2014年6月30日月曜日

ディリに日本の哨戒艇


1942年9月18日、中国では引き続き日本軍の空襲が続いています。重慶では九七重爆(Ki-21-Ic Sally) 25機が飛行場を爆撃し、Airbase hits 3、Runway hits 22。また重慶の西の平地ヘクスを行軍中(爆撃後の移動フェーズで目的地である森林ヘクスに移動済み)だった中国軍部隊が百式重爆(Ki-49-IIa Helen) 29機の爆撃を受け、device 1個が破壊され13個がdisabeldになりました。またきのうのうちに森林ヘクスに到着していた部隊にも二式戦(Ki-44-IIa Tojo) 59機に護衛された九七重爆(Ki-21-IIa Sally) 78機の爆撃があり、device 13個がdisabeldになりました。後者は2倍以上の数の爆撃機の攻撃を受けたわけですが、森林ヘクスなので被害が少なくて済みました。 重慶からの移動が済み、重慶防衛線のうちの西側の道路の通過する森林ヘクスには合計AV 4000超の部隊が集結しました。サプライ不足ではあるし、これで間に合うのかどうか。

ニューギニアのブナでは連合軍側からDeliberate attackを実施しました。昨日のエントリーでお報せしたように、素のAVは644:312。日本側には地形のプラス、準備不足のマイナス修正、連合軍にはサプライ不足のマイナス修正があり、修正AVは109:231。参加していた戦闘工兵部隊が防御施設を1から0に低下させましたが、AV(白兵戦値)の方が1:2と日本側有利な修正オッズ比だったので白兵戦は実施されませんでした。白兵戦はなくてもその前の射撃フェーズでの火力の応酬で、日本側はdevice 14個が破壊され、116個がdisabled(負傷・故障)になりました。それに対し、連合軍側の被害はdevice 4個破壊、82個。兵数の少ない日本側の死傷者の方が多くなっていますから、攻撃を繰り返せばブナを奪還できると思います。ただ今日の攻撃により疲労値と混乱値が20以上になったので、数日お休みさせてから攻撃を再開させるつもりです。

チモール島クーパンにはマカッサルから零戦(A6M2 Zero) 73機がsweepにやってきました。クーパンとRotiの戦闘機 16機(Hurricane IIc Trop 5、Kittyhawk IA 3、P-40E Warhawk 8)がCAPしていましたが、多勢に無勢で打ち負かされました。連合軍機13機(Hurricane IIc Trop 4、Kittyhawk IA 3、P-40E Warhawk 6)が失われ、零戦の損失は2機のみ。sweeperにやりたい放題されるのは辛いところですが、爆撃機に飛行場や揚陸中の客船・貨物船を叩かれることがなければ、耐えられる範囲の痛みではあります。

きのう目撃されたチモール島北側の日本のTFはPB Kaiun Maruでした。前日と同様に、LautemからクーパンへCM Abdielが戦闘工兵部隊をFasttransportしたのですが、往復ともディリのヘクスでPB Kaiun Maruと出くわしたのです。PB(哨戒艇)とCM(機雷敷設艦)の遭遇なので、ともに積極的に戦う意志はなく、なにごともなく分かれてゆきました。もしかするとPBは連合軍がLautemを奪還した時にたまたまディリに寄港中で、そのまま帰りそびれてしまったものかもしれません。いっぽう、CA最上がいるのではと期待してチモール島北方海面に派遣された巡洋艦TFは空振りに終わりました。巡洋艦TFの位置は、マカッサル、ケンダリーから陸攻が零戦の護衛付きで攻撃できる圏内なのですが、やってはきませんでした。

2014年6月29日日曜日

チモール島北岸に不審船

1942年9月17日、中国戦線では今日も日本側の空襲が続きました。まずは重慶の飛行場を狙った空襲で九七重爆(Ki-21-Ic Sally) 25機により、Airbase hits 2、Runway hits 15。そして、温州の飛行場にも九七重爆(Ki-21-Ic Sally) 23機によりAirbase hits 1、Airbase supply hits 1、Runway hits 9。そして主力は重慶の西のヘクスを行軍中の中国軍部隊に対するもので、一式戦(Ki-43-Ic Oscar) 12機と二式戦(Ki-44-IIa Tojo) 59機に護衛された九七重爆(Ki-21-IIa Sally) 78機と百式重爆(Ki-49-IIa Helen) 29機が2波にわかれて爆撃を行い、device 4個破壊、69個がdisabledになる被害が出ました。

前回のエントリーでは「明日には目的地である森林ヘクスに到着します」と書きましたが、これは誤りでした。たしかに今日森林ヘクスに逃げ込めた部隊もあるのですが、6部隊ほどはあと一日かかります。ということはあしたも同じ程度の空襲の被害を覚悟しなければなりません。日本軍の大部隊は、重慶・貴陽・昆明をつなぐ道路の三叉路を東に移動中です。つまり、貴陽経由の道路ではなく、近い方の道路で重慶に接近するということになります。空襲を受けたのは、日本軍の接近に対して森林ヘクスで守備する予定の部隊なので、こんな風に爆撃で戦力を削られるのはかなりつらいのです。この分だと突破されてしまうことになりそうです。中国に関しては諦め気分です。

ニューギニアでは、ブナで日本軍の戦力を探るための砲撃を実施しました。ブナの戦力は、連合軍が歩兵師団1、歩兵連隊1、戦闘工兵連隊1、戦車大隊1など1万5千名で素のAV合計が644。日本側は第144歩兵聯隊、舞鶴第2特別陸戦隊と海軍の防備隊など9千名弱で素のAV合計が311でした。日本側はポートモレスビーから撤退してきた部隊と、もともとのブナ守備隊とが半々くらいのようです。素のAVはポートモレスビー攻略時の643:190に比較すると、かなり日本側が有利になっています。一回の戦闘で奪還というわけにはいかないかもしれませんが、明日はDeliberate attackをしかけてみるつもりです。

さて、クーパン海戦から一日たったチモール島周辺。連合軍はRotiとクーパンにコンボイを戻して部隊・サプライの揚陸作業を再開しましたが、日本側からの妨害や戦闘はありませんでした。しかしひとつ気がかりなことがあります。それはディリの北西のヘクスに日本のTFの存在が報告されたことです。1隻だけだそうですが、残念なことに天候はextreme overcastで、艦種や進行方向は不明です。これはいったい何なんでしょう?

北のマカッサル、ケンダリーから日本軍が高速戦闘艦、軽巡か駆逐艦を送り込んだのか?実は、LautemにみえているTFのうちのひとつはFasttransport TF(CM Abdiel単艦のTF)で、昨夜から今日にかけてLautemからクーパンに工兵部隊を輸送、つまりLautem・クーパン間を一往復したのですが、この日本のTFに攻撃されることはありませんでした。ですから、日本側が新手の攻撃能力を持った艦を派遣したというのは考えにくいと思います。ではなにかというと、CA最上なのかなと思うのです。CA最上は沈没艦リストに名前が載せられていますが、クーパン海戦での被害はPTボートによる魚雷1本だけでした。さすがに重巡ですから魚雷1本だけで沈没することは考えにくく、必至にダメコンしながら撤退中で、しかもどういう筋道かは分かりませんが、AIは北に直行するよりチモール島北部沿岸ルートを選択したということなのではないでしょうか。

連合軍はクーパン海戦の結果から、しばらくは日本軍水上艦隊がやって来ることはないだろうと判断して、Lautem、クーパン、Roti配置のカタリナ飛行艇とB-25CのNaval attack指示を中止し、Naval Searchと休養に変更してありました。こんなに近くに残っているのならあと一日攻撃の指示を続けておけば良かったと反省しています。ということで各飛行隊にはあらためてNaval attackの指示を出しました。またLautemにいる2つのTFのひとつは巡洋艦TFです。この巡洋艦戦隊に「不審船」の周辺をパトロールするよう指示してみました。

2014年6月26日木曜日

戦艦長門撃沈


先週の木曜日以来まったくメールが送られて来ていませんでした。WitP AEのフォーラムでは訃報を目にすることがまれならずあり、また私自身も4年前に交通事故による入院でしばらくPBEMを無断でお休みした経験があるので、もしかすると病気で入院しちゃったりかなと心配しました。でも昨日1週間ぶりにメールが到着し、第285ターンをプレイすることができました。

(リアルで)この一週間ずっと気になっていたチモール島を狙う日本のTFですが、空母TFではなく、BB長門・陸奥、CA愛宕・摩耶・那智・最上・三隈・鈴谷、CL川内と駆逐艦4隻という強力な水上戦闘艦隊でした。軽巡だけという前日のカタリナ飛行艇のパイロットの報告とはずいぶん違います。この日本艦隊はクーパンに接近し、クーパン・Roti間をパトロールしていたBB Idaho・New Mexico、CL De Ruyter・Adelaide、CLAA Van Heemskerckと駆逐艦5隻の連合軍TFと砲火をかわすことになりました。戦艦2重巡6軽巡1の日本艦隊に比較すると戦艦2軽巡3の陣容はかなり見劣りし、行方が危ぶまれます。

昨夜は曇りでmoonlight 35%のため最大視程は8000ヤードでした。連合軍は2万ヤードからレーダーで敵を探知し、その後8000ヤードで双方が相手を視認しました。砲戦の開始は7000ヤード。この7000ヤードでBB長門の砲撃がBBアイダホに2発命中し、2発ともbelt armor penetratedと表示されました。またCLAAと駆逐艦Crosbyも被弾しましたが、日本側には被害はなし。優勢な敵を相手にするとこれもやむを得ないかもとあきらめの境地でした。7000ヤードで一通りのやり取りが済んだ後、次は3000ヤードにまで接近しての殴り合いです。こんどはBBアイダホの砲撃がBB長門を直撃しCritical Damegeの表示が出ました。その後も激しい応酬が続きましたが、火災と煙りの表示される艦は連合軍側の方が多く、見ているのも辛くて早送りしてしまいました。コンバットリポートをみてみると、ご覧の通りCL De Ruyterが被弾9で沈没したのを筆頭に、連合軍側の被弾数が多くなっています。日本側はBB長門の被弾5発が最多で、長門にはheavy fires,  heavy damageとも記載されているので、かなりのダメージを与えることができたもようです。

次の戦闘は同じクーパンのヘクスでの、日本艦隊対PTボートの対決でした。双方とも距離7000ヤードで相手を視認し、先任大佐ということで司令官を務めていた小暮軍治陸奥艦長はT字戦法を指示しました。横腹を見せることになるT字戦法が、PTボート相手にはたして有効な戦法なのかどうか、かえって魚雷の標的を大きくさせたりしないか、他人事ながら心配になります。PTボートは2000ヤードまで接近し、11隻のうち3隻が砲撃で沈められましたが、その間に発射した魚雷各1本がBB陸奥とCA最上に命中しました。この戦闘で注目なのは、日本艦隊の中にBB長門の姿がみえなかったことです。長門は最低でもEscort TFとして分離される規模のダメージを負ったことは確かです。さらに注目なのは、日本艦隊に含まれる駆逐艦の数が4隻と、水上砲戦のときと同じ数だったことです。主力艦がEscort TFに編成される時には、駆逐艦が同行する仕様ですから、駆逐艦が1隻も分派されていないということは、BB長門をEscot TFに編成する必要がなかった=沈没ということになるでしょうか。

夜間の戦闘はこれで終了。日本艦隊はクーパンから離れてゆきますが、途中、クーパンの北西隣りのヘクスでやはり避退していたPTボートTFと接触します。曇りですが昼なので最大視程は2万ヤード。PTボートは日本側を1万4000ヤードで視認し逃げにかかったと思うのですが、日本側は8000ヤードでPTボートを視認。日本艦隊の中に前夜の戦闘で魚雷を1本喰らったBB陸奥の姿は見えず、またDD初雪もいなくなっているので、この2隻はEscort TFとして別行動をとったようです。司令官は陸奥艦長ではなく、どれの艦長かは不明ですが清田 孝彦さん。やはりT字戦法を指示し、8隻いたPTボートのうち5隻が沈められました。

チモール島をめぐる戦闘のラストは、クーパンからのカタリナ飛行艇(PBY-5A Catalina)の攻撃です。午前 8機、午後 6機のカタリナ飛行艇がCA摩耶を雷撃し、合計で5本の魚雷を命中させ撃沈することができました。バンダ海にはこのほかにも日本のTF2つの存在が報告されています。クーパンとRotiには合計で3個飛行隊36機のカタリナ飛行艇を配置し、Naval Search 30%でNaval AtackをPrimary Missionとして指示してあったので、ほんとうはこの2つのTFの方も攻撃してほしかったのですが。マカッサルやケンダリーに近くなるので、CAPの気配を察して攻撃しなかったのかも知れません。

まとめると、連合軍はCL De Ruyter(6442トン、VP 24)とPTボート8隻(各35トン、VP 1)が沈没。残り少ないオランダ艦がまた1隻失われました。そしてCL Adelaide大破、CLAA Van Heemskerck、DD Crosby、DD Le Triomphantの3隻が中破。CL AdelaideはSys 58, Flt 68(26), Eng 9で速度も7ノットしか出ませんが、クーパンの港にdisbandさせるので(クーパン港への空襲がなければ)沈没することはないと思います。中破の3隻は26ノットが可能な状態なので、パースに回航しようと思います。

さて、不思議なのはBB Idahoです。アイダホのインフォメーション画面をみると”Last hit by a 40cm/45 3YT Gun”となっているので、長門の砲弾が命中したのは確かです。ところが驚いたことにダメージはSys 2だけしかないんですね。距離7000ヤードで40cm砲弾が命中したのに!belt armorにあたったがリプレイ中のpenetratedの表示は誤認で、はじかれてしまったということでしょうか?BB New Mexicoの方は無傷だし、軽巡、駆逐艦、PTボートの損害を考慮しても、総体としては軽微な損害といえると思います。

