2019年3月26日火曜日

Ostriv  牛肉生産と皮革産業

放牧により畑地の肥沃度をしっかり回復させる体制が整っていれば、鋤で耕起することは時間の無駄と感じるようになったので、増えすぎた牛の数を整理することにしました。5頭の雄牛のSlaughterのラジオボタンにチェックをいれ、食肉処理場(Slaughterhouse)で食肉処理員(Worker)を雇用すると、仕事を開始してくれます(婉曲に表現しましたが、屠殺場、屠殺員の方がわかりやすいでしょうか)。成牛でも1歳や月齢数ヶ月の仔牛でも生皮(Hides)1と牛肉)Beef)0.5が得られました。

つぎは皮なめし作業場(Tannery)ですが、ゲーム内のヘルプには
生皮からなめし革をつくるには6ヶ月間のなめし工程を経なければならない。一回のバッチで処理する生皮の数量と、並行して処理するバッチ数を設定する。1つのバッチの工程が終了するまで、一人の作業員(Worker)がつっききりにならなければならない。作業員が離職してしまい放置される期間が長くなると、そのバッチはダメになってしまうかも知れない。工程を開始するには、木の皮(Bark) 10、ライム(Lime) 0.4、塩(Salt) 0.3、水(Water) 10を集めることになる。
と説明されています。木の皮はすでに製材所で作ってありました。まらライムも塩も輸入しておいたのですが、水の入手に問題がありました。1バッチで10までの生皮を処理できる仕様で、今回は生皮5を処理しようと思っていたのですが、それでも50もの水が必要になります。牛も冬期には水を必要とするので牛舎を建てる際に井戸も建設し、合計で2つになっていましたが、それではとてもとても足りません。

住民の水の消費量の精確な数字は不明ですが、1つの井戸でだいたい20名強をまかなえるくらいでしょうか。1726年現在の人口は34人で、牛も15頭いますからそれだけでいっぱいいっぱい。それに井戸はゆっくりとしか水がたまってゆかないうえ、満タンになってもたったの10ですしね。川に水くみ場(Platform)を建てることにしました。川の水くみ場の方は好きなだけ水をくめるようになっていました。

ただ問題なのは皮なめし作業場を川からかなり離れた場所に建ててしまったことです。水は手桶で1ずつ運ばないといけないようなので、かなり面倒です。現実世界の皮なめしや染めもの屋さんなどはたしかに川で行われていたような。近々に予定されているらしいAlpha 2のパッチ後に始める次回のプレイでは川の近くに建設することにしましょう。


さて、初夏6月から雪の12月までの半年をかけてようやく生皮(Hides)5をなめし革(Leather)5にすることができました。このなめし革を使って、靴工房(Shoemaker’s workshop)で靴を製作します。靴工房の靴職人(Worker)には女性も従事できることになっていたので、女性を採用。なめし革0.5から靴(Shoes)1.0ができあがりました。露店に出すと靴0.1は10で売れました。

2019年3月25日月曜日

Ostriv  繊維産業

Ostrivの繊維産業は麻(Hemp)→麻織物(Textile)→服(Clothes)。
まずは畑地で麻を生産。
次に織物工房(Weaver’s workshop)で麻(Hemp)0.5から麻織物(Textile)0.1がつくられ
最後は仕立て屋(Tailor’s workshop)で麻織物(Textile)0.1が服(Clothes)0.1になります。
織物工房と仕立て屋さんのWorkerには男女ともに従事できます。女性の職場は限られていますから、どちらの施設のWorkerにも女性だけが就けるよう指示しました。

5年目になって初めて服(Clothes)を製作したわけですが、この服にはどんな機能があるのでしょうか?子どもが成長して大人として働き始めるには、年齢が基準を満たすようになっただけではだめで、服 1と靴(Shoes) 1を与える必要があるとか、そんな風に設定されているのかなとも妄想していたのですが、どうでしょう?いまのところそんなルールがあるのかどうかは不明です。

ところで、完成した服を露店にならべてみるとさっそく買いに来る人がいました。村長の奥さんです。服は一回に0.1ずつしか持ち運べないようで、繰り返し0.1ずつ買って行きます。このお宅には1歳児がいますから、上述の妄想が正しいとすると、その子のために服を買いに来ているのかなと思っていたのですが、そうではないようです。10回以上買いに来たのですから。

服は自宅に持ち帰っても備蓄(Stored)されるわけではないようで住宅のインベントリーには表示されず、精確な回数は不明です。でも10回なんてものではなく、おそらく40回は買いに来たものと思われます。服の販売を開始する前の麻と麻織物の在庫量を比較すると服は4.2製作されているはずです。その服をこの奥さん以外に買いに来たお客さんは一人だけで、それもたぶん一回来ただけ。そして最終的には露店の服の在庫はなくなり、売り切れとなりました。なので40回以上、きっと41回買いに来たのだと思われます。繰り返し繰り返し服の買い出しばかりを続けていたので、とうとう村長さんのお宅では食べ物の在庫がゼロになってしまいました。この時村長さんは役場で勤務中で、どうなるのかなと心配しましたが、奥さんも食べ物がないことで正気を取り戻し、この時ばかりは買い物カゴを持って出てくれました。飢え死にはさけることができました。


