAndyさん作のシナリオ60(Nasty)をプレイした時には、作戦を立てることより燃料輸送の段取りをすることの方に時間を取られてしまったくらいだ。
Eugene Sledgeさんの著書With the Old Breed(訳注:邦訳は講談社学術文庫からペリリュー・沖縄戦記というタイトルで出ています。戦後30年以上たってから書かれた回顧録ですが、日本語も読みやすく好著です)の中にあったエピソードだが、Pavuvuに駐屯していた第一海兵師団に新兵として補充されたとき、空のドラム缶をごしごしこすって洗う任務に派遣されて、そのときは新兵にあてがわれる、報われない、つまらない仕事だと感じたのだそうだ。その後彼はペリリュー島に上陸することになったが、配給された水の容器の5ガロンと55ガロンのドラム缶が油で汚れているのに気付いたんだって。なんてこったい。
分からない点がある。以下の引用は、 http://www.qmfound.com/qmcpacific.htm からのものだ。
貯蔵と配給能力の大幅な不足:石油製品には種々のガソリン、ケロシン、航空燃料、ディーゼル油に加えて石油系の潤滑油が含まれる。連合軍の石油製品補給担当者は、戦線が1943年にニューギニアに移るまで、オーストラリの製油所と貯油施設を南西太平洋の作戦の支援にあてていた。その後の攻勢は大きな貯蔵施設の利用が限られた状態で前進しなければならなくなった。工兵はニューギニアで数種のグレードのガソリンとディーゼル油用の中規模タンク、軍需品臨時集積場を建設し、飛行場には航空燃料用のパイプラインを敷設した。しかしこういった小~中規模の貯蔵施設ではすべての需要を満たすことが出来なかった。1943年後半から1944年初頭、飛び石作戦が本格化し、新しい基地が次々と付け加えられてゆくにつれ、問題はより先鋭化した。大きな石油製品輸送船は浅い海への航行が困難だった。また浅海に入って行っても、急いで建設された貯油タンクが小さすぎ、積んできた全量を降ろせないことがしばしばだった。必要だったのは、基地から前方の軍需品集積所まで燃料を輸送できる小さな船舶だったが、滅多に手に入らなかった。
代替手段としての小分けされた製品:太平洋ではどこでも常に大きな貯油施設とパイプラインが不足していたので、石油製品は容器(ほとんどが55ガロンのドラム缶)に詰めて貯蔵・輸送されることが多かった。ドラム缶は大きくて重く、取り扱いが面倒だったが、フォークリフトとウインチを利用して貨物トラックに積み込むようにしていた。こういった機器が利用できない時には厚板の上を転がしてトラックの荷台に載せたものだ。自動車に直接給油できるようにするため、石油製品供給会社はドラム缶にパイプと注ぎ口を装着するようになった。ドラム缶だとジェリカンのほぼ2倍の量の燃料を貨物トラックに積むことが出来た。ドラム缶が常に不足し、また近代的で巨大な貯蔵・配給施設もなかったにもかかわらず、連合軍部隊に石油製品を送り届けようとした兵站業務担当者の努力は、結果からみて、おおむね成功だったと判断することが出来る。
疑問に感じるのは、港にやってきたタンカーの積んできた燃料はどうしていたのかという点だ。それぞれの港には小さな貯油タンクがあったのか?まずその貯油タンクに移し替え、そこからドラム缶に入れることにより、さらにタンカーの油を貯油タンクの方に移す余地をつくるようにしていたのか?私は海に縁がないので混乱している。
そのサイトでふれられている「代替手段としての小分けされた製品」というのは他の困難に対処するためのものだったと思う。小分けされた製品(55ガロンドラム缶などにパイプと注ぎ口を装着したもの)は合衆国本土から(一部はオーストラリアから)直接送られて来たものだ。前線に近い港で貯油タンクから注ぎ口付きのドラム缶やジェリカンに小分けされたと説明されているわけではない。もっとも、末端ではそういった小分けはしょっちゅう行っていただろうが。それと、この引用文中に述べられているのは石油製品であって、艦船燃料についてではない。