対する日本側では、BB榛名(長門のはずですがFoWのせいで榛名とされているのでしょう)とCA摩耶(14604トン、VP 58)とCA最上(13668トン、VP 52)の3隻の名前が沈没艦船リストに載せられていました。このうちCA摩耶はリプレイ中に沈没したので確実です。またBB長門も上述の理由から、沈没の可能性が濃厚でしょう。CA最上はPTボートの魚雷1本だけなので、生き残っているんじゃないかな、バンダ海の艦種不明の1隻のTFが最上なんじゃないかなという気もします。空母の沈没の確認法として艦載機の水没(Ground Loss)をみる方法があります。今日は零水偵(E13A1 Jake) 3機(3機ともGround loss)、九五式水偵(E8N2 Dave) 2機(Ground LossとOps loss 各1機)、九四式水偵(E7K2) 1機(Ops loss)が損失機リストにありました。偵察機を搭載している主力艦少なくとも2隻の沈没は確実ですが、3隻かどうかは怪しいところ。でも戦艦1、重巡1撃沈なら郝郝たる戦果ですよね。沈めることはできませんでしたが、BB陸奥だって魚雷1本によるダメージを修理するには本土に回航することが必要でしょうから、ふたたび蘭印の海を航行できるのは2ヶ月は先のことでしょう。その頃までにはマカッサルを奪回し終えていたいなと、夢が広がります。

ジュトランドの戦訓を汲んで建造されたBB長門、陸奥に比較すると、第一次大戦中に建造されたBBアイダホ、ニューメキシコはかなり見劣りします。日本側で対応する戦艦といえば伊勢・日向くらいでしょう。ですから最初の水上砲戦が始まった時には大苦戦を覚悟したのに、終わってみると連合軍側の勝利となりました。日本側もこんな結果は予期していなかっただろうと思います。どうしてこんなことになったのか。理由の一つは日本艦隊がおそらく艦砲射撃TF(艦砲射撃は仕損なったが)だったからではないでしょうか。フォーラムでもはっきりした根拠となるスレを読んだ記憶はありませんが、ふつうの水上戦闘TFと艦砲射撃TFとの戦闘では、後者が不利になる印象をもっています。また、連合軍側がレーダーで先に日本側を発見していたことも大きかったんでしょうね。さらに、そもそも日本側は襲撃を前日のうちに察知されていて、連合軍側が商船の待避、PTボートの召喚、カタリナ飛行艇の再配置、戦艦を含んだTFによるパトロールなど、迎撃する準備を整えることができたことも勝因の一つと言えるでしょう。

ところかわって中国では、日本側の激しい攻撃が展開されました。まずは重慶に九七重爆(Ki-21-Ic Sally) 26機が飛来し、飛行場にAirbase hits 1、Runway hits 8の250kg爆弾を命中させて行きました。重慶の飛行場は使用させないという日本側の意思の現れだと思います。

ついで重慶の西隣のヘクスを行軍中だった中国軍部隊の上空に、一式戦(Ki-43-Ic Oscar) 12機と二式戦(Ki-44-IIa Tojo) 59機に護衛された九七重爆(Ki-21-IIa Sally) 78機と百式重爆(Ki-49-IIa Helen) 29機が現れました。ここの中国軍10個軍団は、重慶からここの南西の森林ヘクス(重慶防衛線の一郭)を目指して行軍中でした。move modeで移動していたので、107機もの爆撃機の攻撃によりdevice 7個が破壊され108個がdsiabledになるという大きな損害を受けてしまいました。 これ、明日以降も続くようなら大問題なのですが、幸いなことに明日には目的地である森林ヘクスに到着します。森林ヘクスでは爆撃の威力もかなり軽減されるので、今日のような被害はないでしょう。

そして、その森林ヘクスのさらに南西側のヘクスでは日本側の攻撃があり、前哨の役割を果たしていた中国軍1部隊が一蹴されました。そのさらに西側には日本軍23部隊がみえています。この23部隊はこのまま東進するのか、または貴陽経由の遠回りで重慶を目指すのか、注視したいと思います。

ビルマではShweboを奪還することができました。マンダレーの日本軍には南下の動きがあるようですが、連合軍としてもすぐに渡河するほどの兵力はありません。日本側守備隊が激減することでもなければ、サプライの状況が良くなる10月半ば過ぎまで中部平原ではおとなしくしておこうかなと思います。

ニューギニアではポートモレスビーからオーエンスタンレー山脈を越えて行軍中だった米軍部隊が今日ブナに到着しました。ブナでは日本軍10部隊が守備しているようですが、兵力は不明です。10部隊とはいってもポートモレスビーから退却した部隊をあわせて10で、戦力としては対したことがないのか。それともかなり頑張れる部隊が守備しているのか。偵察情報だけでははっきりしないので、あしたは砲撃を仕掛けて戦力を探るつもりです。

チモール島周辺の戦いの他に、今日はSS Plunger(1355トン、VP 8)も沈没しました。米軍の優れたダメコンをもってしてもさすがにSysダメージ 73の対処は困難なようで、前日に爆弾の命中した位置から3ヘクスだけ航行して力つきてしまいました。

2014年6月25日水曜日

英連邦各国軍の戦車deviceのアップグレードパス


連合軍側をプレイしていると、英連邦諸国の地上部隊のdeviceのアップグレードに気を使う必要があるというレスをしばしば目にします。先日、貯蔵の設定をオンにすべきdeviceというエントリーでそういった事情を紹介しましたが、今日は戦車deviceについてのスレを紹介します。

RA modをつかって連合軍側をプレイしているJimさんの、John 3rdさんとのPBEMに助言している。第254機甲旅団の戦車、Improv AFV (Hvy)のアップグレード経路をデータベース(Dキーを押して表示される)でみたところ、混乱してしまいそうな部分をみつけた。この旅団のTOEをみてみるとImprov AFV (Hvy)は1942年3月にValentine IIIにアップグレードするようになっている。ところが、データベースを覗くとImprov AFV (Hvy)は1942年1月にMatilda IIに、1942年5月にはM3 Grant/Leeに、そして1945年9月には Churchill VIIになるとされている。過去のプレイの経験によると、Improv AFV (Hvy)は1942年3月にValentine III、1942年7月にGeneral Lee、1943年4月にGeneral Grant、1943年12月にSherman V、1945年9月にChurchill VIIになった。ところで、オーストラリアの機甲連隊はすべてMatilda IIの替わりにM3 Grant/Leeを装備するようになる。連合軍プレイヤーの皆さん、1942年以降利用可能になる新型戦車をどんなふうに配分(アメリカの戦車大隊は除いて)したらいいと思う?1942年7月にGeneral Leeが利用可能になるまで、イギリスの機甲旅団はアップグレードするのに充分な数のValentine IIIを入手できないようだ。オーストラリアの機甲部隊がM3 Grant/Leeに置き換わって行くように、インドの機甲部隊がMatlidaに置き換わって行くことがないのはなぜだろう?今ちょうどMatlidaの在庫が190両になったが、インドにいる機甲部隊はまだImprov AFV (Hvy)を装備したままだ。
私もこれと同じ問題に苦しんだことがある。特別なやり方はないけれども、時々、Valentine III、General Lee、General Grantを備蓄に指定して対処した。特に、前線で部隊が必要とされ、それでいて不十分な根拠地の状況(まだサプライがそれほど多く貯蔵されていない)という緒戦期にはなかなか困難だ。モスボールされた多数のMatlidaが車輛置き場に大量に眠ったままになってしまいそうだ... 誰かがこの問題に科学的なやり方をつかってもっと良い解決法を示してくれるのを待ちたいと思う。  

自分用のメモからDaBigBabes A modのValentine戦車についてお示しすると、Device 1086のVickers Tankettesは1942年3月にDevice 1088のValentine III Tank(月産わずかに4両)にアップグレードする。1942年5月18日に到着するConvoy WS 18(訳注:連合軍側のdeviceは毎月生産されるものの他に、ケープタウンに到着するコンボイが運んでくるものもある。コンボイはケープタウン港でdisbandし、積載していたdeviceはdeviceの在庫に加わる。素のWiTP AEでは毎月生産されるだけだったが、WitP AEではこのコンボイによる補充が加えられたと読んだ記憶がある)が24両、1942年6月1日到着のConvoy WS 19が24両、1942年11月5日到着のConvoy W 23が48両、WS 27が27両、WS 29が24両のValentine III戦車を運んでくる。合計で275両=128両(1942年3月から1944年12月までの生産数)+147両(コンボイの運んでくる数)。 

注意深く貯蔵(stockpiling)とアップグレードの指示をすべき案件だ。オーストラリアの機甲旅団6個のうち3個はやがてwithdrawすることになっている。この3つにはMatlidaへのアップグレードを許可し、戦争を闘い抜く旅団3個のためにM3 Grantをとっておく。オーストラリアの騎兵旅団もやがては戦車にアップグレードする。そのうちの一つはかなり早期にwithdrawし、所属の戦車もすべて失われてしまうので、その部隊の方はアップグレードさせないようにする。150両のM3戦車を保有することになるもうひとつの部隊の方は、1943年のかなり遅い時期まで最も価値ある強力な部隊の一つだ。Valentineは本当のところ急場しのぎの戦車に過ぎず、インドの戦車旅団すべてに充当するほど入手することはできない。ニュージーランドの部隊もValentineを使用する。ニュージーランド部隊のうち、Stuartを装備している部隊をValentineにアップグレードさせ、その他の2つは1942年後半Grant/Leeが利用可能となるまでアップグレードさせないようにしている。とにかくインド戦車旅団が1942年末までに充足することなんてないんだ。でもいったん充足されると、インドの戦車旅団は驚くほど強力で、日本の部隊で立ち向かえるものなんてない。インドでMatlidaを目にすることはないだろう。英連邦の戦車の供給数は不十分なので、注意深くアップグレードしてゆくことが重要だ。Sherman Vの配備が始まっても、例えば私のViberpolさんとのPBEMは1945年8月だがインドの戦車部隊の多くはGrant/Leeを装備している。どんな日本の部隊とぶつかってもひっぱたくことはできるから、Grant/Leeでも問題はないけどね。 

permanently restrictedに指定されているニュージーランドの第一戦車旅団は150両以上のValentine IIIを装備している。この部隊を、倉庫にある役立たずのMatilda IIにアップグレードできたらなあ。Valentine IIIはインドならきっと役立つだろうに! 

これまでのレスの内容を繰り返すだけになるかもしれないが、私はこんな風にしている:
・戦域からwithdrawする部隊はアップグレードさせない。装備していたdeviceは在庫に戻されるわけではなく、失われてしまうので。
・有用なAFVを吸い取られ、管理できなくなってしまったりするようなアップグレードはさせない。そういった部隊の戦車以外のdeviceをアップグレードさせたいような場合には注意を要する。戦車deviceの貯蔵の指示をオンにせずに、そういった部隊にアップグレードさせると望まなかった結果がもたらされる。
オーストラリアはアメリカから直接戦車を買い付けていたので、戦車に不足はなかったが、乗員の方が足りなかったんだ。インド軍には人がたくさんいたが、訓練が不足していた。また他の戦線の需要が充足されるまで、武装トラックとブレンキャリアでやって行くしかなかった。ニュージーランド軍は上記二つの中間で、大戦終盤までAFVは定数を満たせなかった。シリア、レバノン、イランへの脅威があったので、戦車はインドより中東の機甲師団に優先的に配分された。インド向けのAFVはすべて中東の部隊に横取りされたが、この部隊が実際に展開することはなかった。 

オーストラリアにはオーストラリアの機甲師団を充足させるだけの人がいた。ニューギニアでは機甲師団が役に立たなかったので、もっと有用な部隊に配属させられたか、工場の現場に戻されるかしただけだ。日本軍によるオーストラリア北部への侵攻があれば、別の成り行きになったかもしれないが。インドの兵隊は機甲師団に充当するだけの数がいたが、もちろん訓練は必要だった。当時はインド、ビルマよりも機甲戦力とAFVを切実に必要としている戦場がほかにあった。アラメインとスターリングラードの後になってようやく中東での扱いが変化し、インドの機甲戦力もインドに集中できるようになった。ニュージーランド第一戦車旅団はAFVの不足により解隊したわけではない。第4歩兵師団が機甲師団へ変換される際、訓練済みの乗員を提供して協力し、残りの兵員もStuartとValentine装備の機甲連隊に組み込まれ、その後グリーン諸島の上陸に参加した。
http://kiwisinarmour.hobbyvista.com/tshist.htm 
http://kiwisinarmour.hobbyvista.com/index.html  

注意しなければならないことは、WitP AEにおけるオーストラリアのアップグレードパスは妥協の産物だということだ。オーストラリアの機甲部隊編成の変遷につながった史実の複雑な意思決定を再現する能力がゲームエンジンにはなかったんだ。たとえば、史実ではMatildaがLee/Grantに置き換えられたことはなかった。実際にはLee/GrantがMatildaより先にオーストラリアに到着していた。Matildaが置き換えたのは実はChurchillで1945年のことだ。Lee/Grantはレンドリースで北アフリカ用にともたらされた巡航戦車だったが、種々の事情により本国の防衛のためにとどめられた。Matildaは歩兵戦車で、ジャングルの中で歩兵の前進を支援する役割にふさわしかった。Stuartは英連邦の標準的なTOEの通り、巡航戦車の編成の中の偵察隊として使われるよう、レンドリースにより提供された。Stuartはニューギニアでの歩兵支援車輛としての道をたどったが、それほど成功したとはいえず、この役割はすぐMatildaに置き換えられた。Improvised AFVは海外から充分な数のより現代的な装備が到着するまでの間に合わせのものだった。その他、 M4 Sherman、M24 Chaffee、Valantineなどもジャングルで運用されたが、ふさわしくない、改善の余地なしと判断された。与えられた任務に従い、戦車部隊の編制は変化を余儀なくされた。MatildaをLee/Grantで置き換えた部隊もあったし、Lee/GrantをMatildaで置き換えた部隊もあった。Lee/GrantをMatildaで置き換えたのに、海外に移動する他部隊のためにMatildaを譲ってLee/Grantに戻った部隊もあった。その時々の戦略的な状況に応じて個々の部隊ごとに異なる意思決定がなされたので、deviceアップグレードを処理するゲームエンジンはこれについていけない。しかし、おおまかにいうと戦車連隊は歩兵戦車を、機甲連隊・師団は巡航戦車を装備していた。戦線がオーストラリアから遠ざかるにつれ、その時々の状況に関連した陸軍の他の部署(上陸用舟艇など)に人員を移動させるため本国防衛用の機甲部隊が廃止されたことも、アップグレードパスをさらに複雑なものにしている。特に歩兵戦車(はじめのうちはLee/Grantの方が試されたが)を装備した独立旅団は島嶼攻略用に切望されたものだ。この件に関してはだいぶ前、オーストラリア陸軍のどの部隊がいつなにを装備したかについての経過表をつくって、Andy Macさんに送ったことがある。現在のシナリオは、当時の混乱状況によりゲームエンジンが破綻を来さないよう苦心したAndy Macさんの調整の産物なので安心してほしい。シナリオのデータにはそれぞれ対応する当時のエピソード(と議論の沸騰)があるんだ。ところでこのゲームエンジンの問題点の例をあげると、歩兵戦車と巡航戦車を区別できず、また各戦車のもつ能力を最大限にまで発揮させる運用法などといった戦車ごとの役割分担も反映していない点がある。ゲームエンジンは単に装甲厚・速度・火力といった関係することのしないこともあるような性能値を適用するだけなんだ。さて、オーストラリア軍の装備の変遷についてもっとよく知りたければ、 Dust, Sand and Jungle: A History of Australian Armour 1927-1948 by Paul Handel というサイトがとても役に立つ。

とのことです。いろいろと複雑になってしまった理由はよく分かりましたが、スレ主さんの疑問に直接こたえてくれているわけではないのもたしかかなと。deviceについて調べてみると、Improv AFV (Hvy)という名前のdeviceが2種類あることがスレ主さんの疑問の原因のようです。Device# 1083の方はMatilda II経由で、またDevice# 1085の方はVickers Tankettes経由でアップグレードしていて、おおむね前者は歩兵戦車として、後者は巡航戦車としてアップグレードされたのかなと感じます。それにしても後者のアップグレードパスは複雑怪奇ですね。

2014年6月21日土曜日

ダーウィンを海に沈めたい!





