2014年5月22日木曜日

AVとCS


このゲームには少なからぬ水上機母艦が登場しますが、それらはCSとAV、AVP(小水上機母艦)、AVD(駆逐艦改装水上機母艦)などのAV系に分類できます。CSにあたるのは日本の千歳・千代田・日進・瑞穂で、CSということはScout Cruiserなのでしょうから偵察巡洋艦と呼ぶべきなのかもしれません。それに対して、神川丸・聖川丸・相良丸といった特設水上機母艦はAVと分類されています。また連合軍の水上機母艦はAV系ばかりです。
  • CSは空母機動部隊に同伴(最高速度の速い千歳・千代田はKBと、遅い日進・瑞穂はmini KBとよくマッチします)させて、哨戒能力を高めるのが一般的な使い方かなと思います。それに対して、AV系は最前線の未整備の根拠地に停泊させ、水上機・飛行艇をサポートするのが主な任務です。その点をマニュアルで確認すると
  • CS Aircraft Cruiser:水上機を搭載し、運用するよう特別な装備をもった大きく速いフネ。一般的に、搭載する飛行隊を航行中に運用する能力をもつ。
  • AV Aircraft Tender :水上機と飛行艇のお世話をする補助艦艇。AVは航行中に飛行機を運用しない点と飛行機を搭載していない点が、CSと大きく異なる
  • AVD Aircraft Tender, Destroyer :飛行機のお世話をするよう改装した駆逐艦。駆逐艦のASW能力を保持している。
  • AVP Aircraft Tender, Patrol :小さな母艦。改装されたものもあるし、またはこの目的のために新造されたものもある。
と説明されていました。しかし AARやフォーラムを読むと、AV系をコンボイに同伴させ、対潜哨戒に従事させているという人がいます。今回のゲームでも日本の潜水艦にあまり困ってはいないので、私自身はそういう使い方をしたことがありませんが、この点に疑問を感じた人がいて、AVs vs CSsというスレ
がたっていました。
AVが航行中に水上機を運用できるというのをたまたま目にした。そんなことができるのはCSだけで、AVは根拠地(dot baseも含む)に停泊している時に水上機のお世話ができるだけだと思っていた。私はある水上機母艦をCSと呼び他の水上機母艦をAVと呼び分けるポイントはそこにあるんだと思っていた。つまり、CSは航行中に水上機を運用できるが、AVは港にいる時にしか運用できないって風に。物識りのどなたか、これについて説明してくれないだろうか?もしAVが航行中に水上機を運用できるのだとしたら、私のAVの使い方ががらっと変わってしまうだろうから。 
水上機(艦上機でも水陸両用機でもないことに注意)を発艦させ収容する能力をもつAVは限られている。例えば、USS Langleyは4機を搭載する能力がある。もっと小さいオランダのAVPは1機を搭載できる。しかしこれが普通だというわけではない。船のデータ画面で飛行機のところに*/*という表示がある。前者の数字は何機の飛行機を搭載できるかを示し、後者は現在搭載している機数を示している(と思う)。 

DevのSymonさんのレス:それがAVとCSの違いなのではない。その2つの数字には別の意味がある。ある艦船が水上機を搭載できるかどうかはエディターのAir Capacityの欄で決まる。そこに数値が記載されていれば、その艦船はその機数を搭載できる。そのほか、Wpnの第19欄の数値はその艦船が何機の水上機(水上機でも水陸両用機でも)をお世話できるかを示す。もちろん、AVは自身の搭載機もお世話できる。もし搭載機が1機あれば、その1機分だけ、他の水上機をお世話できる機数は減ってしまう。CSは航行中に飛行機を発進させるように設計されているが、AVはそうではない。でも史実に準じて、AVの中には水上機を搭載できるようにされたものもあり(もちろん、日本のAV)、固有の飛行隊を搭載している。しかしAVは、いい場所をみつけ、停泊し、搭載機を降ろして作戦するようつくられていたものだ。ゲームシステムの穴を利用する人が出て来たことは残念だ、くそ。AVはWpnの第20欄にAircraft Ordnanceの記載がない。つまりAVは爆弾も魚雷も搭載していないので、搭載機は哨戒任務に使うことができるだけだ。しかしAVを停泊させればその根拠地の備蓄しているサプライか、またはAV自身の搭載しているサプライを消費して、哨戒以外の素敵な作戦を実施することができる。 