このゲームの燃料に関するデザインはつぎはぎだらけといってもいい感じなんだと思う。たとえば飛行隊や地上部隊は燃料としてサプライを消費するが、実際には55ガロンのドラム缶に詰められているし、fuelというのは艦船を行動させるための燃料を意味している。艦船の燃料は粘度も高く、満タンにするのに大量に必要で、たとえ駆逐艦でも55ガロン入りのドラム缶に入っている艦船燃料で満タンにしようとするなんてのは、コップに入れた飲料水で水泳用のプールをいっぱいにしようとするようなものだ。
発売されてからの5年の間に20くらいのスレ(訳注:誇張法表現だと思います)でとりあげられたテーマがまた持ち出されたことにびっくりしている。これまでに何度も充分(でも無駄だったようだが)に説明したが、これが最後ということで、もういちど手短かにまとめてみようと思う。
これでもまだ納得できないという人には、ほかのスレからも学ぶといいと思う。
- WitP AEはコンピュータのゲームだ。ルールは抽象化されたもので、現実そのものではない。自分の現実のとらえ方にあわないからといってルールに文句を付けると、周囲の人から相手にしてもらえなくなるだけだ。
- 航空燃料、自動車の燃料、潤滑油のようなものはサプライとして扱われる。そういったものはサプライだから、どんな貨物船にも載せることが出来る。油用のバレルだろうが、ヤギの革袋だろうが、魚の膀胱だろうが、ウィスキーの古い樽だろうが、どんな容器に入れてあってもサプライなんだ。そして、サプライはどんな貨物船にも載せることが出来る。以上。
- 艦船燃料と原油はそれとは違うモノだ。艦船燃料と原油はタンカーと給油艦に積むことが出来る。貨物船に艦船燃料をポンプで積み込むことは出来ない。これは、WitP AEのゲーム世界に取り入れたかったが、取り入れることの出来なかった現実世界の仕組みのうちの一つにあたる。
- 素のWitP AEのルールでは可能になっているが、個人的にはタンカーと給油艦以外による艦船燃料と原油の輸送を不可能にするハードなルールをつくりたかった。実際、DaBabes modの小マップシナリオではこのハードなルールが採用されている。
ひどいよSymonさん、また論理と理性でおしてくるとは、我々はいったいどうしたらいいんだい。おかげで、自分のプレイの習慣をやむなく修正しなければならなくなった。Miri(ボルネオ島の油田)に油田を修理するためのサプライを運んで来た貨物船が、艦船燃料を運び出しちゃいけないとは。いつも効率的なプレイを心がけていたのに、それが”悪い”習慣だったなんて。
私は年をとるにつれ、理解がおそくなって来ているようだ。以前、客船が港で燃料を補給するのをケーブルチャンネルでみたことがある。その燃料というのは文字通りポンプをつかって積み込まれていたが、歯磨きのペーストくらいに粘稠だった。船のボイラーに流し込むには加熱することが必要だった。そんなものをドラム缶に入れたり出したりする様子なんて想像できる?きっと無理だよ。私は、ニューヨークのグレートサウス湾のLong Island(太平洋のじゃないよ)に行くプレジャーボートでしか船旅を体験したことがない。その乏しい経験を、Kelly's Heros(知らない人がいるかもしれないけどアメリカの映画だ)のOddball軍曹の言葉で説明すると「乗ったことがあるだけで、どうやって動くのかその仕組みは知らない」。まさか艦船燃料が我が家の暖房用の燃料油と同じくらい粘稠だなんて知らなかった。
まあまあ、落ち着いて。決して”悪い”習慣ではないよ。ゲームのシステム的に可能で、マニュアルにも記載されていて、しかも貨物倉の50%だけというペナルティもあるんだから。無害だし、ルールにも違反しない。結局のところは、抽象化の産物なんだ。
艦船燃料と原油をタンカーと給油艦だけで運べるようにしたのは、よりリアルにするため私たちDaBabes modで導入した私的なルールだ。このルールは小さなマップのシナリオではうまく機能するが、グランドキャンペーンだとおかしなことになってしまう。面白い試みではあるんだが。
このスレを読むまで、このルールが抽象化の結果だとは知らなかった。面白い議論だったと思う。Symonさん、よりリアルにするための私的なルールって他にもあるのかな?