現在進行中の連合軍側プレイでは、オーストラリア北西部のダーウィンから、蘭印東部の根拠地を攻略してゆく計画です。こういった直接に南方資源地帯を指向する攻撃は、日本側からみるとかなり嫌なものだと思います。史実の連合国側はこういった戦い方を選択しなかったわけですが、ゲームと史実の違いについて論議した Darwin, the importance of being Earnest!というスレがあります。このスレがたてられたのは2011年で、もう2年半が経過しましたが、このゲームでのダーウィンのもつ意味自体は2年半経っても変化していないと思うの紹介してみます。


みなさん、このテーマについては他のスレでもすでに議論されたことがあることは承知しているが、個人的には少しでも理解しているとはいえないレベルだ。このゲームではマップ上の位置などの理由から、ダーウィンが実際の太平洋戦争での役割よりずっと重要になっているようにみえる。太平戦争の出来事について読んでみると、数回の攻撃を除き、史実のダーウィンは後方に位置するに過ぎなかった。どう?違う? 

南方資源地帯を確保した後の日本の戦略、つまり「第二段作戦」に関する私の理解は以下のようなものだ。
1) 海軍の一部は以下の理由からオーストラリア北部への侵攻を強く望んでいた:
a) 防備は手薄で、地理的にオーストラリアの主要な人口集中地域から隔絶されていた(その結果、増援を送ることが困難だった)
b) したがって、確保するのに少数の兵力を上陸させれば済む
c) この地域を確保すれば、オーストラリア北部を策源地とする蘭印解放のための反攻作戦を阻止できる
山本連合艦隊司令長官ははっきりとこういった侵攻に反対した。こういった作戦に兵力を提供する陸軍も反対していた。それにはいくつか理由があって:
1) 陸軍のドクトリンは占領地域を守るというもので、この作戦は補給線と防衛境界線をあまりにも薄く引き延ばしてしまうものと思われた
2) 陸軍は常に中国と満州を重視していて、上層部はソ連を第一の脅威と考えていた。その結果、こういった作戦のために中国や関東軍から兵力を抽出することに気が進まなかった。
3) 連合軍の反攻が避けられずオーストラリア北部を占領するだけでは済まないと 陸軍は、考えていた。オーストラリアへの上陸はオーストラリア大陸全体の占領につながるるが、それはとても無理なことだというのが陸軍の主張だった。
海軍はオーストラリア北部の確保に6万名もあれば充分と考えていたが、陸軍は20万名以上が必要になると推算していた。陸軍はそんな大規模な上陸侵攻を実施するのに必要な船と兵員がなく、またこんな価値の少ない作戦はリスクとベネフィットが見合わないと感じていた。
結局、フィジー、サモア、ニューカレドニアを確保し南太平洋の航行を阻止してアメリカからオーストラリアを遮断する、さらに中部太平洋を通ってミッドウエイ島を占領するという決定がなされた。そしてミッドウエイ海戦が起こり、あとは歴史にある通り。実際の戦争ではこういった戦略的な決定のせいでダーウィンもオーストラリア北部も後方地域になった。しかしWitP AEはいくつもの「もしこうなっていたら」を実現させてくれ、そのうちの一つが日本のオーストラリア北部侵攻というシナリオであり、史実でも1942年2月までは真剣に検討された作戦だ。
実際、日本の唯一のオーストラリア上陸は、1944年1月19日にチモール島クーパンから小さな漁船に乗り組んだ4人の陸軍士官が偵察のためヨーク海峡地域(WitP AEでもっとも近いのはBroome)に上陸したもので、その地域に連合軍が大きな基地を建設していると報告した。これに関しては、Fletcherさんとcantona2さんが2人の"AE Historical Game Project"というPBEMで採用したハウスルール を読むと面白い。オーストラリア北部侵攻への陸軍の強硬な反対を反映させて、日本側プレイヤーはPPを3000(だったかと思う)貯めておいたうえで、prepare pointが80以上になったユニットだけを上陸させることができるというものだ。 

興味深いはなしをありがとう。そのハウスルールの件については知らなかったし、私のこれまでのPBEMではそういったルールを採用したこともなかった!史実については、戦略的な状況の然らしむるところ、ダーウィンが後方地帯となってしまったという意見に賛成だ。しかし、オーストラリア北部侵攻を邪魔するもののないゲームだから、ダーウィンが前線になるのもみてみたい。 

多くのプレイヤーがダーウィンに手を出すからという単純な理由で、このゲームのダーウィンは実際以上に重視されているように感じる。ダーウィンを占領するのが簡単だからだろう。実際、周辺の道路状況があまりに悪いので連合軍にとってのダーウィンは大陸の一部というより島みたいなもので、守りぬくことはほとんど不可能にちかい。でもダーウィン侵攻の利点ってなに?一連の艦砲射撃戦の策源地にするの?オーストラリア占領の出発点とはなり得ないと思うけど。 

ダーウィン占領の主眼は、連合軍側に利用させないことだ。日本側でプレしていると、できることならダーウィンを海に沈めたいくらいの気持ちになる。ダーウィンを放っておくと後方地域に文字通り激痛をもたらす。道路はひどいが、連合軍側は1942年いっぱいをつかって根拠地隊を順次前進させることで、地上からのサプライの補給を可能とし、基地施設を巨大なものにまで拡張できる。トレス海峡かチモール島を無力化させないと海路でのダーウィンへの補給は無理だが、それでも頭痛のたねにはなる。オーストラリア軍は砂漠の中に追い払ってしまうに限る。

連合軍にダーウィンを利用させないためには、強力な守備隊を配置する必要がある。つまり兵員と飛行機だ。そうでないと、連合軍がトレス海峡を通行可能にした途端、すぐにでも奪還されてしまう。
そうかもしれない。しかし、戦略的な攻勢の策源地となりうるダーウィンを連合軍の手に委ねたままで南方資源地帯の下腹部を効果的に防衛しようとすると、チモール島から蘭領ニューギニアの多数の根拠地に守備隊を置かなければならなくなる。地図を見れば分かると思うが、ダーウィンを強化すれば侵攻できる魅力的な候補地がたくさんある。結局のところ、より少ない費用で済むのはどちらか、あきらかだと思う。 

ダーウィンとその周囲の南方資源地帯がこのゲームで史実以上に重要なのは、兵站面が抽象化され過ぎていることに加えて、根拠地のSPS値(飛行場と港をどこまで拡張やすいかという数値)がゆるめに設定されていることによるのだと思う。マッカーサーはオーストラリア北部経由でブリスベーンにやって来た時に、北部オーストラリから南方資源地帯へ大きな攻勢をかけるとしたら避けられない悪夢のような兵站状況を自分の目で確認した。これがSWPac戦域の攻勢がニューギニア経由になった理由だ。人口が少なく工業が未発達なことに加え、オーストラリア北部と南部との鉄道の軌間が異なる。WitP AEでのこの地域の状況は、最近(これは2011年のスレ)のマップの手直しでダーウィンへの陸路を使ってのサプライ補給がより困難にされたことで、より史実にふさわしいものへと改善された。しかしこの点も、大きなコンボイでサプライを送り込むことができれば相殺されてしまう。あとは南方資源地帯の数カ所、SPS値がゆるめですぐに飛行場と港の規模を拡張できそうなところに上陸すればいい。私やTreespiderさんのように、ダーウィンとその周辺の根拠地のSPS値を大幅に減少させることで、兵站面と地理的な問題点をはっきりさせようとする人もいる。史実のオーストラリア政府は、日本が攻めて来てやむを得ない状況になれば、オーストラリア北部を明け渡すつもりだった。オーストラリアの経済的・人口学的な中心は南部にある。いわゆるブリスベーン防衛線(訳注:Wikipediaの項 など参照)は集団ヒステリーの結果かもしれないが、限られた兵力を最重要な地域に集中させるという現実的な計画でもあった。オーストラリアは広大なので、ダーウィン失陥が士気の低下を来し、南方資源地帯のより一層の安全につながったとしても、西太平洋戦域に大きな影響はなく、反攻に要する攻撃力の構築が多少遅くなるだけだろう。 

みなさんの指摘は的確だ。あと一つ付け加えるとすれば、マップ上のある地点が重要になるのは、プレイヤーの一方または双方がそこを重要な地点だとみなすからだと思う。こういった現象は史実にもみられ、このゲームでもみられる。良い例はガダルカナル島だろう。開戦前にはどちらの側の用兵計画立案者もどこにガダルカナル島があるか知らなかったに違いない。それなのに太平洋の戦いで6ヶ月間(平行するブナの戦いもあわせて)、ここが焦点となった。ガダルカナル島が重要になったのは、双方がここで戦おうと決めたからだ。WitP AEの特長はプレイヤーが史実の司令官たちの選ばなかった進路も選択できることだ。双方がその気になれば、ダーウィンは太平洋戦争で重要な根拠地になったかもしれない。
ルンガのような未開発地点のSPS値をランダム化し、しかも偵察してはじめてそのSPS値が判明するというような仕組みにする、もう一つのWitPを作ってみたいという夢を長いこともっていたが、ゲームエンジンを完全に書き換えなければならないようで、また史実とかけ離れたマップになるといくつか問題も生じるようなので、断念した。非常に興味をそそるアイデアなんだけどね。SPSが史実の値に固定されていると残念ながらあと知恵が作用してしまう。ソロモン・ニューギニア戦線はその一例で、ほとんどのAARでポートモレスビーはターン2からずっと重要な拠点であり続けるが、史実でそうなったのは日本がラバウルを占領してオーストラリを脅かすような動きを見せてからのことだ。 

マッカーサーがソロモン侵攻に傾いたのは、フィリピンに一歩でも近づけると考えたからだと思う... それにしても、イギリス軍がリビア砂漠の補給線をどうやって維持していたか、このフォーラムのメンバーは忘れているのかな。もしオーストラリア北部で対峙しようと考えたら、辛うじて維持するのがやっとという感じになったと思う。マッカーサーは状況の如何に関わらずフィリピンに戻ろうと決心していた... しかし日本の陸軍はダーウィンだけでなくオーストラリア北部全体を確保することが必要だと考えた... つまり、開けた砂漠地形でエアカバーなしで四発爆撃機の攻撃に曝されてしまうということだ。これが実現していれば、高度5000フィートからの四発爆撃機の攻撃が開けた地形にいる地上部隊にどんな効果をもつかという実例を提示してくれたのに... 日本は実際にはミッドウエイに向かい、そしてあとは史実の示す通り... 私はシナリオ1の連合軍側プレイで、日本の2個師団を殲滅し、ダーウィンを攻撃することの愚かしさを示した。しかも日本の陸海軍がダーウィンに手こずっている間に、ビルマを電撃的に奪還した。シナリオ2だとハウスルールが必要になるかもしれないが、日本側がダーウィンで争いたいというのなら、ぜひお誘いしたいものだ。 

あなたのレスにほとんど同感だが「私はシナリオ1の連合軍側プレイで、日本の2個師団を殲滅し、ダーウィンを攻撃することの愚かしさを示した」という点だけは気になる。シナリオ1であなたが証明したのは、対空火器なしでダーウィンを攻略し、しかも撤退時期を決めずにさらに南に占領地を拡げることは愚かだという点だ。でもそういう愚かさがあったとしても、連合軍にダーウィンを数ヶ月利用させないことはできる。その数ヶ月は連合軍がダーウィンを大きな攻勢の発起点として施設を拡張していたかもしれない期間なわけだ。日本側プレイヤーの戦術の一つに、時間を買うというものがある。日本側は連合軍を枢要な地域から遠くに遠ざけておくほど良い。上手な連合軍側プレイヤーと対戦した際に日本側プレイヤーの直面する問題は、限られた手段をつかって別の方法で攻められることだ。上手な連合軍側プレイヤーは前進するための作戦を次々に考え出し、最も有望で最も破壊的で最もこっそりと進めることのできる作戦を選択するか、またはいっぺんに複数の作戦を繰り出す。ダーウィンもその手段のうちの重要なひとつだ。ダーウィンを利用するかどうかは状況とプレイヤーの好みによるが、日本側にしてみれば、ダーウィンからの攻勢は「ここから攻勢を始めようと思えば始められるだろうし、攻撃されれば防御しなければならないような厄介な」策で、本当に本当に嫌な作戦だ。潰滅することになろうとも、可能な限り長く2個師団に守備させておいた方がましだ。連合軍側から見ればダーウィンは日本軍に消耗戦を強いることのできる肉挽き機の候補だが、それは上手な連合軍プレイヤーを相手にする日本側プレイヤーが直面しなければならない困難の一例に過ぎない。連合軍がどんな作戦を選択するかに関わらず、連合軍プレイヤーよりも、経験を積んだ日本側プレイヤーの方が、ダーウィンをより重視していることに気付くだろう。もちろんダーウィン占領の代替案がないわけではなく、チモール海をはさんで空から制圧し続けることもできる。何事にも代案というものがあるものだ。 

