パイロットのトレーニングについて検証した人がその結果をTraining effects on Pilot Skillsというスレをたてて報告していました。パイロットの効率の良いトレーニングについては興味あるところなので、紹介してみます。
既存のセーブファイルからパイロットのスキルデータを抜き出したり、シナリオエディタでパイロットのスキルデータを作り出すことはできないので、たしかに面倒ではあるが難しい作業というわけではなかったことを最初に述べておく。expの方はスキルと違って、上記の作業も可能なのだが。
シナリオ開始時の状況
各シナリオには配属先の飛行隊があらかじめ決まっているパイロットが多数いるが、何人のパイロットがどの飛行隊に配属になるかはシナリオごとに異なる。多くの飛行隊では、あらかじめ配属の決まっているパイロット以外の、その他大勢のパイロットが、その飛行隊の定員(ready+unready)にしたがってランダムに生成される。たとえば、ある飛行隊に既定のパイロットが2名設定されていて定員が4名ならば、リストには4名のパイロットがいるが、そのうち2名はシナリオで既定されているパイロットで、残りの2名はランダムに生成されたパイロットである。
パイロットのスキル値を規定する要素はexpである。ある飛行隊のexpが30に設定されていれば、そのグループのパイロットのexpの平均値は30前後になる。パイロットのスキル値はexpから算出され、Defnスキルとその飛行隊の主要な任務に関係するスキルもexp値の前後に決定される(戦闘機の飛行隊では主要な任務に関係するスキルはAirとStafで、水平爆撃機の飛行隊ではGrdBといったような感じ)。その他のスキル値はおおむねこれらの数値の半分になる。fatigue値もランダムに決定されるようだが、3以下になっている。
トレーニングを検証するために設定した条件
今回の検証は、26の飛行隊(日本側が8つと連合軍側が18)を89日間にわたっておってみた(90日にしようと思ったが、シナリオ終了時にはセーブできないことが判明してこうなった)。新しい部隊が増援されてくる以外の他の活動は行われなかった(すなわち、TFは基地に帰港させられ、検証の対象にならなかった飛行隊には任務が与えられず、LCUも休養を指示された)。ゲームはhead to headの状態で最終日まで進行され、バージョン11.06iを使用した。
検証の対象となったすべての飛行隊に以下の初期条件を設定した。
・ready状態の機体20機と、既定のパイロット2名とランダム生成のパイロット18名
・exp平均値は30で、exp 70とexp 50のパイロットを一名ずつ含む(訳注:exp 70とexp 50の2名を既定のパイロットとして用意しておいたのでしょう)。
・morale値は99
・パイロットの補充はプレーヤーの手で(manual)
・機体の補充はreplacement allowed
・飛行隊のリーダーの資質値はすべて50(連合軍の一飛行隊だけは違った設定)
・同じ国の飛行隊は同じAir HQに所属(国が違うと所属するAir HQは異なる)
・Air HQの指揮官の資質値はすべて50
・サプライが十分にある基地(東京とサンフランシスコ)に配置する
以下の条件は飛行隊ごとに異なる
・トレーニングする任務のタイプ
・パトロールやトレーニングを指示する割合
・飛行のrange
・飛行高度
・使用する機種
結果
個々のパイロットのスキル値についてまではふれず、各飛行隊の平均・最大・最小値について話をする。
検証で得られた所見
・スキル値が74を越えたパイロットは一名もいなかった。これは、ふつうのトレーニング(訳注:この筆者は”mission training”という言葉をgeneral trainingに対比させてつかっています。”mission training”というのはgeneral trainingではなく特定の任務に適したスキルを伸ばすための普通のtrainingのことだと思うので、こう訳しました)にしてあったからだろう。その飛行隊の主要な任務に関連するスキルが最も良く伸びたが、(general trainingよりも)ふつうのトレーニングによって最も早く上昇し、70~90日でスキル値が70に達した。
・general training(特定の任務を指定しないトレーニング)は全般的にスキルを向上させた(高度により上がるスキルに違いがある。navTについては下記も参照)
・高度が5000フィートより高い(6000フィート以上)条件でのトレーニングでは、低高度のスキル(LowNとLowG)は向上しなかった。
・高度が5000フィート以下でのトレーニングにより、LowNとLowGが向上した。
・general training100%の設定にすると、その飛行隊の主要な任務に関するスキルとDefnスキル値の上昇した程度を100%とすると、その他のスキル値の上昇の程度は50%前後だった。
・ふつうのトレーニングでは、その任務に関連したスキルとexpとDefnスキルのみが向上した。Airfield attack, Ground attack, Port attack, Serach, Naval attackのそれぞれを指定したふつうのトレーニングでは、それぞれGrdB, GrdB, GrdB, NavS, NavBスキル値が上昇し、それに加えてexpとDefnスキル値が上昇した。
・ふつうのトレーニングの検証では、指定した任務に関するスキルがわずか30日間で60前後に達した。70にまで上昇するにはもうあと40~60日が必要だった。general trainingによるスキル向上の程度にはスキルの初期値と機種によって40~300%とかなりのばらつきがあった(訳注:初期値の1.4倍から3.0倍になったということか)。ふつうのトレーニングの欠点はgeneral trainingと比較してDefnスキル値の上昇が30%ほど劣ることだが、expの上昇に関しては有意な差はなかった...
・Stafスキルの向上は、戦闘機か戦闘爆撃機を高度100フィートでトレーニングした時にのみみられた。これは戦闘機と戦闘爆撃機の主要な任務に関連したスキルなので、同時に上昇するのはexpとDefnスキルだけだった。
・NavTスキルの向上は、飛行機が魚雷を搭載する設定になっている時にだけみられた。NavTスキルのトレーニングに高度の影響はなく、general trainingかNaval Attackの訓練を指示すればそれぞれにふさわしい程度だけNavTスキルが向上する。爆弾を搭載する設定の雷撃機はLowNかNavBをトレーニングできる。
・トレーニングを100%より低い割合に設定すると影響があるが、予想したほどではないようだ。60%に設定してトレーニングをさせてみたが、100%の設定の時との違いは10~30%にとどまった。100%より低く設定することの利点は、fatigueがたまりにくいことだ。
・トレーニングの割合をより高く設定するほど、より多くのパイロットが実際に飛行し、fatigueがより高くなる。fatigueの数値をみると、パイロットのexpが高いほどトレーニングのために飛行する回数が減るようだ(訳注:パイロットのexpが高いほどfatigueを回復させやすくなっている仕様のはずですが)。100%の設定でトレーニングさせると、fatigue値は24~30程度になる。60%トレーニングの設定だとfatigue値はその半分以下で済む。
・rangeもfatigueに影響があって、トレーニングの割合にもよるが、fatigueを5~15%ていど増やすようだ。
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