2011年3月4日金曜日

低高度からの航空攻撃に関する検証と結果

The War Roomに低高度(6000フィート未満)での航空攻撃に関して検証した人のスレLow level bombing-some observationsというスレがありました。連合軍側の飛行機が対象なので、日本側が攻撃に利用できる情報は少ないかも知れませんが、受け身の側が知っておいても役立ちそうなので、訳してみました。間違いがあったら教えてください。訳し終えてからこのスレをみたら、具体例を挙げた質問などのレスが複数ついていました。興味あるテーマだからでしょうね。
低高度での戦闘機と戦闘爆撃機とattack bomberと水平爆撃機について、主に機銃掃射が機能しているのかどうかと、低高度で攻撃させる意味があるのかどうかを確かめるために、簡単な検証をしてみた。いろんな機種をつかい、高度は100フィートと1000から6000フィートまで変えてみた。対象としては、開けた土地のヘクスにいる日本の戦車連隊、AAユニットのいない飛行場、小さなAAユニットのいる飛行場、3隻のDDと少数のxAKLからなる小さなコンボイの4つを実験してみた。 
観察結果を以下にお示しする。この検証はごく初歩的なものなので、忌憚のない意見を寄せて欲しい。 
まず、一番重要なことだが、機銃掃射は機能している。実験前には確信がなかったが、爆弾を搭載しないヘルキャットでも、三種類の目標のすべてにダメージを与えることができた。ただし、たくさんのダメージという訳ではなかったが。 
基本的な条件の設定だが、エディターを使って、各飛行隊は機種ごとの標準的なスキルを70にした。エディターがどのスキルを標準的なものと設定するかは機種ごとに異なる。戦闘機と戦闘爆撃機はAirスキルとStafスキルが平均70で、その他のスキルは30台になる。attack bomberはLowG、LowNとhigh bombingスキル(訳注:GrdBだけか、GrdBとNavBの両方か、この書き方でははっきりしない)、Stafスキルがすべて70前後になる。水平爆撃機はhigh bombingスキルだけが70程度。戦車部隊はcombat modeに設定され、特記すべきほどのAAは所有していない。飛行場には一式陸攻56機とゼロ戦5機が駐機されている。飛行場に配置されるAAユニットには、16から18門の75mm AA Gunと1ダースほどの対空機関銃がある。目標になる小コンボイのAAは1942年なかばの標準的なものなので、大したものではない。 
大切なことだが、高度1000フィート以下に設定された戦闘機と戦闘爆撃機は、実際には高度100フィートまで降下して機銃掃射と爆弾の投下を行う。それ以外の高度6000フィート未満の設定だと、設定高度に関わらず3000から5000フィートで爆撃する。水平爆撃機は設定された通りの高度で侵入する。attack bomberは、高度6000フィート未満に設定すると必ず降下して100フィートで攻撃するが、高度6000フィート以上に設定すると水平爆撃機と同じように振る舞う。 
機銃掃射だけの攻撃に多くを期待してはいけない。Beaufighter、B25H、B25Gの武装は印象的だが、鉛の弾をばらまくだけで戦争に勝つことはできない。B25Gの75mmでさえ、駆逐艦に数発の命中があってもあるていどのsysダメージを与えることしかできない。 
100フィートという低高度の攻撃でも、ダメージを与えるのは機関銃ではなく爆弾で、うちのかみさんの口癖のとおり「大きさがものをいう」。20mm機関砲4門装備の愛すべきボーファイターも、250ポンド爆弾の威力が弱いので、機銃掃射できるブタでしかない。地上ユニットが相手でも飛行場が相手でも効果はたかが知れているので、ボーファイターをこれらの地上攻撃につかうことはお勧めしない。500ポンド爆弾を装備できる機種以外の第一世代の戦闘機を低高度地上攻撃に使用することはおすすめできない。搭載できる爆弾が大きくなるほど効果が高くなる。P39は500ポンド爆弾を装備できるおかげで、ずっと有用だ。最大の効果を発揮するのは水平爆撃機ではなく、戦争後半に出現するP38とサンダーボルトで1000ポンド爆弾を搭載できる。ただし、500ポンド爆弾を複数搭載できる水平爆撃機も良い結果をもたらしてくれるが。 