「シナリオ1の連合軍側プレイで、日本の2個師団を殲滅し、ダーウィンを攻撃することの愚かしさが示された」あの戦いであった3つのことを紹介する。
1. 日本の上陸侵攻の前から、Alice SpringsとTennant Creekの施設を拡張しサプライを貯蔵しておいた。
2. 日本の上陸侵攻のずっと前からオーストラリア軍1個軍団を準備してあった。
3. 充分な数のインド軍に国境を越えさせるためPPを支払い、日本側が上陸侵攻を始めた時にビルマで電撃戦を始めた。間接的な対策をとったわけだ。
開けた地形の兵員に対する四発爆撃機に関するハウスルールはなかったので、虐殺が始まった。ハウスルールがあったら、もっと手こずったことと思う。あなたのいう「時間を買う」という考えには賛成できない。1944年までのプレイ経験では同じように思っていたが、1944年4月になって連合軍の前進が始まれば、日本側がどんなに巧妙に戦ってきたとしても関係ない。
あなたがAlice SpringsとTennant Creekを拡張しておいたのはうまいやり方だったと思う。私とあなたとで、状況の把握の仕方が根本的に違っているとは思わない。あなたの論点に着目すると、状況によってはチモール島から蘭領ニューギニアを守るのに、ダーウィン地区に立て篭るよりずっと多くの兵力を要する。またビルマであなたのとったような作戦が成功する可能性は、日本のチモール海・オーストラリア北部の作戦の状況に関わらず、存在しただろう。この二つの方面の作戦が同時期に発生したことで、日本の敗退がより早まったということなんだと思う。「時間を買う」という言い方をあなたがどう感じようと、日本のプレイヤーのとる行動はすべて、日本の降伏の時期に影響させることを目的としたものだ。これこそが、日本側の戦略の背後にあって動かしている力(autovictoryの達成を狙うプレイはその例外だが、技倆の伯仲したプレイヤー同士だと、シナリオ1では不可能だし、シナリオ2でも達成できそうにない)だ。 

マッカーサーは何があろうとフィリピンに戻るつもりだった。しかし彼が選んだのはソロモンではなく、ソロモン戦はミッドウエイの後、即座に攻勢に出る方法を探していたキングによる選択だった。マッカーサーの計画は東、南東オーストラリア(兵站を支援するリソースの最も集中していた地域だが、それでも1942年のうちは細々としたもの)を策源地とし、ニューギニアからラバウルに迫るというものだった。その結果、ポートモレスビー、その後にブナとラエが焦点となっていった。オーストラリア北部もいずれは南方資源地帯への攻勢を支援できるまでに施設の建設を進めることができたかもしれない。しかしそれには長い時間とかなりの努力が必要となり、また攻勢発起点が遠くなることで船舶による輸送に史実以上の負担がかかる。またコンボイへの横合いからの奇襲を防ぐためニューギニアと珊瑚海の安全確保は史実と同様に必要だ。ソロモン諸島東部を占領する日本の計画は米豪遮断の手段だった。この場をさらに混乱させて申し訳ないが、WitP AEのマップが素のWitipより大きくなったことで、米豪をつなぐパイプラインの長さに驚いた。 

WitP AEで米豪パイプラインの長さについては、マップを見て私も同じ感想を持った。しかしその「連合軍パイプライン」を南西にずらす余地もまた大きくなった。オーストラリア東岸を占領せずに日本側が期待できることといえば、せいぜい米豪間の航行にかかる期間をより長くさせることくらいだ。 

このスレの立てられた意図を台無しにしたくはないが、少し述べたい。数年前、戦史叢書に示されている日本側の意図にもとづいて、これに関する議論があったのを憶い出してほしい。オーストラリア侵攻は悪夢だ。兵力は不十分(少なくとも12個師団は必要)だし、もっと重要なことに船舶が足りない。オーストラリアを急襲するには(少なくとも)150万トンが必要だと作戦立案者は言っている。帝国の船腹保有量は300万トンしかなく、厳しい。陸軍はこの作戦が破滅につながる道だと考えていた。「中国での苦い経験に鑑み、侵攻がやがてはオーストラリア全域に拡大してしまう可能性が大きい」(Ugaki)(訳注:海軍の宇垣纏かな?IJAの人の発言と書かれているが時期的に一成じゃないですよね)。田中新一少将によると「陸軍がオーストラリア侵攻に必要な兵力に補給できたとしても、補給に要する船腹が戦争を遂行する基礎を破壊してしまうだろう」。陸軍参謀本部にいる男たちはそんなに愚かだったわけではない。東海岸一帯の占領が必要となり、それは無理だということを分かっていたんだ。つまり、体全体を挽肉にされハンバーガーにされたくはないなら、大切なところを木材破砕機につっこんじゃいけない。ダーウィンは侵攻するにも、侵攻の発起点とされるにも最適な場所だとはいえない。チモール島とアンボンに対峙しているから、後方の重要地点なのはたしかだが、それだけのことだ。 

このスレでオーストラリア侵攻どうしたら効果的に米豪間のパイプラインを遮断・妨害するかという質問を目にした。良い質問だと思う。modチームの一員として活動しこのテーマに関する作戦の問題を数年前に感じて、小さなマップを舞台としたシナリオとして使えるんじゃないかと気付いた。日米両軍の力が拮抗しているちょうどその時期で、日本側プレイヤーにも勝利のチャンス与えることができる。大本営のシナリオ集から巻・章・文もそのままに引き出したFS作戦。さまざまな障害があるだろう。史実でも日本側はその数々を認識していた。日本側も愚かではなかった。われわれ連合国が完全には協調していなかったのと同じように。陸軍と海軍は物資をめぐって対立していたが、用語をめぐっても争った。しかし日本語では言葉には言外の意味がある。陸軍は防衛戦の強化を主張し、海軍は拡張を主張した。戦史叢書にはこの作戦だけに関しても70ページにも及ぶ会議録が残されているが、妥協で終わった。うーん。これらの情報をDaBabesのチームのシナリオに活かす。すばらしい成功作ができ、SWPac戦域のその後の作戦の問題点を示してくれた。これに関する詳細はScen Designサブフォーラムにある。興味があったらみてくれ。感想を聞きたい。なお、マップはこんな感じだ。

ジョン・カーティンオーストラリア首相、1941年12月27日付け
That reddish veil which o'er the face  
Of night-hag East is drawn ...  
Flames new disaster for the race?  
Or can it be the dawn? 
Bernard O'Dowdはこんな詩をかいているが、1942年になれば私たちにもその答えが分かるだろう。しかし、自分自身で答えを作り出せるのではないだろうか。私たちにはそれができるし、そうしたい。1942年はオーストラリア人の生活にとって著しい変化の年となるだろう。オーストラリア政府の政策は二つの事実にもとづいている。ひとつは、日本との戦争が枢軸国との戦いの一局面ではなく、新たな戦争なのだということ。もうひとつは、オーストラリアが戦時体制をとらなければならないということだ。この二つの事実から、二つの行動が導き出される。ひとつは太平洋での戦争の方向にそってイギリス、アメリカ、ロシア、蘭印、中国との関係を築く外交交渉。もう一つはオーストラリア人の生活の仕方を変化させる、というか実際には戦時体制が速やかに効率的に確立するまで続けられる革命のようなものだ。私たちはリアリズムに徹して日本に対するロシアからの援助を期待すべき理由があるという見方をとることにする、もちろん軍事政策を決定するのはソ連自身だが。また私たちは枢軸三か国に対して確固たる民主主義の防壁を築くことにし、太平洋が世界大戦の副次的な戦域としてあつかわれなければならないという言明を断固として拒否する。そうだからといって、他の地域が太平洋戦域よりも重要ではないことを意味するわけではない。しかしオーストラリアは民主主義国がその力を日本に向けるよう決定することを要求する。
したがって、オーストラリア政府は太平洋をアメリカとオーストラリアの戦争計画の主戦場としてみなす。私は、イギリスとの伝統的な関係に関わらず、オーストラリアがアメリカの援助をあてにしていることを躊躇せず明らかにしたい。我々はイギリスの直面している問題を理解している。イギリスへの侵攻の脅威が続き、戦力を分散させることが危険であることも分かってはいるが、イギリスを持ち堪えさせながらオーストラリアが前進することも可能だ。まとめるとオーストラリアの対外政策は、ロシアの援助を得ること、またイギリス、中国、オランダ軍とならんでアメリカと協力しながら太平洋の戦略を決定することを主眼に、展開される。
オーストラリア国内の政策はここ数週間で大きく変化した。これらに加え、1942年になる前に実施される政策はさらに劇的で、いくつかの理由から実施が急がされてもいる。まず、イギリス連邦政府は開戦からの2年の間、オーストラリア国民にオーストラリアの地位がどう変化したのかをきちんと理解させることができなかった。日本の参戦でオーストラリア周辺海域に直接の脅威が及んだにも関わらず、栄養失調で狂信的で近視の日本人なんかアメリカがなんとかしてくれるという見方が一般的だった。オーストラリア国民に対してはこれ以上の要求がなされないという宣言(訳注:日本の参戦後もオーストラリアへの要求を続けたチャーチルに対するオーストラリア国民の不満を収めるために出された宣言のことか)と、その後に続いた諸決定は心理学的な効果を狙ったものだった。こういった宣言・決定は鎮静効果を持った。さらに、怠惰なところのあるオーストラリア国民に自ら自国を防衛し、最大限奮闘することが必要だという意識を覚醒させるものだった。心理学的な実験は大いに成功し、多くのオーストラリア人が過去2年間よりも戦争についてよく理解した状態で1942年を迎えることができる。
これらの決定はその他の理由からも急がれた。すべては戦時体制に移行することの必要性に関連していて、いまのところ順調な成り行きで、特に生産と資源の節約についてはうまくいっている。こういった試みはオーストラリア人を愛国心や義務感に目覚めさせるために実施されたわけではない。そういった愛国心や義務感はつねに存在していたが、指導や指令に呼応することが国民に求められたことがなく、望まれる才能や汲まれぬ資質が埋もれていただけなのだ。われわれの1942年にむけての任務は過酷だ。オーストラリが直面することになる状況は、われわれが1914年から1918年の間に実際に経験した危険をも、また1914年から1918年の間に想定された危険をも凌駕している。
1942年という年は究極の試練になりそうだ。侵攻に対する抵抗からアメニティーのさらなる不足まで。国を戦時体制に移行させるには、オーストラリア人一人一人が私生活でも仕事でも生活全部を戦時体制に移行させなければならないことを理解することが必要だ。市民の生活も、戦う兵士たちが甘受すべき生活に遜色ないくらい厳しいものとなる。私は、オーストラリア人すべてにオーストラリアが前線にあることを理解するよう求める。オーストラリア政府の政策はその線に沿ったものとなる。我々は、我が国と7百万の国民を、敵の攻撃が加えられている国・国民として扱わなければならない。オーストラリア人が常に警戒しなければならない。予告なしの攻撃や上陸の可能性に対する警戒、また資金を浪費しないよう、正当化できない行動をとらないよう、議論や怠惰や関係ないおしゃべりにより全体の福祉のための政府の決定を台無しにしないような警戒が必要だ。
すべてのオーストラリア人の運命は一蓮托生だ。すべてのオーストラリア人が一体とならなければならない。我々は有能な指導者に率いられた信じられないほど勇敢で強力な敵に対している。我々はそれに応じて敵を警戒しなければならないし、そうすることになるだろう。
「 イギリスへの侵攻の脅威が続き、戦力を分散させることが危険であることも分かってはいるが、イギリスを持ち堪えさせながらオーストラリアが前進することも可能だ」という部分は、一国の指導者が緊張感をもって自国に言及した唯一の発言だと記憶している。また「有能な指導者に率いられた信じられないほど勇敢で強力な敵」という部分は唾棄すべき敵についての非常に例外的な論評だ。以下の物語を読んで、議論の種にしてくれ。
私は大学で第二次大戦史に関する初歩的な講義をとったが、同じコースの受講者たちを啓発しながらA評価を得られるものと期待していた。たしかにその通りになったが、1~2回レポートを提出しなければならなかった。どんなものを書いたのか良く憶えていないが、ぼんやりしながらドーリットル空襲についてやっつけ仕事をしたんだったと思う。私は10代の頃から史上最も大規模かつ最も詳細なといわれるような第二次大戦ゲームの数々をプレイしてきたわけで、そういった経歴を持っている私はその講義を受けた学生たちの中で浮いていたんだ。
上品なイギリス人である教授にさえ、そのテーマにこめられた私の意図が通じなかったようだ。先生はいい人で優しかったが、軍事史が専門ではなかった。私は、第二次大戦に関する甘ちゃんな講義に出席するだけで大学の単位を得られることだけで満足だったが、講義を傾聴しはしなかった。この先生はすぐに脱線して30年代から40年代にかけてイギリスの外交官としてアメリカで活動した彼のお父さんをについて見聞した自分の子供時代について語りたがる傾向があったから、なおさらだ。わたしはビールかなにかを飲みながらドーリットル空襲について10枚ほどのレポートをまとめた。優秀な成績を期待していたし、それだけの価値があると思っていた。しかし驚いたことに、そのレポートは余白に赤ペンでたくさんのコメントをつけて返却された。なぜ?表紙にはAという評価があったし、私はもう学ぶことの何もないような講義をとっていたのに。毎週40時間も仕事をしながら、フルタイムの学生をやるのに疲れきってしまっていた頃で、卒業は目前だった。
1週か2週後、教授は私に、レポートに付されたコメントについてなにか考えたかどうかと尋ねた。私はびっくりした。「ええ、しっかり考えています...」というような返答をしたが、私がコメントを読んでもいなかったことに彼は気づいてしまった。彼は笑って「このレポートを読んでみたまえ。私が30年前に書いたものだ」と言った。私は彼に感謝し、次の講義と仕事をさぼった。私の頭の中は、レポートを読む課題を与えられたってことでいっぱいだった。
本当のところ、教授のレポートを読みはしなかった。しかし学期の終わりになって、教授はそのレポートを返却してほしいとほのめかした。私は返却するために教室に行く途中、パラパラッとめくってみた。ふーん、彼はCをとっていて、彼の先生は何の感想ももたなかったようだ。教授は私にC評価のレポートを読ませたかったわけか。流し読みで分かった限りでは、30ページも費やして1941年12月までの外交の駆け引きを細々と記したものだった。教授はワシントン駐在外交官の息子だったから、こういったレポートを提出したことも理解できる。12月10日から12月20日の間に米豪間でやり取りされた電報の量が甚大だったことが述べられていた。オーストラリアが恐怖の渦中にあることをジョン・カーティン首相とオーストラリア政府がルーズベルトに理解させたのはこの時期だったと、教授は主張していた。オーストラリア最良の戦闘部隊は国外にあり、オーストラリアの海岸を守れるほどの部隊は残っていなかった。他方、日本はマレー半島を席巻し、中国での残虐行為の廉で非難されてもいた、オーストラリア人は、無防備なまま日本人の来襲を待つだけだった。C評価のレポートに戻るが、1941年12月にジョン・カーティン首相はルーズベルトにオーストラリアが独力で立ち向かう羽目に陥らないことの確認を求めたと、教授は主張していた。アメリカが即座に船と兵隊を派遣してくれなければ、オーストラリア人が文字通り強姦されてしまうような事態の発生する前に、ヴィシー政権に依頼して降伏の交渉をすることになるというのだ。なんだって?! いかれた主張のように感じた。オーストラリアが2~3ヶ月頑張ってくれたら、何かしら日本の前進を止める手だてをとることをルーズベルトが約束したと教授は述べていた。助けはやって来るし、日本人を忙しくさせておくつもりだと。カーティン首相の反応はと言うと、昨日までの行動で示されるようにオーストラリアはすでに頑張っているというものだった。
教授の考えにも一理ある。そもそもドーリットル空襲は1941年12月21日からルーズベルト自身が執拗に主張し始めたことに由来する。本来、ドーリットル空襲は軍事的にみてリスクに見合わない。アメリカ人の士気を高揚させるためだったという教科書的な説明は筋が通らない。真珠湾奇襲後、つまりドーリットル奇襲が検討が開始された頃、アメリカ国民の士気はかつてないほど高揚していた。ルーズベルトは3期目の大統領だったから、より一層の支持を必要としていたというわけでもないだろう。しかしルーズベルトはドーリットル空襲の計画にはまっていたんだ。
珊瑚海海戦はどうだろう?これもどちらかといえばリスクの高い作戦だが、何が目的だったのか?ソロモン海とニューギニアでの日本の行動を制約するため?なぜ?それにミッドウエイも。大した価値のない太平洋の岩礁に、米海軍の攻撃力すべてを賭けるって?私たち(訳注:「私たちWitP AEプレイヤーは」という含みだと思う)はリスクについて知り尽くしている。雷雨になっただけで反対の結果になっていたかもしれない。リスクについてはアメリカ政府も充分に承知していたはずだ。ミッドウエイで空母を失ったとして、それは連合軍にとって悪い報せ?それとも?
私たちはルーズベルトやニミッツであるかのようにWitP AEをプレイするわけではない。でもだからといって、プレイからオーストラリア部隊を閉め出すハウスルールを考え出すことができないわけではない。今になって1941年12月27日のジョン・カーティン豪首相の発言を考慮すると、実は教授のレポートはズバリ的を射ていたんじゃないかと思う。深く考えれば考えるほど、そう思えてくる。すると1942年前半のアメリカ海軍の積極性の意味も分かる。おそらくルーズベルトはニミッツと海軍に出撃して戦うように命じたのだろう。どんな結果になろうとおそれる必要はない。たとえ沈没しても、1943~44年になれば新造艦で置き換えることができるのだから。ルーズベルトが必要としていたのは、勝利をもってか、または敗北をもってしても時間を稼ぐことだった。私たちはWitP AEをプレイの経験から、戦闘による損傷と航空機の損失は作戦計画を遅らせるだけだということを知っている。緒戦期、戦闘の結果がどうなろうと日本に対応を余儀なくさせるようアメリカが動くから、オーストラリアも連合国の利益のために踏ん張ってくれるよう、ルーズベルトはオーストラリアに打電したんじゃないだろうか?
ところで、こう考えてみると史実でダーウィンをめぐっての動きがなされなかった理由がよく分かる。日本人にダーウィン侵攻の動機を与えたくはなかったわけだ。連合軍側プレイヤーは、こんなハウスルールを試してはどうだろう。
ジョン・カーティンのハウスルール:連合軍が開戦後6ヶ月以内に日本の主力艦を撃沈するか、または出撃して日本海軍の作戦を妨害するかしない限り、日本がオーストラリアに上陸した途端にオーストラリアは降伏する。オーストラリア部隊以外はオーストラリアに配置できず、すべてのオーストラリア部隊はプレイからはずれる。 