村長さん一家は村で2番目に裕福なお宅だったのですが、この服の買い出しにより所持金が75.81→40.86と激減してしまいました。40以上の所持金はまだまだ村の中では中のクラスにあたるので、これでも経済的に困ることはないでしょうけどね。さて、この買い物は何を意味しているのでしょうか?この買い物の前後で特にこの奥さんや村長さんの服装が変化したようには見えませんし、住宅の外観にも変化なし。このゲームには買い物依存症が設定されているのか。それともバグ的な挙動なんでしょうかね。


追記:売り切れていた服ですが、1726年になって生産できた分を露店に出してみたところ、やはり村長の奥さんにほとんど買われてしまいました。バグくさいかな。

Ostriv  露店へ子どものおつかい

ここはうちの村の村役場前広場です。村役場(Town hall)に用のある人は村長しかいませんが、井戸(Well)に水を汲みに来たり、露店(Market stall)に買い物にやって来る人は多く、広場にむけて踏み分け道が集まってきています。また今は農閑期なので職にあぶれた4人がたき火(Camp fire)を囲んで歓談中です。


さて、この露店ですが、ゲームを始めた当初はその存在意義が理解できませんでした。スタート時にシステム側の指示通り製材所を建て林業労働者(Worker)を募集するとすぐに応募があります。彼らはさっそく木を伐り倒して、最初は木材(Wood)、ついで薪(Firewood)と生産してゆきます。薪ができあがると、待っていましたとばかりに奥さん連中が薪を買いに製材所に集まります。その後も薪がなくなると、奥さんたちは製材所に買いに来ていました。ゲーム開始後一年目は薪しか買ってくれないので、消費者が生産施設に足を運んでくれるなら露店を設置する必要なんてないんじゃないかと感じたのです。しかも、露店を設けると、その店番(Worker)を一人雇わなければなりませんから、村財政のきびしかったあの頃はできれば露店なしで済ませたいと感じたわけです。

ところがある時点、2年目に入ってからだったと思います、薪が不足している家庭があるというメッセージが表示されました。チェックしてみると、たしかに一軒の薪在庫が0になっていて、これを放置すると離村につながりそうだなと感じて露店を設置してみると、すぐに薪の買い物にやって来ました。露店なしで生産施設から直接、消費者が買い物してくれるのはゲーム始めて一年目だけの特典、開発者の親心なのでしょう。

なお、露店の店番(Worker)は男女ともに従事することが可能ですが、女性の職場が限られているこのゲームですから、この店番の職には女性だけが就けるよう設定しました。また露店にやってくる買い物客ですが、この図のように行き帰りに買い物カゴをもっている場合は食品の買い物で、手ぶらでやって来る場合は食品以外(今のところほとんど薪)の買い出しのようです。また手桶を持ってきた場合には井戸で水くみですね。


子どもは何歳から仕事に就ける、つまりWorkerやLaborerとして働けるようになるのでしょうか。うちの村でいちばん大きな子はまだ8歳ですが仕事には就いていません。今後の動向に注目です。ただ仕事には就けないものの、お手伝いはするようです。この子は7歳ですがジャガイモ0.1をいれた買い物カゴをもっての帰宅途中です。この子のお宅は両親ともに牛舎の飼育員(Worker)で常勤労働者です。日雇いの人たちとは違い、常勤だと買い物に行く余裕があまりないから、お子さんが出ているのでしょう。


このゲームの買い物カゴ、つまり18世紀ウクライナの買い物カゴは日本の昭和時代の買い物カゴと似てますね。ああいった買い物カゴ、21世紀になるしばらく前からほとんど目にしなくなったので、若い人たちはご存じないかも知れませんが、昭和の日本のが主に合成樹脂製だった点を除くとかたちはそっくりな気がします。

2019年3月24日日曜日

Ostriv  漁業

漁師河岸(Fishing dock)から漁に出るには舟(Boat)が必要です。漁につかう舟は、舟大工(Boatyard)で作られます。漁師河岸(Fishing dock)から注文すると舟大工が製造を開始することができるようになります。漁師(Worker)は舟で川に出かけ、一日に0.1~0.2の魚を持ち帰ります。

舟をクリックするとウィンドウの上部に青いバーが表示されます。漁をするたびに減って行くので耐久度をあらわしているのだと思われます。でも、この青いバーが減って全部黒くなってしまっても、舟が使えなくはなりませんでした。耐久度は実装したが、使用不能にするルーチンは未実装ということなんでしょうね。

漁師河岸(Fishing dock)で魚の干物(Dried fish)を製造するには塩が必要です。仕込みには魚0.5と塩0.3を使用し、数日後に魚の干物0.5ができあがります。仕込めるバッチ数は漁師河岸(Fishing dock)に割り当ててある漁師(Worker)の人数までです。仕込みを終えて製造が始まったら、Workerを解雇しても干す工程は自動的に進行します。夏の農閑期には漁に従事させながら干物にさせるのがいいかもですね。また冬の川面が凍っている期間でも干物の仕込みは可能です。