高度100フィートからの攻撃では、ともに双発爆撃機であるB25CとB25Hとの間に違いを見いだすことができなかった。無防御の戦車と無防御の飛行場に対する攻撃では、両者とも同じ量のダメージをもたらすようだ。しかし、そこに少しでも対空砲火があると、結果は劇的に異なる。例え小規模なものでも、対空砲火が存在すること自体が大きな意味を持つのだ。高度100フィートから攻撃しようとする飛行機はいずれ対空砲火の被害を受けることになる。私は各機種について10回ずつの試行(天候の影響でおおむね12日づつかかった)から、その結果を検討してみた。どの機種についても、この検証の過程で一つの飛行隊がOps loss(ふつうは対空砲火の影響によるOps loss)で3~6機も失うことが珍しいことではなかった。唯一の違いは、高度100フィートからの攻撃を繰り返すとB25Cの飛行隊はmoraleをみるみる低下させていったのに対して、attack bomberや戦闘機の飛行隊のmoraleは決して90を割ることはなかった。 
戦闘機や戦闘爆撃機の攻撃高度を3000~5000フィート程度に上げると、これらの機種の爆撃の効果は薄れてゆく(そうであって当然)。もし戦闘機に基地や地上部隊を爆撃させるなら、100フィートが選択すべき高度になる。それ以外の高度で爆撃させても意味がない。B25Cの低高度爆撃はどの高度からでも効果的だが、高度が高いほど対空砲火による被害とmoraleの低下は減少する。attack bomberは常に降下して攻撃するので、高度について選択する余地は少ない。 
70前後になるとスキルは上昇しにくいものだが、戦闘機と戦闘爆撃機はこの試行をLowGスキル30程度から始めたのでかなり上がった。StafスキルとLowGスキルが70のattack bomberと、Stafスキルだけが70の戦闘機や双発爆撃機との間に、機銃掃射の効果の差を見出すことはできなかった。高度100フィートだと、Stafスキルが最も重要になるようだ。 
しかし、問題点もある。試しにB25の高度を7000フィートまで上げて、戦車と飛行場を攻撃させてみた。驚いたことに、この高度だとattack bomberと双発爆撃機の爆撃の効果はほとんど一緒で、防御側のAAから損害を受けることがない。また、どちらの機種も15000フィートからも有効だった。そこで疑問に感じたのは、双発爆撃機をわざわざ低高度から攻撃させる必要があるのか?ということ。低高度からの爆撃の利点が私には分からないし、双発爆撃機が地上の目標を攻撃する時に本当に必要なスキルはGrdBだけだと主張したい。高度7000フィート以上で使えばいいだけの話だ。 
艦船に対する爆撃はまた別の問題だ。試行に使用した小コンボイ相手なら、どの機種も高度100フィートからの攻撃が効果的だった。7隻の小さな艦船に対して、ボーファイターでさえもかなりのダメージを与えることができた。ボーファイターは一日に2回攻撃することもあったので、日によって戦果は異なる。P39、B25C、B25H、B25G、P38、サンダーボルトのどれもが良い成績を示した。試行に使用した部隊は、爆撃機とボーファイターは16機編成で、戦闘機は24機編成だった。高度100フィートから機銃掃射と爆撃を実施すると、多数の命中が得られて3~4隻沈むことが多かった。複数の爆弾を搭載する双発爆撃機の命中数が多めだったが、だいたいどの機種もうまく攻撃をこなせる。唯一の違いは、B25HとB25Gが4機づつではなく2機ずつ攻撃し、対空砲火を制圧したというメッセージが頻回に表示されたことだ。試行に使った小コンボイはどっちみち大したAAを装備していなかったし、この試行ではどの機種も対空砲火の被害をほとんど受けなかったので、対空砲火を制圧することに意味があるのかどうかはよく分からない。注意すべき点は、戦闘機と戦闘爆撃機の場合には対空砲火を制圧したというメッセージが表示されることはなく、attack bomberだけが対空砲火を制圧できるということ。対空砲火の制圧は好ましいことで、低高度で攻撃する機種が前方を指向した火器を装備していれば、機種に関わらずこの効果を得られる仕様が望ましいと思う。そういえば、attack bomberが地上の対空砲火を制圧したというメッセージは見たことがない。また、スキップボミングも目にしなかったが、この検証が1942年半ばという設定で実施されていて、スキップボミングはある時期以降に可能となる仕様となっているのかもしれない。通常の爆撃にしろスキップボミングにしろ、命中した爆弾は効果を発揮する。 