的確な意見だ。チェスのプレイで考えると、駒を交換しても私の方は20手後にその駒を再び入手することができるのなら、なるべく早く駒を交換したくなる。ニミッツが働いていたのはそんな世界。なるべく早く交戦して、日本海軍からなるべく早く侵略の道具を取りあげるということだったわけだ .. アメリカは自国の無尽蔵の工業力を活用することができるので、日本が何かを仕掛けるなんてことがあるとは思っていなかった。日本はアメリカを、弱くて国内のことにしか関心がないし、まだ大恐慌からの回復過程にあるに過ぎず、1908年のロシアと同じだと考えていた。なんたる誤算!!日本は虎を目覚めさせてしまっただけでなく、虎に小便をひっかけてしまったんだ。私の論点はシナリオ2を対象としている。日本は弱そうに見えるし、どうせ対処は可能でもあるから、アメリカは襲いかかったりはしなかった。でももし日本がシナリオ2のような戦力を築いたら、議会は公共事業促進局法案を否決し、モンタナ級戦艦やエセックス級空母の緊急建造案を通過させただろう。  
興味深い。ジョン・カーティン豪首相はチャーチルを思わせるような人物だとばかり思っていたが、実際は...... 

面白い考えだが、私は反対だ。ルーズベルトは大した政治家だった。日本本土への攻撃によりアメリカの政治家の多くを戦争計画に加担させ、軍事的な観点からなら心配しなくてもいいはずのことまで軍に配慮させるよう仕向けた。チャーチルはヒトラーに対して同じようなことをした。チャーチルがベルリン夜間空襲を仕掛けるまでは、ドイツ空軍は英空軍を殲滅する寸前だった。軍事的には無意味だったが、ヒトラーはドイツ空軍の攻撃の主な目標を工場・飛行場から市街に変更させた。これにより英空軍は再編成する機会を得ることができた。ドーリットル空襲も同じようにカゴを揺すぶってみた作戦だったわけだ。でもキングとニミッツにルーズベルトからはっぱを掛けられる必要があったとは思えない。暗号解読により、海軍は珊瑚海海戦が2対2になることを知っていた。ミッドウエイも同様に4対4で、ミッドウエイ島を長距離索敵の可能な空母の一つと数えれば、アメリカ海軍にとって対等以上だった。"Combined Fleet Decoded"という本もそう述べている。空母を主に守ってくれるのはヒットエンドランを実施する能力だ。居場所が明らかになってしまえば、空母というのは脆弱なものだ。ラバウル空襲が中止されたのは、日本の哨戒機がアメリカの空母機動部隊を発見したからだった。それでも護衛戦闘機のつかない陸攻に攻撃されたがね。ミッドウエイでの日本の最大の失敗は、発見された時に引き返さなかったことだ。オーストラリアの戦線離脱を招く脅威があったとすれば、政治的に派手なできごとだったろう。カーティン豪首相が怖れていたのは確かだが、日本はオーストラリアに占領軍を送ることなしに平和条約を調印したりはしなかっただろう。だとすれば、降伏しても意味がない。それに、オーストラリアの工場が稼働するのに必要な石油はどこから来るのか?オーストラリア兵をアメリカの司令官の指揮下に置かない決断は、真の脅威につながる。アメリカが積極的に動かなかったらというハウスルールだそうだが、連合軍プレイヤーはかなりやりにくくなるだろう。ルーズベルトが緒戦期の損失を気にかけていなかったというのも誤りだ。私たちWitP AEプレイヤーとは違い、彼は有権者を気にかけなければならなかった。船が1隻沈むと、選挙民はうろたえた。1942年は議会選挙の年で、ルーズベルトが彼の計画を進めるつもりなら、共和党の議会支配につながるような敗北は甘受できなかった。クリントンやオバマの中間選挙とそれら選挙の影響をみてみるといい。またロシアからの援助のところも賛成できない。そして、ダーウィンに関する私の理解は、放っておかれていたというものだ。重要な存在にならなければ再度攻撃されることはないだろうという見解から。ダーウィンへの道路の建設も同様の観点からだろう。日本に利用させることになるのに道路を改良したのはなぜか?第二次大戦期のダーウィンをwebでチェックすると、なぜダーウィンの守備が強化されなかったに関する陰謀を示唆するサイトがたくさんみつかる。
賛成できない点も多いが、考える材料をたくさん提供してもらったと思う。「どんな結果になろうとおそれる必要はない。たとえ沈没しても、1943~44年になれば新造艦で置き換えることができるのだから」という理由でルーズベルトが怖れていなかったとは思わない。これとは反対の意味を持つ証拠をいくつも見出すことができるし、一つ前のレスの中で示された所見の多くに私も賛成だ。ミッドウエイだって、フレッチャーとスプルーアンスの受けた命令は、日本海軍とハワイなど日本の望んだ目標との間に残された唯一の武器は彼らの空母なんだから慎重にというものだった。しかし「私たちはルーズベルトやニミッツであるかのようにWitP AEをプレイするわけではない。でもだからといって、プレイからオーストラリア部隊を閉め出すハウスルールがないわけではない」という点に関しては賛成だ。ほとんどのウォーゲームは第二次大戦(や他の20世紀の戦争)の終了した真の原因、つまり国民の士気をシミュレートすることに失敗している。たしかにこの面をモデル化するのはとても難しいが、それに成功していないせいで私たちは史実とはかけ離れたやり方で戦う羽目に陥っている。もちろん、私にはMatrixが日本、オーストラリア、インド、イギリス、アメリカ、オランダ、フランスの士気の変化をたどる方法をどうやって見出すのか見当もつかないのではあるが。 

The Dictator(訳注:ググってみるとコメディ映画だそうです)でSasha Baron Cohen(訳注:俳優さん)が演じているように、プレイヤーに各軍の戦闘指揮所での役割とそれぞれの国の指導者の役割を兼ねさせることはおかしいと永いこと感じてきた。トリガーによって発動するルールを設け、そのルールにプレイヤーを激励する(プレイヤーの行動が粗暴だったらたしなめる)政府の重要人物の役割を演じさせるというのも、プレイをより現実的なものにする一歩になるだろう。私はTOAW(訳注:The Operational Art of Warというゲーム、私も未プレイ)をプレイしたことはないが、TOAWにはプレイヤーがシナリオに定められた任務を達成したか未達成だったかによって、他国の部隊が介入してくるなどのイベントをもたらす単純でいて洗練された政治システムがあるそうだ。次世代のゲームには、サプライが29種類、6000種類もの艦船を維持・改装・乾ドック入りさせることができる、個々のパイロットや兵士を二等兵から上級曹長にまで昇進させることが出来るといったようなマイクロマネージメントではなく、上記のような政治システムという考えに集中して欲しいものだ。私がこれまでの読んだ本によると、カーティン豪首相とルーズベルトの間にあなたの教授が書いたような関係があったことは真実だ。調べれば調べるほど、ルーズベルトは老獪な政治家だったことが分かる。老獪なというのは、自らの立場を守りつつコトを進める時には、人を惑わせるよう不明瞭に発言することに長けているという意味だが。彼の目指していたゴールは正しかったと私も思う。彼のやり方には灰色の部分があったが、私たちの多くが望むのと違って世の中というのはそういうものだ(有名なオーストラリアのバンドでボーカルをしていた行動派、現在は学校教育・幼児・青年問題担当大臣をしているPeter Garrettなら同意してくれるだろう。政党に加入して以来、彼はしばしば裏切り者と呼ばれているからね)。ルーズベルトは、連合各国が戦い続けるよう仕向けるため、空約束することが少なからずあった。例えば、そうするつもり(当時はその能力も)もなかったのにフィリピン首相に「すぐにも」援助することを約束した。マッカーサーにも同じようなことを言い、それが二人の不仲の原因になったということだ。またカーティン豪首相も抜け目ない政治家で、ルーズベルトの発言を聞いてそのやり口を察知したと言うことのように思える。チャーチルならその行動だけでなく、演説の名手でもあったからうまくやっただろうが。カーティン豪首相がルーズベルトに「行動はことばより雄弁」「口先だけではわが国を救えない」という意味で「すぐにも」と要請したことが、その後のルーズベルトの行動に繋がったのだろう。また、キングやマッカーサーのような人たちなら、なるべく早く戦うように求められても何の問題も感じなかっただろう。本当の問題は、作戦の優先順位、各国の計画に留意し利害を調整する交渉ごとの方にあった。難題だ。ルーズベルトもその他の政治家も名人だったから、こういった事態に対処するすべを心得ていた。政治家になるために幕の裏側でどんなことが行われるものなのか身につけてゆく過程では汚れ物の対処も必要だったろうに、こういった有能な政治家がいてくれて幸いだった。




2014年6月20日金曜日

チモール島に日本のTFが接近

1942年9月15日、樺太中知床岬の沿岸でSS Plungerが一式陸攻の爆撃を受けました。250kg爆弾の命中でSys 73, Flt 44(14), Eng 6(3)と被害甚大です。一番近い連合軍の根拠地アッツまで距離29ヘクスもあるのに、Sysダメージ 73ではさすがに帰り着けそうもありません。これまでのところ、連合軍の潜水艦はちっとも日本の商船を沈めることが出来でおらず、日本のASW TFやASW任務の飛行機による被害ばかりが続く印象です。

ビルマでは、前日の敗北から後退中のイギリス軍2個旅団に対して空襲がありました。一式戦(Ki-43-Ic Oscar) 36機の護衛で九九双軽(Ki-48-Ib Lily) 27機と九七重爆(Ki-21-IIa Sally) 27機が飛来し、device 2個が破壊され29個がdisabledになるという大きな被害が出ました。ここは平地ヘクスですが、開けた地形では爆撃が威力を発揮します。爆撃機の高度は九七双軽が1万5千、九七重爆が1万フィートでした。前日の戦闘で日本側にも連合軍部隊に高射砲ユニットが含まれていないことが判明しているはずなので、高度6千からの爆撃にしたらもっと大きな戦果を挙げることができたことでしょう。