Ostriv  人口の社会増と自然増

Alpha 1 Patch 8という現在のOstrivには人口の自然減がまだ実装されておらず、次回のアップデートで死亡と墓地が導入されるそうです。

人口の自然減は実装されていて、初年度に雪が降る前に住宅を用意できないと去ってしまうそうです。農奴ではないから去就の自由は確保されているわけですね。

人口の自然増は、入植後3年目に7人、4年目に2人と出産ラッシュをみました。スタート時は子ども2人、つまり子持ちの家庭が2つと夫婦のみの家庭が7軒だったのですが、現在では全部子持ちで3人か4人家族です。一つの家庭の中の子どもの数がどこまで増えるのか、5人6人7人家族もうまれるのかといった点はもっとプレイして見ないと不明です。ただ、出産ラッシュの開始が3年目だった点には作者の親心を感じます。農地からの収穫が得られるまで人口増は控えておくような設定がされていたのではないかなと。

このゲームでは村人個々の情報画面でだれが妊娠しているかが分かります。ただ、個人個人をクリックしないと表示されない画面なので、できれば住宅をクリックしたときの画面から表示できるようにしたり、一覧表みたいなものの実装が望まれます。また、妊娠の場合1~9ヶ月と月数まで表示されます。妊娠検査薬もない時代なのに、なぜ妊娠1ヶ月が判明するのかは謎ですが。また妊娠しても労働能力には変化がないようで、9ヶ月の妊婦さんが鋤に乗って元気に耕起作業に従事していたり、また重い収穫物を畑地から農場まで運んだりとふつうに作業しています。

社会増の方ですが、うちの村では一軒だけ。前回のエントリーで紹介したTryhub一家です。2年目の初収穫後に試しに住宅を一軒建ててみたところ、即座に入植者のあることが表示されました。電信があるわけでもないのに住宅が建った直後に入植するとは、いったいどうやって情報を得てどこからやって来たのかは謎です。ただ、一家4人が実際に村人に姿を見せたの数日後で1頭だて四輪馬車に乗ってお出ましでした。いまのところこのゲームの中で唯一見かけた馬車でした。

この図では人口の年齢分布の下にある横に長い棒グラフが雇用の状態を表しています。緑は常勤、黄色は日雇い、トリミングしたので右端にちょっとだけ見えている黒があぶれている人たちです。又その下の太めの棒グラフは家庭ごとの所持金額の分布です。5~20の緑はTryhub家一軒で、100以上の赤はProberiy家一軒です。

RedditでOstrivのsubredditをみると人口を200人以上にしているプレイヤーもいました。本格的な経済の調整はまだまだで、食べ物にもお金にも困らない現状では、マップ上に未墾地が残っていればいくらでも人口を増やせそうではあります。でも私は小国寡民を眺めていたり、マイクロマネージメントの方が好きなのでこれ以上の社会増は予定していません。この後もプレイし続ける根気があれば、この村生まれの子どもたちが大人になる頃に住宅を増やしてどうなるのか見てみたい気はしますが。

Ostriv  財政

Ostrivの村は一つの企業体で、住宅も農地も農場も各種生産施設も倉庫もぜんぶ村が所有しています。人民公社とかソフホーズ、日本やヨーロッパの中世の荘園にも似ているのかも知れません。ただ、そのどれもがちょっと違う。荘園なら収穫物のかなりの部分を領主に収めなければならないし、人民公社やソフホーズでも国家に対する納付金みたいなものがあるでしょう。でもOstrivの村の世界にはいまのところ年貢も税金も納付金も存在しません。

村の財政状況は図のようになっています。これ、ゲームの中の財政(Economy)の表から拾った数字なのですが、元の数字自体、細かいところで計算が合っていません。例えば、1723年以降は住宅の数が10軒と一定なので、毎年の家賃収入も一定でないとおかしいのにそうなってはいません。でも概要を知るには充分だと思うので紹介します。

住宅の家賃(Housing rent)は一軒あたり毎月0.3と初期設定されています。将来、住宅の種類が増えると住宅の等級ごとに複数の家賃が設定されるようになるのかも知れませんが、いまのところ外観の違いにかかわらずどれも1ヶ月0.3です。お金1が千円弱という想定が正しければ、毎月の家賃は300円ということになり、むかしむかし私が学生だった頃、大学構内にあったおんぼろの学生寮の寮費なみですね。

村民への販売代金(Local sales)は、薪と食品を販売して得る収入です。村人たちはスタート時にだいたい一年半分の食糧を持ってきていますから、一年目は薪の販売による収入のみでした。

一年目の輸入(Import)はウシ5頭分(雌牛2、雄牛1、去勢牛2)の代金。その後は塩(魚の干物づくりと皮なめしに必要)やライム(皮なめしに必要)を輸入しています。

給与(Salary)は村民に支払った給与です。初期設定ではWorkerの月給が2.5、Managerの月給が3.75とされています。スタート時から村長(Mayor)がいるのですが、きっと村長の月給もManagerと同額なのではないでしょうか。必要時に雇われる日雇い労働者(Laborer)の給与は出勤時のみ支払われているのでしょうね。

使者派遣費(Messengers)は牛を買い付けに隣村に派遣した使者の費用です。交易所を建てて交易所長(Manager)を雇っておくと、3つある隣村のほうから時々使者が派遣されてくるので、その際に売買を申し入れればこちらから使者を派遣する費用は必要なくなります。また交易所を建てる前、使者を派遣するには村人の誰かが出向かなければならないだろうと思っていたのですが、その必要はなくバーチャル使者が行き来してくれます。また輸出入にもこちらで輸送手段を用意する必要はなく、隣村の方から2頭だて四輪牛車(積載量10)がやって来て商品を搬入したり搬出したりしてくれます。