これは、たいへん。ほとんどが小さなマップ用シナリオのOOBとして採用してあって、グランドキャンペーンでの使用には向かない。それでも、あなたがリアリティを追求したがる古兵なら、通常のシナリオでも意味のある海軍艦艇に関するルールを紹介しよう。一つ目は、艦船燃料と原油はタンカーと給油艦のみで輸送するというもの。理由は上述の通り。二つ目はAP(兵員輸送艦)、AK(貨物輸送艦)、APA(攻撃型兵員輸送艦)、AKA(攻撃型貨物輸送艦)だけで上陸侵攻作戦を行い、xAP(客船)とxAK(貨物船)は用いないというもの。こうすると、緒戦の上陸ボーナスのなくなった後の日本側になんらかの配慮が必要になることは明らかだ。日本側はAKといっしょにxAK-t(船倉に兵員を詰め込む改装を施した貨物船)を使い、そしてAK 1隻ごとに1ユニットの特別な船舶工兵部隊を割り当てなければならないこととする。しかしこの船舶工兵部隊はDa Babes mod固有のユニットなので、一般のグランドキャンペーンでこのルールを適用することは出来ない。このルールの理由だが、xAPは兵員(だいたいは武器を持たない人間のみ)をある地点から別の地点へ移動させる輸送船として使われた。xAPは上陸戦用の船なんかではない。断じて違う。客船(xAP)が上陸戦用の船ではないとすると、貨物船(xAK)の方はどうだろう?どう思う?
三つ目は機動部隊なしというものだ、実際に機動部隊は存在したのだが、このゲームで使われるような形でではなかった。空母TFはすべて航空艦隊にもとづいて編制することとする。つまり機動部隊は三つの航空艦隊が協調して航行しているものということになる。このルールは両軍に取って望ましいものでもあるはずだ。ゲームエンジンの乱用がなくなるし、敵の攻撃目標を分散させることにもなる。
以上のルールは、ちまたで蔓延しているゲームエンジン、ゲームシステムの悪用を緩和してくれる方法だ。ほかにもDa Babes modで採用されることになった地上ユニットには、同様な効果を狙ったものがある。
港で降ろした艦船燃料がどうなるのか、このゲームでは抽象化されている。飛行場と港の規模値の合計が9になるまで、根拠地には貯蔵量の上限が設定される。それ以上の規模になると、サプライも艦船燃料も好きなだけ貯蔵することが出来る。艦船燃料の貯蔵タンクが多数並んだ根拠地がごく少数しか存在しなかったこと、またそんなものが前線近くにあったら敵の航空攻撃にきわめて脆弱だったろうことを考えると、非現実的なルールではある。しかしゲームと現実とは違う。必ずしも現実を正確に映したものではなく、根拠地の規模が一定以上になれば、運んで来た艦船燃料を貯蔵する貯蔵タンクが魔法によりできあがる。素晴らしいとはいえないが、Symonさん(訳注:上のレスの人、Devチームの一員)が指摘したように、これはゲームで、現実の世界とは違うんだ。ゲームを作るには、いろいろと妥協しなければならない点が多いし、それを受け入れて行くしかないんだ。
抽象化されていることは分かった。しかし一つ不思議なことがある。規模2の港に6000の艦船燃料を貨物船で運ぶ。その根拠地では900にならないと無駄(spoilage)が発生しない。ということは小さな貯蔵タンクがあるっていうことになる。貨物船で運ばれて来た6000の艦船燃料というのは、55ガロン入りのドラム缶50000個だ。ドラム缶がすべて荷下ろしされた後はどうなる?艦船燃料はどうやって貯蔵タンクに注ぎ込まれるのか?こんなことを尋ねるのは、多数のNaval supportがいる港だと、タンカーから降ろすより、貨物船からドラム缶を降ろす方が早く済む。荷下ろしのあった次のターンにはdisbandした貨物船が積み上がったドラム缶で埋まってしまうくらいだ。いったん条件(港の規模とNaval support)を満たせば、タンカーで艦船燃料を運ぶ必要が無くなる。PBEMでタンカーはオフマップの輸送だけに専念させたと言っていたひとも、マップ上の艦船燃料の輸送は貨物船にやらせていたんだろう。Dababes C modが貨物船の積載量を減らすことでこういった問題を多少は改善してくれたことを知っているが、貨物用の船倉で艦船燃料を運べる比率は50%のままだ。20~30%くらいにまで下げることが出来ないんだろうか?