Shweboに到着したイギリス軍第18師団が敵情偵察のためにBombardment attackを実施しました。守備隊は道路建設中隊2個で素のAVが合計で2しかありません。この分ならあしたの攻撃でShweboを奪還できそうです。

蘭印ではLautemのB-25C Mitchell 9機がディリの飛行場を爆撃し、Airbase hits 13、Runway hits 13の命中弾を得ました。そして、もう一つ注目すべきなのは、Roti上空で零水偵が1機CAPに撃墜されたことです。リプレイで” Search E13A1 Jake destroyed by CAP at (67,116)”と表示されたのを見たとき、零水偵がこんなところまで飛べるはずがないから、きっと潜水艦搭載の零式小型水偵の見間違いだろうなと感じました。しかしリプレイが終わってマップを確認してみると、Rotiから6ヘクスの位置に日本のTFのアイコンがありました。哨戒機は軽巡1を含む6隻のTFと報告していますから、零水偵はこのTFから飛来したものだったのでしょう。

それにしても、何の目的でこんなところにまでやって来たのか?クーパンではまだサプライの揚陸作業が続いていますから、コンボイを狙った襲撃か。またはクーパン飛行場と在地機を狙った艦砲射撃か。リプレイ終了の時点でクーパンとRotiのヘクスに見えるTFのうち船倉に積荷が残っているのは一つだけでした。残りの三つは荷揚げが終了しているので、フルスピードで南下を指示しました。またRotiの南西方向にみえるTFのうち、クーパンにむかっていたコンボイもやはり南に退避させました。サプライが残っているコンボイはそのままクーパンで荷下ろしを続けさせることにしましたが、このヘクスではBBアイダホとニューメキシコを含むTFが警戒に当たっているので、日本のTFが殴り込みに来てもやられっぱなしにはならないはずです。また今晩はmoonlight 33%なので、PTボートも召喚しておきました。

と、こんな感じの指示をしてセーブファイルを送ったわけですが、このエントリーを書きながら心配になってきました。実はこの近辺でみかけた日本機は撃墜した零水偵だけではありません。Rotiでは零水偵のほかに急降下爆撃機、クーパンでは急降下爆撃機と雷撃機、Roti南西のTFも雷撃機と水上機をそれぞれ目撃しています(Lautemでも偵察機が目撃されていますが、これは別件かも知れません)。プレイしている最中は、DBやTBといった表示があっても水偵の見間違いだろうと考えていたのですが、これだけ数が多いと空母の艦載機の可能性が否定できません。哨戒機は空母を視認していませんが、あのTFに空母が含まれている可能性は小さくないような気がします。空母がいるのだとしたら、正規空母の機動部隊?その可能性もないわけではありませんが、蘭印のごちゃごちゃしたところに機動部隊を送り込むかどうか。mini KBの方がずっと考えやすいと思うのですがどうでしょう。Rotiとクーパンにも戦闘機がいますからやられっぱなしということはないでしょうが、マカッサルからの零戦のsweepと組み合わされるとかなりの被害を覚悟しなければなりません。またRoti、クーパンではなく南西のコンボイを狙われると、複数のコンボイが全滅したりして。心配だ。

2014年6月18日水曜日

クーパンに零戦80機のsweep


1942年9月14日、マカッサルからクーパンに零戦(A6M2 Zero) 80機のsweepがありました。クーパンとその西隣のRotiではサプライの揚陸作業が続いているので、陸攻よけのためにCAPを挙げてありました。クーパンのKittyhawk IA 16機と、敵機来襲11分前のレーダー探知によりRoti上空から呼ばれたP-40E Warhawk 16機がお相手しましたが、Kittyhawk IAは9機が撃墜され、P-40Eも8機(A2Aで6機、Ops loss 2機)が失われました。零戦は7機(A2Aで5機、Ops loss 2機)ですから、2倍以上の差をつけられての敗北です。ただ、80機対32機と数的に劣勢で、しかもsweep対CAPの不利もあっただけに、もっと大差がつくかと思っていました。まあこのくらいなら許せるかなと感じます。クーパンではすでに3万トン以上のサプライの揚陸が済んでいますが、今後四発爆撃機を運用する予定なのでさらにサプライを備蓄したいところ。また、飛行場拡張や飛行機整備に従事するユニットの上陸も引き続き予定されているので、CAPに従事する新たな戦闘機隊を送りました。またクーパンの飛行場は規模4→5の拡張工事が19%まで進んだところです。1週間後には規模5になるので四発爆撃機を移動させ、マカッサル飛行場を一面クレーターだらけにしてみたいと思っています。

ビルマではラングーンとマグエを連絡する鉄道線上でピケットをはっていたイギリス軍2個旅団に対し、日本側のDeliberate attackがありました。日本側は歩兵師団 1、旅団 1、歩兵聯隊 1、戦車聯隊 1、捜索連隊 2で素のAVが990だったのに対し、英軍は183。英軍に地形のプラス、疲労とサプライ不足のマイナス修正があり、修正AVが283:121。オッズ比2:1で排除されてしまいましたが、5倍以上の兵力差があったのでやむを得ないと思います。死傷者数を見てみると、英軍のdevice 146個が破壊され147個がdisabledになったのに対し、日本軍は5個が破壊され146個がdisabledになっていますから、まあそれなりの損害を与えることができたので満足です。

ビルマではほかにも動きがありました。一ヶ月後の雨季明け後の攻勢の準備として、中部平原で英軍師団1個と高射砲 1ユニットを前進させていて、ちょうど今日Shweboに到着しました。Shweboの日本軍は2ユニットなのでもしかしたら攻略できるかなと夢見ていたのですが、英軍部隊の接近を見た日本側は一式戦(Ki-43-Ic Oscar) 36機の護衛で九七重爆(Ki-21-IIa Sally) 27機を地上部隊爆撃に送って来ました。日本側は英軍の高射砲を気にしてか高度1万5千フィートからの爆撃だったのでdevice 2個が破壊され4個がdisabledになったのみでした。

ラングーンの北西の根拠地(名前は失念)攻略を狙って、ラングーンと連絡する鉄道線上に1ユニットを派遣し、その西と北西のヘクスからも増援部隊が続いています。本当はだいたい同時にこのヘクスに到着させたかったのですが、手違い1ユニットだけ先着してしまいました。この1ユニットは高射砲部隊なので日本の地上部隊に攻撃されればひとたまりもないのですが、その気配はないようです。ラングーンの北西の根拠地の守備隊は1ユニットだけらしいので、増援が追いつけば渡河攻撃したいと思っています。

2014年6月16日月曜日

艦船をwithdrawできる港


1942年9月13日、重慶に一式戦(Ki-43-Ic Oscar) 12機と二式戦(Ki-44-IIa Tojo) 23機の護衛で九七重爆(Ki-21-IIa Sally) 43機と百式重爆(Ki-49-IIa Helen) 25機が飛来しました。以前に比較すると護衛戦闘機の数が多くなっているのは、9月8日の貴陽空襲で連合軍が四発爆撃機を多数失ったことから、この方面ではしばらく連合軍からの空襲がないものと判断し、貴陽のCAPを減らして護衛にあたる戦闘機の数を増やしたのだと思われます。今日の重慶空襲では飛行場にAirbase hits 6、Airbase supply hits 1、Runway hits 23の命中弾がありました。今日はこの空襲以外に、日本側が重慶攻略に注力している情報が得られました。昆明と重慶を結ぶ一級道路上を日本軍15ユニットが東進しているのが目撃されたのです。詳しい兵力は不明ですが、昆明攻略のあと保山には向かわず、重慶を狙って来たようです。
Ship Withdrawals: 3 overdue (12 Daily PP, 12 Accumulated PP)
今日の戦闘は、あと温州に九七重爆 24機の飛行場爆撃があっただけで、落ち着いた一日でした。しかし連合軍側ではちょっと困った事態が発覚。イギリスのコルベット3隻のwithdrawの期限が昨日だったことに気付いていなかったのです。期限超過により、3隻とも一日当りPolitical Point 4ポイントをペナルティとして徴収されてしまいました。この時期、Uボートが大西洋で活躍していて、ネコの手も借りたい状態で、コルベットはネコ以上に必要とされているのでしょう。それにしても忘れていたのがコルベットで良かったと思います。これが戦艦や空母だったら一日65ポイントにもなると表示されていますからね。さて、艦船はどこからwithdrawできるかというと、発売された時のルールが2012年1月21日づけのVersion1.01.08r9へのパッチで変更されました。そのパッチのRead me Fileの48. Gameplay Changeには
規模9の港ならマップ上のどこからでも、また規模がそれより小さく敵の経空脅威のない港からも艦船のwithdrawalができるようになった。艦船はオフマップのどの港からも、またオフマップを航行中のTFからもwithdrawalができる。ダメージの程度がひどくはない艦船は、マップ上の特定の港から、またマップ上の特定の海域を航行中のTFからもwithdrawalができる。マップ上からは、炎上中ではないこと、ダメージ値の合計が99を超えないこと、どのダメージの数値も50を超えないことが条件となる。また敵が航空優勢にある地域からはwithdrawalができない。これには、損傷している艦船にさらなるダメージが加えられることを避けるためにwithdrawalが悪用されることを防ぐ意図がある。マップ上でwithdrawが可能な港は、史実で太平洋を去った艦船の出港した地点をもとに以下の通り設定した。 
1. 規模9の港ならどこでも 
2. アメリカ、カナダ、インド、オーストラリア、ニュージーランドのNational home ports(港の規模は問わない) 
3. アメリカとカナダの西海岸にある規模7以上の港 
4. セイロン島の東側(セイロン島自体も含む)の規模7以上の港 
5. オーストラリア南東部の規模7以上の港とパース 
6. ニュージーランドの規模7以上の港
とあります。では3隻のコルベットはどこにいるかというと、一隻はクーパン上陸船団の護衛でクーパンに、一隻は西海岸からシドニーへのコンボイの護衛でニュージーランド北島の北西、もう一隻はシアトルからダッチハーバーへのコンボイの護衛でちょうど中間点当りです。上記の条件に合う港、パース、オークランド、シアトルには急行しても到着までどれも数日かかります。ペナルティのPPがもったいないのですが、自分のミスだけに仕方がないですね。

2014年6月15日日曜日

セブ島に空襲

1942年9月12日、マラッカ海峡でSS Searavenが日本のコンボイを攻撃し、xAK箱根丸に放った魚雷2本のうち1本が命中し、しかも爆発してくれました。アメリカのS級以外の潜水艦の魚雷が爆発したのはかなり久しぶりな気がします。このコンボイの位置は、昨日ここから5ヘクス北に目撃したTFとは違い、不審な意図を感じさせるものではありません。メダンでresourceを積みとった帰りか、またはメダンに行く途中だったのでしょう。

蘭印ではCAソルトレイクシティ、CLコンコード、デトロイトがアンボンの艦砲射撃を実施しました。このTFは一昨日のクーパン上陸時、日本の水上戦闘艦隊の襲撃に備えてクーパンのヘクスをパトロールしていました。しかし日本側にそういった動きはなく、またもう一つ戦艦を含んだTFもクーパンのヘクスをパトロールしているので、昨日Lautemのヘクスに移動させました。Lautemには戦闘機のCAPがあり、しかもアンボンまでは7ヘクスと艦砲射撃の前日に待機するには絶好の位置どりです。日本側の偵察機・哨戒機に見とがめられれば断念することも考えていたのですが、昨日のLautemのヘクスはノーマーク。そこでアンボンに出かけたわけですが、Airbase hits 10、Airbase supply hits 2、Runway hits 47、Port hits 5、Port supply hits 2と多数の命中弾がありました。もっとも巡洋艦の砲撃ですから、それほどの被害にはなっていないだろうと思います。ただ駐機中の零戦(A6M2) 2機を破壊できたことは収穫でした。またアンボンには九七大艇の輸送機型もいて”H6K2-L Mavis: 5 damaged”と報告されています。本当はこちらを破壊できると良かったのですが、零戦より頑丈に出来ているので破壊するのは難しかったようです。ところで、この輸送機は何をしにアンボンまで出向いてきているのでしょうか?非常に楽観的に考えると、アンボンも危ないと考えて輸送機で地上部隊を後方に移動させるため?でもそれなら、輸送機自体は後方の根拠地に置いたままpick up troopsの指示を与えた方が安全ですよね。もしかするとアンボンから空挺作戦を企んでいるとかでしょうか。気になります。

チモール島周辺には日本の潜水艦が少なくないようです。きのうのクーパン南方での客船沈没を受けて、もともとRotiでASW任務に従事していたハドソンの飛行隊に加えて、イギリス駆逐艦4隻のASW TFにクーパン・ダーウィン間の海域をパトロールさせることにしました。今日は呂34潜を発見・攻撃しましたが、ダメージを与えることは出来ず逃げられてしまいました。日本側はチモール島南方まで哨戒圏を拡げることにしたようで、チモール島に向かうコンボイ、チモール島から戻るコンボイが日本の哨戒機に目撃されています。哨戒機の情報をもとに潜水艦に攻撃されることも心配ですが、陸攻に雷撃されてコンボイ全滅ということが起きるかも知れません。

フィリピンのセブ島に九七重爆(Ki-21-IIa Sally) 21機が飛来し、港を爆撃して行きました。Port hits 8、Port supply hits 1の命中弾があり、今朝の時点で港に9のダメージが残っていました。セブはいまのところアクティブな根拠地ではないので、港のダメージでもたとえ飛行場のダメージでも別に困るわけではありません。ただ気になるのは、なぜセブの空襲を実施する気になったのかという点です。ご覧の通り、フィリピンで連合軍の地上部隊が残っている根拠地はここセブだけです。セブには規模20のリソース産地とやはり規模20の軽工業があります。またここを守備しているのは素のAVが167、総員4000名ほどと小さめな第81フィリピン師団だけですから、日産20トンのサプライがあれば充分に自活できるわけです。日本側がセブを放置してくれるとは思っていなかったので、春頃まではこちらとしても何も指示を与えていませんでした。しかし夏に入った頃だったと思いますが、将来の反攻の芽に出来るかもと考え、師団を3つに分割。2つはrestモードにしてExperienceとMoraleを上昇させ、残りの一つは防禦施設の拡張工事に従事させることにしました。ExperienceとMoraleは3つのうち一番高い支隊で51と50。また各支隊に含まれるengineerはわずかに2分隊しかないので工事も遅々として進まないのですが、防禦施設も規模2にはなりました。日本側がこのまま放置してくれれば、マカッサルを奪取し、ボルネオに連合軍根拠地を獲得した後に、空輸で増強を図ることができるのかなと密かに夢見ていたところに、今日の空襲だったわけです。日本側の意図がセブ上陸侵攻の準備だったりすると、夢が潰えてしまうことになるのですが...