所持金1000でスタートし、一年目は出費ばかりが嵩んで大赤字でした。年末までには3分の1も支出してしまい、このゲームは経済的にシビアだなとこの頃は感じていました。しかし2年目以降は輸出が順調に増えて、もうお金の心配はなくなりました。まだまだアルファですから今後、調整されるでしょう。

プレイできるマップは3つしかなく、そのうちの1つでしかプレイしていませんが、今のうちの村には隣村が3つあり、村ごとに買ってくれる商品、売ってくれる商品が違い、それぞれ2~3アイテムが提示されます。このマップで輸出できる商品はジャガイモ(Potato)、魚の干物(Dried fish)、靴(shoes)、ヒマワリ油(Sunflower oil)など。未加工品を売るのはつまらなかろうと考え、ヒマワリ油の輸出を目指したのが大正解。ヒマワリ1を搾油してヒマワリ油2を得ることができ、ヒマワリ油1の代金が18ですから、1つの畑地1シーズンで得られる20超のヒマワリが360以上の輸出収入につながりました。きっと今後のアップデートで変わるでしょうが、現在のバーションでは隣村の売ってくれる商品の品揃え、買い入れてくれる商品のリストともに5年経っても変化なしです。

村の財政は安泰となりましたが経済的な心配がないかというと大ありです。この図は2軒の家族の経済状態を示したものです。左のTryhub家は所持金が6.00しかありませんが、右のProberiy家は130.16と、20倍の経済格差があります。なぜこんなことになったのか。


右のProberiy家は草分けの9軒のうちのひとつで、スタート時に一年半分の食糧を持っていました。つまり一年は食品を購入する必要がなかったわけです。それに加えて夫のBlahomyrさんは交易所長が仕事です。常勤職でしかもManagerですから月に3.75の高給取りです。奥さんも村の広場にある露店の販売員で常勤職に就いています。また子どもさんもスタート時は1人で、8ヶ月前に娘さんが生まれて4人家族になりましたが、食品を購入するようになってからも1年近くは食費が3人分だけで済んだことも大きかったと思います。

それに対して左のTryhub家はこの村に1軒だけの中途入植者です。移住してきたときから4人家族で、持参した食品も当座の量だけでした。またやって来たときから4人家族で、食費は4人分。しかも常勤のポストは草分けの家々の人で埋まっていて、夫婦ともに日雇い労働者でした。初年度の村財政の悪化に驚き、プレイヤーが日雇い労働者の雇用数をなるべく減らす方針をとっていたこともあり、二人とも職にあぶれていた期間がかなりあったことでしょう。たしかやって来た時の所持金は11ちょっとでした。たまたまその所持金が4台にまで低下していることに気づいて、奥さんの方を農場の常勤労働者におしこみましたが、順調に所持金が増えるといった感じではありません。

1724年の村人の給与収入は500.5だったのに対し、家賃35.01と薪、食品の購入費386.5を足すと420ほど。村人の家計は総体としてみれば年に80くらいの黒字を出していますが、夫婦二人が常勤の家庭と0~1人しか常勤者がいない家庭とがあることを、赤字の家庭が存在していることは否めません。

このゲーム的には村役場(Town hall)を建設すると家賃と給与の額、販売する消費物資の価格を増減することができるようになります。村の財政は黒字ですから、家賃と物価を大幅にひき下げることが一つの対策になります。ただそれでも貧富の格差の解消にはつながらないのではないでしょうか。累進課税制の所得税制度と児童手当制度の導入を希望したいものです。


ただそれだと、未来の理想のコミューンのシムみたいになっちゃうかな。それよりも、五公五民くらいの年貢を導入して、村の財政をカツカツに。家賃引き下げ、物価引き下げ、賃上げ、福祉施策なんて余裕はなく、村人の貧富の格差は開くばかり。そのうち不穏な状況が広まり、革命党の出現につながるなんていう方が正統派18世紀シムとしてはふさわしいかも

Ostriv  畜産

農地の肥沃度維持に欠かせないウシたちですが、ウシには雌牛(Cow)、雄牛(Bull)、去勢牛(Ox)の3種類があります。去勢牛は2頭一組で鋤の製作に用いられ、鋤をつけられた去勢牛は牛舎ではなく農場で管理されます。牛舎(Cowshed)では雌牛と雄牛が飼われ、労働者(Worker)がウシたちの面倒を見ます。夏は放牧しておけばいいだけですが、11月から2月いっぱいまでは牛舎に収容し干し草と水を与えることが必要になります。うちの牛舎の近くにも井戸(Well)と干し草置き場(Hay barrack)を用意しました。ただ、使ってみると水や干し草の補充がそれほど頻繁ではないことが分かったので、もっと離れた場所にあっても良さそうです。

牛舎の労働者(Worker)には女性も男性も就くことができます。農場のところで説明したように、女性の職場が限られているゲームですから、なるべくなら雇用設定(Hire options)で女性だけが就職できるようにしておくべきでしょう。

労働者の仕事ですが、水と干し草の世話のほかに、春先ウシたちを放牧地に連れ出す、11月にウシたちを牛舎に収容する、新たに加わったウシ(新生牛)を群のところに連れて行く、そして乳を搾るといったところです。

