2019年3月24日日曜日

Ostriv  財政

Ostrivの村は一つの企業体で、住宅も農地も農場も各種生産施設も倉庫もぜんぶ村が所有しています。人民公社とかソフホーズ、日本やヨーロッパの中世の荘園にも似ているのかも知れません。ただ、そのどれもがちょっと違う。荘園なら収穫物のかなりの部分を領主に収めなければならないし、人民公社やソフホーズでも国家に対する納付金みたいなものがあるでしょう。でもOstrivの村の世界にはいまのところ年貢も税金も納付金も存在しません。

村の財政状況は図のようになっています。これ、ゲームの中の財政(Economy)の表から拾った数字なのですが、元の数字自体、細かいところで計算が合っていません。例えば、1723年以降は住宅の数が10軒と一定なので、毎年の家賃収入も一定でないとおかしいのにそうなってはいません。でも概要を知るには充分だと思うので紹介します。

住宅の家賃(Housing rent)は一軒あたり毎月0.3と初期設定されています。将来、住宅の種類が増えると住宅の等級ごとに複数の家賃が設定されるようになるのかも知れませんが、いまのところ外観の違いにかかわらずどれも1ヶ月0.3です。お金1が千円弱という想定が正しければ、毎月の家賃は300円ということになり、むかしむかし私が学生だった頃、大学構内にあったおんぼろの学生寮の寮費なみですね。

村民への販売代金(Local sales)は、薪と食品を販売して得る収入です。村人たちはスタート時にだいたい一年半分の食糧を持ってきていますから、一年目は薪の販売による収入のみでした。

一年目の輸入(Import)はウシ5頭分(雌牛2、雄牛1、去勢牛2)の代金。その後は塩(魚の干物づくりと皮なめしに必要)やライム(皮なめしに必要)を輸入しています。

給与(Salary)は村民に支払った給与です。初期設定ではWorkerの月給が2.5、Managerの月給が3.75とされています。スタート時から村長(Mayor)がいるのですが、きっと村長の月給もManagerと同額なのではないでしょうか。必要時に雇われる日雇い労働者(Laborer)の給与は出勤時のみ支払われているのでしょうね。

使者派遣費(Messengers)は牛を買い付けに隣村に派遣した使者の費用です。交易所を建てて交易所長(Manager)を雇っておくと、3つある隣村のほうから時々使者が派遣されてくるので、その際に売買を申し入れればこちらから使者を派遣する費用は必要なくなります。また交易所を建てる前、使者を派遣するには村人の誰かが出向かなければならないだろうと思っていたのですが、その必要はなくバーチャル使者が行き来してくれます。また輸出入にもこちらで輸送手段を用意する必要はなく、隣村の方から2頭だて四輪牛車(積載量10)がやって来て商品を搬入したり搬出したりしてくれます。

所持金1000でスタートし、一年目は出費ばかりが嵩んで大赤字でした。年末までには3分の1も支出してしまい、このゲームは経済的にシビアだなとこの頃は感じていました。しかし2年目以降は輸出が順調に増えて、もうお金の心配はなくなりました。まだまだアルファですから今後、調整されるでしょう。

プレイできるマップは3つしかなく、そのうちの1つでしかプレイしていませんが、今のうちの村には隣村が3つあり、村ごとに買ってくれる商品、売ってくれる商品が違い、それぞれ2~3アイテムが提示されます。このマップで輸出できる商品はジャガイモ(Potato)、魚の干物(Dried fish)、靴(shoes)、ヒマワリ油(Sunflower oil)など。未加工品を売るのはつまらなかろうと考え、ヒマワリ油の輸出を目指したのが大正解。ヒマワリ1を搾油してヒマワリ油2を得ることができ、ヒマワリ油1の代金が18ですから、1つの畑地1シーズンで得られる20超のヒマワリが360以上の輸出収入につながりました。きっと今後のアップデートで変わるでしょうが、現在のバーションでは隣村の売ってくれる商品の品揃え、買い入れてくれる商品のリストともに5年経っても変化なしです。

村の財政は安泰となりましたが経済的な心配がないかというと大ありです。この図は2軒の家族の経済状態を示したものです。左のTryhub家は所持金が6.00しかありませんが、右のProberiy家は130.16と、20倍の経済格差があります。なぜこんなことになったのか。


右のProberiy家は草分けの9軒のうちのひとつで、スタート時に一年半分の食糧を持っていました。つまり一年は食品を購入する必要がなかったわけです。それに加えて夫のBlahomyrさんは交易所長が仕事です。常勤職でしかもManagerですから月に3.75の高給取りです。奥さんも村の広場にある露店の販売員で常勤職に就いています。また子どもさんもスタート時は1人で、8ヶ月前に娘さんが生まれて4人家族になりましたが、食品を購入するようになってからも1年近くは食費が3人分だけで済んだことも大きかったと思います。

それに対して左のTryhub家はこの村に1軒だけの中途入植者です。移住してきたときから4人家族で、持参した食品も当座の量だけでした。またやって来たときから4人家族で、食費は4人分。しかも常勤のポストは草分けの家々の人で埋まっていて、夫婦ともに日雇い労働者でした。初年度の村財政の悪化に驚き、プレイヤーが日雇い労働者の雇用数をなるべく減らす方針をとっていたこともあり、二人とも職にあぶれていた期間がかなりあったことでしょう。たしかやって来た時の所持金は11ちょっとでした。たまたまその所持金が4台にまで低下していることに気づいて、奥さんの方を農場の常勤労働者におしこみましたが、順調に所持金が増えるといった感じではありません。

1724年の村人の給与収入は500.5だったのに対し、家賃35.01と薪、食品の購入費386.5を足すと420ほど。村人の家計は総体としてみれば年に80くらいの黒字を出していますが、夫婦二人が常勤の家庭と0~1人しか常勤者がいない家庭とがあることを、赤字の家庭が存在していることは否めません。

このゲーム的には村役場(Town hall)を建設すると家賃と給与の額、販売する消費物資の価格を増減することができるようになります。村の財政は黒字ですから、家賃と物価を大幅にひき下げることが一つの対策になります。ただそれでも貧富の格差の解消にはつながらないのではないでしょうか。累進課税制の所得税制度と児童手当制度の導入を希望したいものです。


ただそれだと、未来の理想のコミューンのシムみたいになっちゃうかな。それよりも、五公五民くらいの年貢を導入して、村の財政をカツカツに。家賃引き下げ、物価引き下げ、賃上げ、福祉施策なんて余裕はなく、村人の貧富の格差は開くばかり。そのうち不穏な状況が広まり、革命党の出現につながるなんていう方が正統派18世紀シムとしてはふさわしいかも

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