2014年6月13日金曜日

クーパン解放

1942年9月11日、マラッカ海峡でパトロール中だったSS SwordfishがPB Rokko Maru #2に発見され、爆雷攻撃を受けました。浅海ヘクスなのでType95 Mod-2 DCも有効で、一発の被弾でSys 15, Flt 37(30), Eng 8(6)のダメージが生じました。この程度であればコロンボまでの航海に支障はないものと思われます。

ところでリプレイを見ていた時に気になったのは、この戦闘自体ではなく、その4ヘクスほど北に表示されている日本のTFです。このヘクスにはやはりパトロール中の潜水艦がいるので表示されたのだと思いますが、夜が明けてからのマップにはこのTFの姿はありませんでした。でも、目撃した位置からするとビルマの方に向かうとは考えにくく、どんな任務のTFなのかが気になります。コロンボかカルカッタを空襲するための機動部隊か。あるいはスマトラ島北端をまわってインド洋東部に出て、クリスマス島かココス諸島の艦砲射撃または空襲を企むTFか。次の次のターンくらいから要警戒です。

チモール島クーパンの南3ヘクスの海域で、xAP Sin Kheng Seng(1020トン, VP 3)が伊171の雷撃により沈没しました。この船はクーパン上陸船団所属ではなく、ダーウィンからRotiに136th USA Base Forceの一部を輸送していました。136th USA Base ForceはRotiの飛行場を機能させるため、当初ダーウィンから空輸していました。空輸が進みRotiで戦闘機を運用することが可能になったので、残りは2隻の客船で運ぶことにしたのですが、そのうちの1隻が沈められてしまったのです。乗っていたdeviceはSupport 32個、Aviation Support 9個で、前者は24個、後者は4個が僚船に救助されました。

クーパンでの揚陸作業は今日も一日続けられました。空からも海からも日本軍による妨害はなかったのですが、貨物トラックもサプライもまだまだ船倉に残っています。陸戦フェーズには上陸した第32歩兵師団などによるDeliberate attackを実施しました。日本側は木村支隊と飛行場中隊4個と海軍の設営隊1個で、素のAVは410:85。日本側には地形と防禦施設によるプラス、準備不足・経験不足・サプライ不足によるマイナス修正があり、修正AVは394:21。防禦施設は規模3でしたが、オッズ比18:1で快勝できました。

解放後にクーパンの様子をチェックしてみると、港に28、飛行場サービス施設に18のダメージがありますが、滑走路は無傷の状態です。早速オーストラリア軍のKittyhawkを一個飛行隊派遣しました。今回の戦闘で、チモール島の日本軍がサプライ不足の状況にあることが判明したのは収穫です。チモール島にあった日本軍の二つの根拠地のうちクーパンの方がディリよりも大きく、サプライは主にクーパンの方に貯蔵されていたはずです。そのクーパンがサプライ不足だったということは、ディリもサプライ不足の状態にあるはずで、たとえディリの飛行場の修復が完了したとしても、爆撃機の運用はできないだろうと思われます。爆撃機を運用できないのなら、ディリは対戦終了まで放置しておいてもいいわけです。まあ本当にこのまま放っておくのもあれなので、いつかは解放に向かいと思いますが、急ぐ必要だけはありません(昨日クーパンへの上陸を見てクーパン陥落必死と考え、クーパンの在庫サプライをすべてディリに移動させるため、ディリのサプライ要求量を増やすようなワザを日本側がつかった可能性はあります。クーパンの奪還に2日以上かかればそのワザが奏功した可能性もないわけではありませんが、クーパンは1回の戦闘で奪還され、サプライ輸送フェーズはその戦闘フェーズの後に来ますから、今回はそのワザを封じることができたはずです)。

クーパン解放後の連合軍の計画ですが、クーパン飛行場の修理が完了し、ある程度のサプライを集積させた頃、小スンダ列島への空挺作戦を実施します。予定ではWaingapoeあたり。Waingapoeを奪還して、工兵や飛行場整備部隊を空輸とFasttransport TFで送り込み、戦闘機の運用が可能になった頃、小スンダ列島でもジャワ島に近い根拠地にまた空挺作戦を実施します。希望としてはバリ島のデンパサールを解放したいところですが、デンパサールには反撥も大きいでしょうから、日本側の動きをみながら考えます。大きな妨害がなければ、ここまでに1ヶ月半程度でしょうか。

運良くデンパサールか、その近辺に戦闘機の運用可能な飛行場を確保できたら、その後はジャワ島攻略か?もしジャワ島に上陸するとなると、クリスマス島とデンパサールから支援を受けられる、ジャワ島の東部南海岸になるでしょう。でも、ジャワ島には日本側が陸攻などを運用できる飛行場の数が多く、すべてを制圧することは不可能です。簡単に上陸させてくれるとは思えません。またもし歩兵師団2~3個の上陸に成功したとしても、ジャワ島の攻略はかなり困難です。ジャワ島は良く開発されていて鉄道も道路も利用が可能です。連合軍が東部に上陸しても、日本側は安全なジャワ島西部、バタビアなどに増援部隊を上陸させ、そこから鉄道で東部に移動させることが出来るのです。

ということで、ジャワ島の攻略は後回し。小スンダ列島の飛行場の確保の次はマカッサルを狙いたいと思います。マカッサルへの上陸作戦には日本側も水上艦艇総出、もしかすると機動部隊も投入して阻止しようとするでしょうから簡単にはいかないでしょうが。でもマカッサルさえ奪還することが出来れば、あとはセレベス島かボルネオ島の手薄な根拠地への空挺作戦を実施し、そこから南シナ海へ哨戒機を飛ばす。日本経済は蘭印の原油の本土への還送に頼っていますから、南シナ海のタンカーの航行を妨害できればこのゲームも山を越えたことになるのかなと。クーパン解放の美酒に酔い、そんな夢をみてしまいました。


今日も中国では重慶と温州に日本側の空襲がありました。いつごろになるのかは不明ですが、日本側が中国戦線重視で地上部隊を運用している現状では、重慶の陥落は避けられません。しかしその分、南方の防備が手薄になっていることもたしかです。例えば、(1)ダーウィンを確保しなかったこと、(2)ダーウィンを確保しなかったのにクーパンにまとまった地上部隊(一個師団くらいか)を配置しなかったことなどはその現れでしょう。連合軍側としてはその点をついていきたいところです。

2014年6月12日木曜日

貯蔵の設定をオンにすべきdevice


LCUのアップグレードについてのスレを紹介しましたが、具体的なdeviceについてのdevice stockpilingというスレを紹介します。フォーラムには同じようなスレがいくつもたてられてきましたが、日本側しかプレイしていなかった頃はあまり真剣に読まず、記憶にも残っていません。そこで、これは最近のスレです。このスレで勉強になったのはレーダーdeviceなど、日本側プレイでもアップグレードとdeviceのstockpileの設定をする意味があるという点でした。

なぜある種のdeviceを貯蔵(stockpile)すべきなのかについて議論してみないか?貯蔵するとそのdeviceの生産数が増加するの?貯蔵を指定しておくと、旧式のdeviceが品切れになるまでユニットがそのdeviceをつかってアップグレードしようとしてもできなくないの? 
中国では多数の軍団が43年型ライフル兵にアップグレードしたがっているし、75mm野砲を105mm榴弾砲に変更したがっている。この砲の生産数は僅少なので、きっと中国軍の砲兵連隊のためにとっておきたいと思うようになることだろう。そこで、中国軍の105mm榴弾砲のstockpile(貯蔵)をYに設定すれば、歩兵軍団はそれ以外のdeviceだけをアップグレードするようになる。1連隊分16門の榴弾砲が貯まったら貯蔵の設定をNに変更して連隊一つにアップグレードさせる。でも他の部隊のアップグレード設定をオフにしておかないと、その砲を横取りされてしまう。deviceの貯蔵設定をオンにしてあると、ユニット画面のリストにあるdevice名の右側に「+」や「=」が表示されなくなる。貯蔵を指示しても生産数が増えることはない。そのdeviceがアップグレードに使われないようにするだけだ。 
飛行隊と同じで、許可しようと思うまでアップグレードの設定をオフにしておく。連合軍側プレイヤーもそういった小細工ができるとは知らなかった。でもこの仕組みは枢軸側プレイヤーにとても重要なんだろうと思われる。いろいろなdeviceについて、いつ頃になったら旧式化するかを含め、生産の推移は(資源が充分だとして)固定されているのだろうか?生産の推移についてはどうしたら見ることができるんだろう?この件についてはすでにスレがたてられているだろうとは思うが、誰か知らないかい? 
たしかに、アップグレード自動化と根拠地施設の拡張の設定があるが、私はゲームの開始時にすべてオフにするようにしている。生産の推移についてはほとんどが固定されているが、日本側プレイヤーにはR&Dと工場の拡張の余地がある。連合軍だけのプレイヤーにとっては、マップ外の抽象化された工場に加えて、マップ上に機体工場がいくつかある。これらマップ上の機体工場に関するR&Dと生産機種の変更は自動化されているが、いつどの機種にアップグレードされるのか調べる方法は知らない。特にオーストラリアの機体工場なんかは機種変更してほしくないんだけど。 
日本側プレイヤーなら、25mm T96 AA Gunの貯蔵の設定をオンにして、根拠地隊の40mm T91 AA Gunから25mm T96 AA Gunへのアップグレードが起こらないようにし、一方レーダーのアップグレードは可能なままにしておくことができる?25mm砲は40mm砲よりも劣るようにみえるから(少なくともDaBigBabesでは)。 
おっしゃる通り。新型deviceの貯蔵設定をオンにしておくとその対空砲はアップグレードされない。でも旧式deviceの方をチェックしておくことも必要で、往々にして生産が中止され品切れになってしまう。補充ができなった際に残された唯一の選択肢は、後方の数部隊をアップグレードさせ、高性能のdeviceを在庫に戻させることだ。プリファレンスには旧式deviceを自動的にアップグレードするかどうかをオンオフする設定がある。現在プレイ中のゲームではオンにしてあって、アップグレードによってLCUから(待機期間後に)戻される旧式の歩兵分隊deviceが新型になって在庫に加わる。プリファレンスのこの設定が歩兵以外のdeviceにも適用されるのかどうかは知らない。また対AI戦ではプレイ中にもこの設定を好きなように変更できるが、PBEMでこの設定を変更できるのかどうかは知らない。この設定の欠点はすべてのdeviceを対象としたものである点で、貯蔵の設定とは違って個々のdeviceについて指示することができない。 
25mm砲と40mm砲に関するその説明は大きな疑問につながる。40mm砲は補充のために生産が続けられるのだろうか?もう一つ分からないのは、25mm砲は素敵な対地上目標用の防衛手段になるんじゃないかと思う。機関銃中隊にもたせてそんな風に使うってのもいいような。 
日本側をプレイしているが、機雷は貯蔵するよう指示してある。新しくTF(訳注:mine laying TFなんでしょう)をつくるたびに自動的に機雷が搭載されてほしくはない、機雷の搭載は直々に指示したい。 
日本側のプレイでもいつもdeviceは貯蔵するよう指示している。どのユニットにどのdeviceをアップグレードさせるか自分で管理したいから。日本の支出すべてを管理するわけだ。ARMポイントとVEHポイントは本当に高価で、load cost 1ポイントあたり6HIポイントにあたる。つまり、load costが100のdeviceは600HIポイント。deviceの入手にはそれに加えてサプライも消費するわけだし....  
いい考えだ。 
日本側をプレイしていると、こういった類いのはなしの90%は無視することにしている。どっちにしろ大戦末期への影響はほとんどないという単純な理由からだ。連合軍側にはもっと意味のないことだろうと感じられる。1941年でも42年でも、また構成するdeviceが何であっても、英連邦やアメリカの歩兵師団は、日本の歩兵師団2個よりもずっと優れている。でも、こういったことであなたにとってこのゲームがより楽しいものになるのなら、こういった工夫もよいだろう。しかし私自身はこんな面倒なことに手を染めたくはない。 
私は兵站業務をプレイしている。戦闘なんかどれも添え物に過ぎない。 
日本のレーダーの中には1942年に何度もアップグレードを繰り返し、1943年に最終型になるものがある。最終型が利用可能になるまで後方の根拠地隊のレーダーのアップグレードを禁止することで、アップグレードにかかるHIとサプライの支出を最終型への1回分だけで済ますことはできる? 
日本側のことは分からないが、連合軍側プレイヤーは、アップグレード対象となる新型兵員deviceが在庫に充分な数貯まると、兵員deviceを新型にアップグレードすることができる。たとえば、アメリカ42年型歩兵を貯蔵に設定して、師団を三分割したものの一つ分をアップグレードするのに充分な数が貯まるまで待つ。アップグレードさせたい師団を/A, /B, /C支隊の三つに分割し、アップグレードの設定をオンにする。貯蔵の設定をオフにし、新型にアップグレードするのを見守る。三つともアップグレードが済んだら、ユニットのdevice補充設定をオンにしてもいい。 
兵員deviceは、deviceのアップグレードに従い在庫からその分だけ数が減らされるdeviceとは違った振る舞いをする。アップグレードするのが(在庫に充分な数のある)兵員deviceの場合にはこうならず、在庫から引き出されることはない。連合軍側の観点からすると、アメリカのdeviceを貯蔵に設定しようかどうしようかと悩むことはないが、英連邦のすべての国と中国の場合には貯蔵に設定することが必須だ。これらの国のdeviceの生産数は悲惨なほど少なく、支隊同士のdeviceのアップグレード状況の違いが原因で、支隊を再合体させることができなくなるのが悩みの種だから。 
誤って海兵隊師団の/B支隊を早めにアップグレードさせてしまい、/A支隊と/C支隊がアップグレードして再合体できるまでそのdeviceが貯まるのに長い期間がかかった。まったく私のミスなんだが。 
連合軍側をプレイしていて支隊を再合体させることのできない原因となったdevice
  • 40mm Bofors 42:アメリカと中国以外のほとんどすべての国がこれを必要としている。
  • Bren AAMG, Lewis AAMG, Vickers AAMG:インド師団を分割した時に問題となった。
  • Garrison & Garrison 43:これは見過ごしやすい。しかし、移動不可ユニットが退却を余儀なくされた後でこのdeviceを補充してしまい、なんの防御施設もない平地ヘクスに根が生えてしまっても困るだろう。
  • 25 Pounder Gun:18ポンド砲を含むすべての英連邦ユニットがこの砲を必要とする。
  • 3" Mortar 43:すべての英連邦軍がこの砲を必要とする。
  • 3.7" Jungle Gun:これも英連邦のdevice
連合軍プレイヤーが注意すべきは英連邦で、必要とするユニットの多いdeviceの多くが不足するから。そういったdeviceは重要なユニット、主に師団に配給するようにしないと。 
6ポンド砲と17ポンド対戦車砲、バレンタイン戦車、グラント戦車、リー戦車、イギリスとインドの戦闘工兵、挙げればきりがない。英連邦のユニットはどれもアップグレードに際して熟慮を要する。本当にdeviceには注意をしなければならない。 
中国軍の砲deviceの在庫も僅かだ。砲deviceは貯蔵を指示しておき、利用させるユニットを選ぶようにしないといけない。 
こういったことを管理する簡単な方法は、補充とアップグレードの設定をオフにしておくことだ。分割したユニットのアップグレード設定は必ずオフに、また敗走したユニットも安全な場所に達するまでは両方ともオフにしておくべきだ。 
日本側でも同じような問題がある。開戦時の歩兵師団のだいた半分は分割されている。合体させるまで、deviceの不一致が生じないよう注意を払うことが必要だ。歩兵師団の一部は1942年43年の後半になるまで合体させることができないので、はなしが余計ややこしい。