ミルク(Milk)の生産ですが、大人の雌牛は毎月0.5のミルクを生産してくれるているようです。ただ、ずっとこれだけを観察していたわけではないので、必ずしも精確な数値ではないかも知れませんが、そうはずれてはいないでしょう。また生産されたミルクはミルクのままいつまでも保存できます。将来的には、腐敗やチーズなどへの加工が導入されるのでしょう。

ウシの繁殖はかなり順調で、大人の雌牛は毎年1頭産んでくれています。何才から繁殖可能になるのかといった説明は与えられていませんが、感じとしては2才になるとコウシを産むことができるようになっているようです。また、雄牛の方は牛舎に1頭いれば充分です。最初の年の秋に雌牛2頭と雄牛1頭を輸入しましたが、うちの村で生まれた雌牛ももう繁殖可能となるものがでてきていて、まる3年で合計11頭にまで増えました。牛1頭の代金はたったの35で、こんなにどんどん殖えてくれることを考えると値段の設定が低すぎですね。

図の牛舎には雄牛が4頭います。1頭いれば繁殖には充分なんだからあとはどんどん肉と皮になってもらえばいいのではとお考えになりますか?たしかにそうなんですが、去勢牛の補充も考えなければなりません。4シーズン合計で12回の耕起作業に従事した鋤の耐久度は半分以下に減少しています。20回くらい耕起作業を行うと耐久力がゼロになるのではと思われます。耐久度がゼロになったとき、鋤の部分だけが壊れてしまうのでしょうか?それとも鋤と去勢牛の両方とも消滅してしまうのでしょうか?何となくゲーム的には後者のように設計してある気がするのですがどうでしょう?その時になってみないと分からないので、繁殖用と去勢して鋤労働用とで雄牛も3頭は確保しておくべきかなと感じるのです。

追記:鋤のカラータイマー(青いバー)は21回目の耕起作業中にゼロになりました。最大規模の畑地21回分の耕起作業で耐久度がゼロになることは分かりましたが、耕起させる畑地の規模がもっと小さければもっと多い回数の耕起作業が可能なのかも知れません、今のところは不明です。また、耐久度はゼロになりましたが、これにより鋤が消滅したりはしていません。新たに畑地を作って指示してみると、まだ使えました。漁に使う舟と同様、使えなくするルーチンが未実装なのでしょう。
ウシの繁殖が順調なので、牛舎は2つにしました。一つの牛舎で放牧できる畑地は一つですが、2つなら2つ。畑地は全部で5つ設定して、2つは放牧、3つは農作業用としました。畑地をもっと増やすのは人手的に無理。また数を増やすほど、農場からの距離が遠くなってしまいます。畑地での播種や収穫は、自宅から農場に出勤し、農場から畑地に歩いて移動し農作業に従事するといった感じですから、あまり遠いと移動にばかり時間をとられてしまうことになります。

Ostriv  肥沃な農地


農地には肥沃度が設定されています。肥沃度(最高は100%)は赤、緑、青の3要素から構成されていて、図の例は栽培を2年続けた後なので赤が30%、緑が58%、青が78%とかなり低下しています。肥沃度が3つの要素から構成されているのは、肥料の3要素である窒素、リン、カリを意識したものだと思います。それなのに、窒素、リン、カリではなく赤、緑、青で表現したのは、ゲーム中の作物ごとに設定された栄養要求性が現実の作物の栄養要求性と異なっても違和感を感じさせないようにという意図なのでしょう。


作物を栽培すると図のように土壌の肥沃度は低下します。作物ごとの栄養要求性の違いにより、ジャガイモよりもヒマワリの方が栽培後の土壌の劣化がより強烈になっています。この低下した肥沃度を回復させるには、(1)休耕、(2)鋤で耕起する、(3)放牧の3つの方法が用意されています。休耕はまだ試したことがないのですが、鋤で耕起するとたしかに肥沃度は回復しました。ただ栄養要求性のもっとも穏やかな方のジャガイモ栽培後土壌でも100%にまで回復することはありません。それに対して激しく劣化したヒマワリ栽培後の土壌でも放牧により100%にまで回復しています。この例では放牧開始後2ヶ月半ほどで100%にまで回復したので、放牧の期間が10ヶ月あることを考えると、どんなに劣化した土壌でも1シーズンの放牧により100%にまで回復させることが可能だと思われます。

ところで、肥沃度100, 100, 100の畑地と、一回栽培した後の肥沃度71, 78,100という畑地とでは作物の収穫量に差があるでしょうか?こう考えるのも、ゲームに肥沃度を取り入れる方法には以下の2通りがあるのではと思うからです。1つめの方法は、ある程度、肥沃度の低下した畑地でも100%の肥沃度の畑地と同じ量の収穫がある。作物が1シーズンに吸収する栄養を提供できないほどに肥沃度が低下して初めて終了に影響が出始める。2つめの方法は、少しでも肥沃度が低下した畑地はその程度に応じて収穫量が低下し始める。私がこのゲームの作者で肥沃土をゲームに実装するとしたら前者を選択したいと思いますし、このゲームの作者もきっとそちらを選択しているのではないでしょうか。