きついことをいうつもりはないが、Symonさんのこれまでの説明を読むと無理なようだ。その種の艦船燃料は貨物船で運ばれるべきものではないんだ。例外は、作り付けの液体槽のある貨物船(ドラム缶で運ぶわけではない)だけだ。ところで、私はこのフォーラムに出入りするようになったのはかなり最近のこと(勉強のためできるだけ古いスレにも目を通すようにしているけど)だが、こういったテーマのスレを読んだのは初めてだ。
レスありがとう。リアリズムに徹するために、xAK(貨物船)で艦船燃料を輸送する習慣はやめようと思う。でもAIは貨物船で艦船燃料を輸送したりするのかな?ところで、液体槽のある貨物船、例えば貨物倉5000・液体槽200のような貨物船の液体槽にだけ艦船燃料を積めるような設定がこのゲームにはない。サプライを積むよう指示しても、艦船燃料を積むよう指示しても、両方に積み込まれてしまう。
小さな液体槽をもった貨物船があるのは、船倉の一部が液体用になっている貨物船があったからだ。これは化学物質、溶剤、ナフサ、自動車燃料、潤滑油などのためのものだ。艦船燃料を入れることは滅多になく、ましてや原油を入れることなんて絶対になかった。この種の液体はすべてサプライとして扱われるべきものばかりだから、リアリティを追求するのなら、液体槽を取っ払って、その分だけ一般の貨物倉を増やせばいい。でもそれも面倒だから、そのままにしておいて、サプライを積めばいいと思うよ。
液体の輸送をタンカーと給油艦に限るHRは有意義だと思う。私はこのスレを読む前からすでに貨物船で艦船燃料を運ぶことがほとんどなかった。主に効率的ではないという理由からだ。貨物船は運べる燃料の量に比較してかなりの量の燃料を航行ために消費してしまう。日本側のプレイの時には、南方資源地帯から本土へ貨物船を空荷で移動させないためだけに艦船燃料を積むことにしていた。これからはリソースの方を積むことにしようと思う。
日本にとっては違うのかもしれないけれど、連合軍側なら燃料消費を気にせずこの方法をつかうことができる。
本当に学びたい、1~2時間かかってもいいという人には、第二次大戦太平洋戦域の基地と施設建設に関する確定的な総括がある。基地ごと島ごとに地図付きで、だれがどの施設を建設したのか、機能、貯蔵量などに至るまで記載されている。Wikipedeaiではなく、アメリカ海軍公式の歴史のサイト だ。表面的をなぞってみただけでも、アメリカ軍、特にSeabees海軍建設工兵隊が勝利への途上でたくさんの貯蔵タンク群をたくさんの島に建設したことが分かる。こういった貯蔵タンク群は主にタンカーや給油艦用だった。
カマボコ兵舎建設用キットと同じような石油製品貯蔵タンク建設用のキットをつかって、Seabeesがたちどころにタンクを建設するのを、古いニュース映画でみたことがある。地元のサンゴを骨材に利用したコンクリートで基礎を作り、ハブとスポーク状の枠組みを載せ、リング状の部材を溶接とボルトで留めて骨組みをつくり、輸送用にコンパクトに包装された壁面用の成型板材をばらして仕上げる。Seabeesは驚くほど短時間で仕上げていた。
第二次大戦で兵站の機能していた様子には驚かされるばかりだ。今日ではほぼ即時にwebで連絡が取れるし、エクセルはあるし、世界中どこへでも船舶・鉄道・航空機・トラックからなる輸送網があるから、必要な物を必要な時に必要な量だけ配送することが可能だ。ネットで、映画のストリーム視聴はいつでも可能だし、いきつけの修理工場にタイヤを配達しておいてくれるよう注文することもできるし、またホテルや交通手段など込みでの旅行をたとえば香港まで予約することもできる。
1940年代には機械式計算機、タイプライターとカーボンコピー紙、ガリ版、それに無線機ではモールス信号をつかっていた。IBMのパンチカードはハイテクだった!その時代がどんな風だったのかは想像することも難しい。たとえば、ある通信部隊がオーストラリアの基地に到着し、機材と人員はほとんど揃ったが手違いでタイプライターだけ届いていないような事態を想像してみる。もらう、借りる、盗むかして部隊の活動に必要な数のタイプライターを揃えるのにどのくらいの時間がかかったことだろう。このゲームは細部にまでこだわっているという点でプレイが大変だが、コンピュータを利用できる。第二次大戦の頃にはなかったものが。