2014年6月11日水曜日

LCUのdeviceのアップグレード その2


Tech SupportサブフォーラムにたてられたSquad Upgrade Issueというスレ、先日紹介したLCUのdeviceのアップグレードに関するバグ疑惑を議論するスレですが、これを紹介しようと思います。

Michaelさん、このスレで兵員deviceのアップグレードに関して複数のPBEMどうしで異なる振る舞いをしているようにみえる問題が提起された。Mooseさんが検証の方法と結果を示してくれているし、私も各ターンごとにログとユニットをチェックして気付いたことを述べているのでスレを見てもらうのが一番だ。まとめると、一日にアップグレードできる兵員devcieの数は在庫にある新型の兵員devcieの数によって制限されているということだ。置き換えられた古い兵員deviceは新型にアップグレードされて在庫に戻されるが、翌日にならないと他のユニットのアップグレードには使用されない。Mooseさんの経験したことはそれとは反対で、新型にアップグレードされて在庫に戻された兵員deviceはその日のうちに繰り返し何度も使用されるというのだ。例えば、アップグレードに各91個の兵員deviceが必要なユニット5つが、該当のdeviceが在庫に95個しかないのに、同じ日にアップグレードしてしまった。私の方のゲームではその種の5ユニットがアップグレードするには5日(一日に一つずつ)かかるはずだ。Mooseさんのゲームも私のゲームも最新のパッチがあたっていいて、ともに”x”版のパッチをあてているようだ。必要ならセーブファイルとログを提供するつもりだが、Mooseさんもそうすると思う。 
あなた方のうち、一方は連合軍側で、もう一人は日本側だとか?どっちがどっち ...  
私(訳注:Mooseさん)はサンフランシスコで検証してみた。 
私たち2人は対戦しているわけではない。この有益な知性の戦場 (the Matrix AE forum)でかわされた多角的な議論からこの現象を発見したんだ。 
deviceの補充に関するルールによると、置き換えられ(その後再利用される)兵員deviceは一日待つことになっている。このルールは、置き換えられたdeviceがただちに他のユニットにより再利用可能になってしまうことから生じる種々の問題を回避するためにある。 
ご発言をすこし敷衍させてもらうが、
  • 兵員(squad/engineer)deviceがアップグレードされると、置き換えられた古い兵員deviceは新型のdeviceとして在庫に戻され、しかも再利用には一日分の待ち時間が設けられる。
  • 兵員でないdeviceはがアップグレードされると、置き換えられたdeviceは旧式のまま在庫に戻される。しかも再利用には一日分の待ち時間が設けられる。
これが私のPBEM(最新のx6aパッチをあてたものも含め)で経験したことだ。しかしMooseさんは一日の待ち時間を経験しなかった。そんなわけで、彼は何が起きているのか知りたいと思っていて、セーブファイルなどを提供してくれるだろう。 
私の日本側での経験もその通りだ。連合軍側での経験はないが ...  
はっきりさせるためにいうと、私が検証したのは兵員device、特に1941年型アメリカ歩兵と1942年型アメリカ歩兵についてだけだ。後者の生産は1942年7月に始まる。前者の生産ももう一ヶ月継続して、一ヶ月だけ重なることになる。私の観察したのは、あなたのレスにいうあるべき挙動とは一致しない。一日の待ち時間がなかっただけでなく、一番目のLCUのアップグレードにより在庫に戻されたdeviceがすぐに使用された。これが何度も繰り返された。私は根拠地隊と歩兵連隊について検証してみた。後者では在庫に1942年型歩兵が95個しかないのに5つの連隊がアップグレードできた。この連隊は1942年7月の時点でのTOEで各91個のdeviceが必要としている。置き換えられた1941年型歩兵が旧式なまま在庫に戻され、アップグレード前のLCUの補充にのみ使われるのであれば大した問題ではない。あのスレでAlfredさんがいっていたように、6ヶ月後には在庫の旧式兵員deviceも自動的にアップグレードされるそうだが。
これが私の検証に使用したセーブデータで、x6aのパッチをあてたexeを使用する。head to headモードで、すべてのアニメーションはオフにした。世界中のすべてのdeviceについて補充はオフにした。サンフランシスコだけ補充をオンにした。USAAF base forceはTOEがどれも同じなので、これを検証に使用した。このユニットは1941年型歩兵deviceが12個の状態で始まる。実際に検証してみるには
1) 在庫のインフォメーション画面で1942年型歩兵deviceの在庫への積み増し(Stockpile)を”N”にする。1941年型歩兵deviceの在庫への積み増し(Stockpile)も”N”にする。その他すべてのdeviceは兵員deviceもそれ以外も在庫への積み増し(Stockpile)も”Y”のままにしておく。
2) サンフランシスコでLCU画面でengineerだけが表示されるようにする。USAAF base forceすべてのアップグレードを”Y”に設定する。補充も”Y”に。USAAF base forceをすべてrestモードにする。その他には手を触れない。1ターン1日の設定で実行する。セーブファイルを添付する。拡張子はpwsからjpgに変えてある(訳注:興味のある方は該当のスレからダウンロードして試してみて下さい、私は確認してませんが)。 
Base forceを2つだけと単純化して検証してみた。オペレーショナルリポートにある通り1部隊だけがdeviceをアップグレードした。
Device(s) upgraded in 120th USAAF Base Force supplied from San Francisco
コードを追跡するとこの根拠地隊だけがdevice(1942年型歩兵)を在庫から入手していた。古いdeviceは補充フェーズの後に戻された。しかしもう一つの第117アメリカ陸軍航空軍根拠地隊もdeviceがアップグレードされたとなっている。これはdeviceの在庫から入手したものではない。
どうしてこうなったのか調べてみようと思う。二つのフェーズがある。
1. deviceのアップグレードフェーズ(問題の発端となったスレで議論されていたフェーズ)でのアップグレードは議論されていた通りに制限されている。このフェーズの終了時、古いdeviceは新型となって在庫に戻される。
2. その後、そのターンのdevice補充フェーズがある。この時点で、deviceのアップグレードフェーズで新型になって在庫に戻されたdeviceを、他の根拠地隊が利用できるようになっている。このことは、ユニットのdevice補充の設定をオフにしてみて判明した。
[在庫の新型deviceの数が基準を満たしていれば、 device補充フェーズにもdeviceはアップグレードされるようだ。この検証の対象であるサンフランシスコに位置している根拠地隊に対して、補充源となりうる各根拠地ごとにこの判定が実施されると、アップグレードされて在庫に戻されたdeviceが、別の根拠地(例えばロサンゼルス)からの補充に利用されてしまうということが起きる。つまり、deviceのアップグレードフェーズに根拠地隊1つがアップグレードされる。補充フェーズには、別の根拠地隊のアップグレードに必要な数の新型deviceが存在していて、アップグレードが起きる。その次の根拠地についてもアップグレードに必要なdeviceが存在(前のアップグレードにより在庫に戻されたもの)していて、根拠地隊のアップグレードがもう一つ実行される。こういった仕組みで在庫には新型deviceが13個残ったままで複数の根拠地隊のアップグレードが実現する。サンフランシスコの周囲に多数の大きな根拠地が固まって存在していることにより、この問題を余計にややこしくさせている(訳注:ユニットはその位置する根拠地からだけではなく、サプライの輸送可能範囲にありしかもサプライを充分に保持している根拠地からもサプライの補給やdeviceの補充を受けることのできるルールがあります)。今回の検証の対象となった根拠地隊がハワイのような補充源となる根拠地が限られている場所に位置していたなら、2~3の根拠地隊(1つはアップグレードフェーズに、その後1つか2つが補充フェーズに)がアップグレードするだけで、それほど目立った問題にはならなかっただろう。日本側プレイヤーもアップグレードの対象となるユニットが大きな根拠地の密集している本土に位置していれば、この仕組みにより「利益を受ける」ことができるはずだ。] 
サンフランシスコは大量のサプライを抱えたハブで、National home baseでもある。サンフランシスコは補充フェーズに2つの根拠地隊をアップデートできる。National home baseとして一個を補充し、ついでふつうの補充源としてもう一個。どちらでもアップグレードが起きる。
この仕組みの修正について、2つの案を持っている。
(a) 置き換えられ新型になって戻されるdeviceは、アップグレードフェーズと同じく、同じターンの補充フェーズでは使えないようにする
(b) サプライの状態の良好な複数の根拠地が集中している地域における補充時のボーナスとして、そのまま放っておく

とのことでした。条件が揃う(サプライ貯蔵量の多い根拠地が集中する、national home base近隣の地域に位置するLCU)とdeviceのアップグレードが芋づる式に行われてしまうこの問題は、このスレで問題になったあともこのまま放置されています。修正に伴うゲームバランスに与える影響は大きくないという判断があるものと思われます。さて、このスレと直接の関係はないのですが、deviceに関連したことで感じたことがあるので、以下にその感想を。なお、deviceというのは電子デバイスなどという言葉が一般化しているように、デバイスと音訳すべきなのでしょうか。それとも構成要素とか部品などと訳すべきか。どうもどちらもしっくりした感がないのでdeviceのままにしておきました。

このゲームのユニットはdeviceから構成されています。たとえば陸のユニット(陸軍部隊(地上部隊、LCU)をみてみるとこの120th USAAF Base Forseは
  • USA RifleSquad 42
  • 20mm Mk4 Oerlikon
  • 40mm M1 Bofos
  • 90mm M1A1 AA Gun
  • SCR-270 Radar
  • Engineer Vehicle
  • Engineers
  • Motorized Support
  • Support
9種類のdeviceからできています。このゲームのdevice=武器というわけではなく、 USA RifleSquad 42のような歩兵分隊もdeviceとして扱われています。きっとこのUSA RifleSquad 42というdeviceは、歩兵12名(12名でいいのかな?)のほかにライフルや支援火器、弾薬、レーション、トイレットペーパーなどなどまで含んだ概念なんだと思います。同様にMotorized Supportというのは、トラックだけでなくドライバー、スペアパーツ、ガソリンなどを含んでいる、そう考えるべきなのでしょう。いっぽう、空のユニットは航空機で、各機種ごとにその機体を構成するdeviceが定義されています。また、海のユニットは艦船で、各艦種ごとに艦体に装備されるdeviceが決められています。

こう見てみると、陸のユニットと空・海のユニットの大きさの違いに気付きます。陸のユニットは大隊~師団規模がふつうです。飛行場で整備業務を行うユニットには中隊もありますが、ごく少数です。また中国軍には軍団もありますが、中国軍は師団の規模が小さくまた充足率も低いので、軍団とはいっても規模的に他の国の師団と大きな違いはありません(というか、かえって小さいくらい)。つまり陸では数百人から2万人弱が1ユニットなわけです。それに対して、海は一隻、空は1機。戦艦や空母なんかは千人以上が乗り組んでいるからまあ全く理解できないというわけでもないのですが、空は1機ですからね。やはり、陸と海・空のユニットのスケールの違いは大きいのではと。

ウォーゲームを制作する際、どんなスケールのゲームにするのか、時間と距離の縮尺をどう選択するのかというのはデザイナーの腕の見せ所の1つなのかなと想像します。このゲームは1ターンが1日で、1ヘクスの大きさが46マイル。100km以上先に空襲に出かけることのできる空のユニットはもちろん、一晩のうちに9ヘクス先まで航海して任務を果たす艦砲射撃TFや東京急行の存在を考えると海のユニットに関してもこのスケールがしっくりきます。また、一機ごと、一隻ごとに戦闘を処理する海戦・空戦ルーチンもそれなりにうまくできていると感じます。

それに対して、陸のユニットとこの1ターン1日、1ヘクス46kmとの相性はどうなんでしょう?このゲームの陸のユニットも鉄道や1級道路をつかった戦略移動(後者はアメリカと英連邦の陸軍のみが可能)では1日に5~7ヘクス移動できますが、これはあくまでも戦線はるか後方でのこと。前線での移動は道路のしっかりした平地で2~3日で1ヘクス、道なきジャングルだと4週間近くかけてやっと1ヘクス移動できるだけです。空や海の戦いにベストマッチのスケールを選択したがためにこうなってしまったのではと感じます。また、フォーラムでもこのゲームの陸戦に満足していない人が多い印象です。小さな島の取り合い(上陸侵攻)だと大きな破綻を来してはいませんが、複数の根拠地を持つ島、つまり複数のヘクスからなる機動の余地のある島(ジャワ島や本州など)や、特に大陸で複数の師団以上が対決するようなスケールの陸戦はいまいちかなと私も思います。その原因のひとつにユニット・時間・距離のスケールのミスマッチがあるのかなと。

大隊から師団規模のユニットが主役となる陸戦主体のゲームをデザインするとしたら、わざわざこのスケール・縮尺を選択するんでしょうか? 私はウォーゲームに関する経験に乏しく、特にボードゲームはまったく知らないので、良く知っている方々にご教示いただきたいものです。