以下、そう考える理由です。前述のように、このゲームには肥沃度の回復方法として前述のように(1)休耕、(2)鋤で耕起する、(3)放牧の3つの方法が用意されていますが、一回栽培した後の農地を完全に回復させるには(2)鋤で耕起するだけでは不十分です。(1)休耕はまだ試していないので不明ですが、(3)放牧ほどの効果を期待できないのは確かでしょう。きっと、一回栽培した後の農地なら100%に回復させることができるかもしれませんが、2シーズン続けてつかった農地の100%回復は無理なんだと思うんですよね。毎シーズン可能でお手軽だが回復量の少ない鋤での耕起、1シーズン棒に振るが回復量アップの休耕、1シーズン棒に振るし牛も必要となるが回復量最大の放牧という感じに、3つの回復方法それぞれに個性を際立たせておく。それでいて回復量最小の鋤での耕起にもメリットを見いださせるためには、たとえ100%まで回復させることはできなくても、収穫量の減少には至らないという肥沃度の設定の方がスマートでしょう。


Ostriv  農作業を始めるに当たって

9家族分の住宅が用意できたら、その次は農場(Farm)です。雪解けの翌年3月には早速、農作業を開始できるようにというわけです。農作業は鋤で耕起(Plowing)→播種(Sowing)→成長期(Growing)→完熟期(Ripeness)→収穫(Harvesting)という順番で進みます。鋤を制作するのは大工工房(Carpentery ママ)ですが、木材のほかに2頭の去勢牛(Oxen)が必要です。私は、3月になる前に鋤をつくらねばと、農場のあとに急いで牛舎(Cowshed)を建設し、さらに牛の輸入をはじめ諸アイテムの交易に必要な交易所(Trading post)の建設を急ぎましたが、これは悪手でした。

というのも農場のtool tipには鋤をかけると土壌の肥沃度を回復させるのに役立つと書かれてあります。処女地、つまり3種の栄養(nutrient)とも100%そなわっている初回の農作業には鋤をかけることが不要なのでした。鋤をつかうと播種が耕起に要する時間(半月弱くらい)だけ後回しになり、成長期もそれにつれて短くなってしまうのでかえって有害だったかなと反省しています。まあ今回は去勢牛だけではなく雌牛(Cow)、雄牛(Bull)もいっしょに購入したので、牛の繁殖やミルク(Milk)の入手も早めることができたの悪いことばかりではなかったのですが。


農場で働くのは、農場事務職員(Manager)、常勤農業労働者(Worker)と日雇い農業労働者(Laborer)の3種類。事務職員はデスクワークだけしているようで、農地には出てきません。でもこの人がいないと農繁期に日雇い農業労働者を募集することができません。この図には日雇い農業労働者の採用枠が24個も表示されていますが、農閑期にはゼロなのです。播種と収穫の時期に必要な人手の数だけこの枠を設定するのが事務職員の一番大切な仕事です。事務職員はほかに、畑地の輪作の順序などを管理してくれるそうですが、これはプレイヤーが管理した方がいいような気がします。

常勤農業労働者は農作業と鋤につながれている去勢牛への餌(干し草)やりを担当します。日雇い農業労働者(Laborer)は他の施設のLaborerとは違って農場へのアイテムの運搬が仕事なのではありません。播種、収穫、収穫物の農場への収納を行います。18世紀という時代を反映して、他の多くの生産施設で働くことのできる労働者(Worker)は男性だけとされています。農場は事務職員にも常勤農業労働者にも日雇い農業労働者に女性が採用できます。女性の労働力の有効活用のためにも雇用設定(Hire options)のボタンから、事務職員と常勤農業労働者には女性だけを採用するように設定しておいた方がいいと思います。

一年目は支出ばかり多くて手持ちのお金は減るばかり。少しでも支出を減らすため、農閑期(夏の成長期・完熟期と、秋の収穫後から翌年春の雪解け前まで)には常勤労働者一名だけを残して事務職員と2人目以降の常勤農業労働者は解雇してもだいじょうぶでした。ただ農繁期が始まるまでには再雇用しておくという手間は必要ですが。

農場には畑地を複数附属させることができます。私は最大規模(収穫の期待最大数量44-45くらい)の畑地を3つつかうことにしました。秋になって収穫量が判明すると、だいたいこれで充分なことが分かりました。よくばって4つめというのは、一年目の村の人口で用意できる働き手の数を考えると欲張りすぎでしょう。

作物はジャガイモ(Potato)2ヶ所とヒマワリ(Sunflower)一ヶ所。食糧はジャガイモの他に小麦(Wheat)を選択できますが、小麦は食べる前に風車(Widmill)で粉(Flour)にしなければならないので、ジャガイモにしました。村人たちが入植時に持ってきた食糧がいつまでもつのか心配で、なるべく早く食べられる方を選択したわけです。ヒマワリの方は搾油所(Oil workshop)でヒマワリ油(Sunflower oil)に加工します。

入植時に持ってきた食糧の数は、new gameをなんどか選択して調べてみると、ジャガイモと小麦粉の合計で2人家族だと3.06~3.12、3人家族だと4.56~4.70といったところでした。実際にプレイしてみると2年目の秋の収穫期まで、ミルクを買う家族はありませんでした。3月に開始して翌年の8月末にはジャガイモが農場に搬入され始めましたからこの量で一年半もつわけですね。村人たちの一日・一月・一年あたり食糧消費量はどこにも記載がないのですが、上記からおおむね一年半にひとりが1.5の食糧、一年だと1を消費する感じです。