40歳以下の誰かに、カーボン紙について説明してみよう。あるいは修正液でもいい(訳注:きっとみたこともないだろうという意か)。兵站任務は難解なパズルを解くようなものだったが、それでも当時の人たちは速やかにこなしていた。なぜそんなことができたのか秘密を明かすと、多量の無駄を発生させながらこなしていたということだ。太平洋戦域に向けて多量の装置やサプライ品が発送されたが、放置されたり、燃えたり、海に捨てられたりしたものも多かった。前のレスで示したサイトをみると、アメリカにはバー、野球場、ジュークボックスなどの完備した海兵隊リクリエーションセンターを地球の反対側に建設するだけの資源があった。いったいぜんたいどうして、勝てるだろうなんて見込みを日本はもつことになったんだろう?
イギリス人の歴史家のJohn Keegan(訳注;邦訳された著書がある人なのかどうかと思ってぐぐってみると、うちにあるタイムズ・アトラス第二次世界大戦歴史地図というおっきな本もこの人の著書でした)は第二次大戦の頃子供だった。戦争の終わった時、たしか彼は12歳だったんだと思う。彼は戦争中の兵隊たちのことをあれこれ書いている。戦争が始まってそれほどたたないうちに、イギリスの兵隊たちの制服には費用削減のための変化が見て取れるようになった。その後アメリカ軍がやって来た。1944年春のある日、彼が田舎道を歩いていると、アメリカの兵隊たちが通りかかった。彼の住んでいた地方ではそういったことは当たり前だったんだそうだ。路肩を歩いていると突然何かが飛んできて彼にあたり、さらにまた別の何かがあたった。アメリカ人が投げたんだと思ってとっさに怒りをおぼえたが、アメリカ兵の投げて来たものはチョコレートバーだった。あんまりたくさんのチョコレートバーだったので、シャツを脱いでそれにくるまないと持てないほどだった。戦利品を拾いながら、イギリスの田舎の男の子にこんなにたくさんのチョコレートは生まれて初めてと思わせるくらいにチョコレートを投げて寄越せるような軍隊ならきっと勝つだろうと感じたのだそうだ。ドイツ軍にチャンスはなかった。彼はその時からアメリカ人を好きになったとも書いてあったと思う。
客船や貨物船をつかって海上でTFの燃料を補充することに関して、一般的にはどう考えられているんだろうか?最近はあまりつかっていないが、連合軍側をプレイしていた時には私もよく利用した方法だ。
同じことが実際に行われていたから、それについては問題なしだと思う。特に駆逐艦は高速を発揮できる割に燃料の搭載量が少なく、しょっちゅう大きな艦から燃料を融通してもらっていた。
実際に行われていたかどうかという点にではなく、このゲームでのシステム面の影響に関心がある。洋上給油によりOps pointを消費するのだろうか?天候により問題が生じたりするんだろうか?
太西洋を横断するコンボイは護衛の艦艇に洋上で給油するためのタンカーを含めていたことが一般的だった。護衛艦艇が貨物船から給油を受けることはなかった。日本の場合、貨物船から護衛艦艇への給油は問題ありだっただろう。史実では日本の貨物船のおよそ半数は石炭炊きだったんだから(訳注:そうだったんですか)。
技術的なことを考えると、貨物船には洋上で燃料を他の艦船に与える設備はなかった。大西洋横断コンボイの中には洋上給油用のタンカーを含んでいたものもあったが、このゲームのシステムではその点はサポートされていない。このゲームでは、ある船はほかの船の燃料を拝借できる、そんなことになっている。あなたの手にしているこのゲームは抽象化の寄せ集めなんだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