スキルを50くらいまで下げた部隊を用意して対艦攻撃をさせてみた。スキル平均が50の部隊でもしっかり艦船を叩いてくれた。一般的に、StafスキルとLowNスキルを70まで上げなければいけないと信じられているが、それは俗説に過ぎない。Stafスキル70、LowNスキル30の戦闘爆撃機でも目標の艦船をめちゃめちゃにしてくれる。予想通り、駆逐艦に爆弾を命中させることは難しかった。 
B25Gが駆逐艦に爆弾を命中させたことが一回あったこととと、75mm機関砲を命中させたことが数回あったことを参考のために申し添えておく。ただし、劇的な効果はなく、駆逐艦は15~20のSysダメージを受けるだけだった。戦車や飛行場の攻撃では75mm機関砲に見るべき戦果はなかった。75mm機関砲は精確さに欠けるので、多くを期待すべきではないのだろう。それに対して、大発は数発の機関銃弾の命中で破壊された。 
奇妙なことに、低高度攻撃を指示した飛行隊は、充分な護衛戦闘機をつけても、CAPの存在する港に位置するTFをほとんど攻撃してくれなかった。港の隣のヘクスにTFを位置させ、CAPの時と同じ機数の戦闘機でLRCAPさせておくと、ほとんど常に攻撃してくれた。なので、前線で大発や小さなxAKLを使う時には、戦闘機が常に頭上にいてくれるように、毎ターン港のヘクスで止まるように設定すると、空襲を受ける機会を減らすことができるだろう。または、港のヘクスの隣に位置させLRCAPしておくことで、罠を仕掛けることもできるだろう。 
港の中にいる艦船(訳注:disbandされている艦船と言うことでしょう)やAAをもっとたくさん装備しているTFについての試行がまだだが、近々手を着けるつもりだ。 
天候についての注意をいくつか。検証した範囲では、天候の影響はおかしい。攻撃の際の天候と攻撃の効果との間には何の関係もないようだ。攻撃が実行されさえすれば、激しい嵐の日でも快晴の日でも、同じような戦果を挙げることができる。あるヘクスに表示された天候が実際にその日の天候である確率はゼロ%のようだ。第二次大戦中の天気予報は通常60%くらいの的中率だった。そんなわけで、航空攻撃を計画する時には天気予報に注意を向ける必要はないと思う。今回の試行は北部オーストラリアで行ったが、ここの天気はつねに晴れて乾燥している(もちろん、雨季があることは知っているが)。しかし、コンバットリポートをみると、快晴や晴れは20%ほどしかなかったことを指摘しておく。とはいっても、どんな天気であろうと、どうでもいいこと。10回の試行には、平均して12~14日かかった。爆撃任務が実施されるかどうかは天候によって左右される。しかし悪天候だからといって必ず爆撃任務が実行されないと決まったものではなく、ランダムに決定されるようだ。 
興味深いことに、ゲームの開始前にadvanced weather effectsをオフにしておくと、天気予報は常に晴れ(partial cludy)になる。しかしコンバットリポートで各ヘクスの実際の天候をみると、すべてのタイプの天気が起こりうることがわかる。これはどういうこと?これまで誰もadvanced weather effectsをオフにしたことがなくて、このことについては気づかれていなかったのかも知れないのだろうと想像する(訳注:advanced weather effectsをオフにした時のゲーム振る舞いについてはすでに他のスレで指摘されていたのを読んだ記憶があります。どのスレかは覚えていませんが)。私の試行から言えることは、天候は敵を発見できるかどうかに影響するが、攻撃の成否には影響しない。 
今のところ、以上だ。これからも検証を続けてみるつもりなので、何か分かったら報告する。

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