このゲームの諸アイテムやお金には単位が付されていません(もしかすると将来的には単位が付されるのかもしれませんが)。同じ数量でもアイテムの種類ごとに重さや容積は異なるからなのかなと思います。丸太(Log)1と魚の干物(Dried fish)1はきっと重さも大きさも異なるでしょう。

でも、現状で例えば小麦について考えてみると、まず同重量の小麦一年分とコメ一年分はだいたい同じくらいの栄養量(供給できるカロリー)でしょう。江戸時代には米一石で成人一年分だとよく言われていたので、このゲームの小麦1も米一石と同じ150kgくらいにあたるのかなと思います。小麦1の値段は10です。小麦の政府売り渡し価格というのをググってみると、5銘柄加重、1トンあたり平均55560円だそうで、150kgだと8334円になります。小麦換算だとこのゲームのお金10の価値は8334円、お金1は834円で千円一枚よりちょっと少なめといえますね。

ところで一年目の収穫の方はどうだったかというと、途中から村人が購入し始め精確な収穫数量は不明ですが、 畑地2つでジャガイモが50台でした。一つの畑地の収穫の期待最大数量44-45からすると畑地2つで50台というのは期待よりはるかに少ない成績でした。土壌の肥沃度の点に不足はなかったわけですから、もっと多くの人手を用意できもっと短期間に播種を済ませることができ村であれば、一つの畑地で30台の収穫が可能かも知れません。でも初期配置の9家族分なら50台の収穫で充分です。またヒマワリの方は畑地一つで、しかもジャガイモより後に播種するよう指示してあったので20台前半の成績でした。

Ostriv  一年目の春から夏に

プレイを始めて最初の一年目はとても忙しい思いをします。勇んで入植地に乗りこんでテントをはり、たき火を囲んでくつろいでいる村人たちですが、このテントは暖かい季節用。雪が降れば中で薪を焚いても寒さをしのげないようで、テントのtool tipには冬の前に住宅を用意しないと村人は去っていってしまうと書かれています。スタートは3月で、12月には雪景色になってしまうので、9ヶ月間で9家族分の住宅9軒を建てる必要があります。しかも住宅の建設につかう木材、釘、茅葺き用の茅(Thatch)は充分な数が用意されているわけではないので、製材所(Forestry)、茅加工所(Thatchery) 、鍛冶屋(Smithy)も建設することが必要になります。まずは画面の指示に従って製材所の建設から始めますが、2番目には大工工房(Carpentery ママ)をオススメします。


このゲームの労働者にはWorkerとLaborerの2種類があります(あと管理職Managerというのもある)が、Workerの方はその職場の常勤労働者で、Laborerの方は臨時雇いという感じでしょうか。農場のLaborerは臨時に雇われて播種や収穫などの農作業もしますが、その他ほとんどの施設のLaborerは建設資材・資材・製品の運び屋さんです。

この図は風車(Windmill)の建設の様子です。風車の内部には製粉の機械が収められているようで、完成すると製粉所として機能します。製粉を始めると、風車の労働者(Worker)はまず風車基部の後ろ側にある木の棒をもちながら風車の向きを変えます。この風車には自動的に風上に向く機構はとりつけられていないように見えますから、まず人力で向きを転換させているのでしょう。まったくこのゲームの作者は芸が細かい。小麦1は製粉されると小麦粉1になります。

建設現場では建設資材の不足がしばしばです。建設資材をすべて揃えてから建設にとりかかってくれればいいのですが、このゲームのAIはそうなっておらず、現場に少しでも建設資材があると我もわれもと建築職人(Worker)の方になりたがります。現場にある建設資材の数量が1人のWorkerの一日仕事には充分であっても、多人数でかかるとあっという間になくなってしまいます、しかも建設資材がなくなると今日の仕事は終わったといってみんな帰宅してしまうので、能率の悪いこと夥しいのです。自宅を出る際、現場に建設資材がないことに気づけば、仕方がないかといった感じに運び屋(Laborer)の役割を選択してくれます。現場に建設資材のないその間に、なるべく多くの出勤者に運び屋(Laborer)役を選択してもらうためにも、資材を運ぶために使う荷車(Cart、昭和のリアカーよりも江戸時代の大八車の方が近い感じ)が一輌でも多くあった方がベターです。スタート時点で荷車は3輌配備されていますが、これを4輌にひとつ増やすだけで能率がかなり向上するように感じました。

荷車は大工工房(Carpentery ママ)で製作されますが、制作に着手するにはまず荷車駐車場から発注する必要があります。初期配置の仮設荷車駐車場(Camp cart parking)には3輌までしか駐車できず、初期配備の3輌ですでに満杯なので、製作を発注することができません。あらたに正規の荷車駐車場(Cart parking)を設置してこちらから発注します。この荷車駐車場の設置には建設資材が不要でワンクリックで完成します。

なお、知っておくべきこととして建設現場の運び屋(Laborer)稼業に従事できるのは男性だけという制限があります。これは女性が荷車をひけない設定にされているからのようです。運び屋(Laborer)さんには荷車で運ぶ設定(by cart)と手で持って運ぶ設定(by hands)とがあります。おおむね他の施設では資材の運搬手段(Resource supply)というボタンでそれを選択できるのですが、建設現場のウィンドウにはそのボタンがなく、手で運ぶという設定がデフォルトで無効にされているので、荷車の使えない女性陣は建設現場へ運び屋(Laborer)稼業に従事できないのだと思われます。

建設現場でつかう建設資材のなかでは粘土(Cray)の不足がもっとも目立ち、ついで木材(Wood)となります。使用する数量的には木材(Wood)の方が多いことがほとんどですが、木材は荷車に5まで積めるのに対して、粘土は2までしかつめないことが影響しているのだと思います。ともあれ、荷車駐車場と製材所と粘土採取の窪地(Cray pit)は隣り合わせにするくらい近くに設置しておきましょう。

大工工房ができたら、茅加工所(Thatchery) 、鍛冶屋(Smithy)を建設し、茅や釘を用意しながらおもむろに住宅建設というのがいいのではないでしょうか。それと、来年の春になる前、最初の冬の前後に家畜の購入をお考えでしたら、刈った牧草の干し場(Hay dryer)と干し草置き場(Hay barrack)を初夏には建てておきましょう。この2施設の設置も建設資材が不要でワンクリックで完成します。よほど多数の牛を輸入するのでなければ、当面は一つずつで充分です。

Ostriv  Banishedの進化形

Ostrivのプレイを始めました。このOstrivはウクライナのYevheniyさんが余暇に1人で2014年から開発を始めたゲームで、最近ではお仲間も参加しているとのこと。2年ほど前にどこかのサイトでその存在を知りグラフィックの美しさには感心したのですが、ゆっくりした開発の進み具合が気になり購入には至っていませんでした。しかし、先日のPC gamerに掲載されたプレイレポートがおもしろく書かれていて、背中を押されてしまった感じです。お代は20ドルだったのですがエールを送る意味も込めてチップを1ドルはずみました。


さてどんなゲームなのかというと、進化したBanished。ゆるやかに流れる小川と点在する林に彩られるなだらかな草原を、若い9家族が開拓してゆきます。ご覧の通り、家や施設はグリッドに添う必要がなく、急斜面には建設できないなど地形による制限はありますが、自由な向きに設置できます。また現在のところ畑は長方形ですが、つぎのパッチでより自由な多角形(周囲の柵は直線状)を選択できるようになるそうです

また魅力的なのは道です。プレイヤーが道の建設を指示するのではなく、村人たちが頻繁にあるくところには草が生えなくなり、自然と道ができてきます。村の中心部には入植時からキャンプファイヤ(Camp fire)と井戸(Well)があり、それに加えて露店(Market stall)を設置したので、村人がしょっちゅう行き来します。村人たちの家々の玄関口から村の中心部にかけてははっきりとした踏み分け道ができています。さらに、村を外部とつなぐ街道へも、他の村からきた荷車によって道ができてきました。開拓シムでの道のあるべき姿だと感じます。

この踏み分け道と草の生えているところとで歩く速度や荷車の移動速度が異なるのかどうかはじっと眺めていても判然としません。もしかすると現状では違いが設定されていないのかも知れませんが、草地、踏み分け道、雨でぬかるんだ道、簡易舗装といった地面の状況による速度差を将来のアップデートに期待したいものです。


美しさという点では、この水に映る建物のかげもなかなかのもので、水面の動きにともなってゆらめきます。開拓系シムにここまで必要なのかという気もしないではないですが、開発者さんの作り込みを感じさせます。

残念ながら夜の設定はないようで、あたりが暗くなったりもしません。村人はその日の仕事で疲れると自宅に戻って休養をとりますが、仕事はシフト制が採用されているという設定なのか、同じ職場の労働者でも休養をとる時間帯はばらばらです。また、冬期(12月、1月、2月)には地面が雪で覆われ白くなり、また川は凍ってしまいますが、雪が降る描写はなく、また暖期に雨が降ることも現在のところありません。

言語は英語とУкраїнська(ウクライナ語でしょうか)のみで、もちろん日本語はありません。ウクライナ語がこの作者の母語なのでしょう。仕事上、時に英語の文献を読む機会がありますが、ネイティブの書いた英語よりも、英語を母語としない人の書いたものの方がシンプルで理解しやすい傾向があると感じます。ゲーム内で表示される英文は、英語を母語としない作者によるものですから特に難しい表現はなく、理解するのに不自由することはないと思います。

例えば、ゲーム内のGranary(食品倉庫)のtool tipには、Granary workers collect chosen resources to have them stored all in one place. It’s useful to have a granary close to market.と書かれてあります。この to have them storedという言い回しには非ネイティブの書いた感じというか、なんとなく英語っぽくなさを感じてしまいます(私は中高6年間と大学の教養課程で英語の時間があっただけというへなちょこ英語力のヒトなので、お詳しい方がいましたらご教示下さい)。それでも何を意味した文章なのかは充分に伝わってきますよね。なお、Granaryを穀物倉庫ではなく食品倉庫としたのは、このゲームのGranaryには、小麦だけでなくジャガイモ(Potato)、魚の干物(Dried fish)、ミルク(Milk)など、食べられるものならなんでも収蔵できることになっているので。