それなら、分かる。ゲームシステムに穴があって、AVが航行中に水上機を運用できてしまっているわけか。責任ある態度で臨むとすれば、プレイヤーはシステムを悪用して、航行中のAVに搭載機を運用させるようなことはすべきでない。HRに採用すべきことがまた一つ増えてしまったようだ。 
そうとは知らなかった。日本のAVが航行中に搭載機を運用できるのには理由があって、当然のことだと思っていた。それなら、連合軍のAVに搭載機運用能力が付与される大戦後半を扱うシナリオも同じことだ。このゲームのAVが航行中に搭載機を運用できるのがある種の穴だったとは知らなかった。
連合軍のAVで航行中に搭載機を運用できるものがあるとは知らなかった。どれがそう? 
ConwayのFighting Ships 1922-46を信じる限り、答えは「ない」だ。同書によるとCurrituck級水上機母艦はもともとそのように設計されていたが、計画は破棄され、一般的なAVとしての能力だけを与えられた。あるべきHRは、アメリカのAVには航行中に水上機を運用させないというものになる。 
Symonさんのいうように、たしかに日本のAVの中には航行中に作戦できるものがある。しかし港に停泊すれば、もっと多数(12機とか16機とか)の水上機を作戦させることができる。航行中だと哨戒任務しかできないし、爆弾を携行することもない。港(規模0でも)にいれば、すべての任務が可能だ。CSは航行中でもASW任務を実施できる点が非常に有用で、しかも搭載している20~24機すべてを飛ばすことができる。ということは、水上機の運用能力という点からすると、AVは重巡と似たようなものだ。なにほどかは役立つが、それほど役立つというわけではない。CSという艦種はまったく違う。AVをTFに含めて活動させているプレイヤーがいることは知っている。でも正直なところ、エアカバーを提供してくれるよりも、燃料ばかり消費することになっているんじゃないかと思う。AVというのはとても燃費が悪く、本当に大飯喰らいだ。航路沿いの港にAVを停泊させ、対潜哨戒の傘をさしかけた方がずっといい戦術だ。飛行機の運用数は4倍になるし、燃料も消費しないし... 私見に過ぎないけど。 
航行中に水上機を運用することをご所望(でしかもあなたが日本側をプレイしている)なら、巡洋艦とも呼ばれる艦種があるから、水上機を運用できる特設巡洋艦に着目してほしい。CSの方はなるべく早くCVLに改装することが必要になる。なので、私はCSを前線に出して危険な目に遭わせることのないようお勧めする。CSを沈没させる余裕はないはずだ。 
これについてはいつも悩む。CSの零水偵は哨戒用にとても重宝するし、それを180日間つかわずにおいてできあがるのは搭載機数30機の軽空母... 改装することもあるし、そのままにしておくこともある。CSについては私と同様、どっち付かずで迷っている日本側プレイヤーが多いんじゃないかな ...  
私も同じ意見だ。基本的にはCSとCVLの交換で、半年間は使えなくなる。しかも、本当に空母の作戦を支援したいのなら水上戦闘機の強風を30機(訳注:24機のはず)搭載してCAPさせればいい。そうすれば、その分だけ零戦を護衛任務に振り向けることができる。 
私はいつも改装するようにしている。重巡や陸上基地機などで日本海軍には充分な哨戒能力がある。改装が可能になる頃には、その種の船の必要性は薄くなり、軽空母が欲しくなるだろう。それに旧式戦艦を改装することができて、22機までを搭載できる。哨戒用のプラットホームに早変わり。 
最上も改装することができる... もっとも、今プレイ中のゲームでは筑摩を失ったので、最上の砲戦能力を犠牲にしたいとは思わないが。こういった改装が可能になる頃には大淀が手に入る。大淀級は各艦6機ずつ搭載していて、水上砲戦にそれほど役立つ艦種ではない。護衛艦艇として使うのがいいだろう。CSをどうするのかまだ決めかねているが、CSのまま残して強風を搭載するというのはいい考えだ。強風は思ったよりいい機種だし、雷撃機に対する低空でのCAPならこなすことができる。私の場合問題なのはmini KBを失ってしまっている点で、mini KBを再建できれば素晴らしい。ここ3ヶ月間決めかねている... 10月31日(訳注:改装の解禁日)までに決められないような気もする。 
このゲームはAVをうまく再現していると思う。日本の典型的なAVは停泊している時には21機の水上機をお世話できるのに、航行中には武装なしの9機しか運用できない。9機という数は妥当だろう。これらは水上機の運用に特化したかなり大きな船だから。 
Devの論点は、航行中のAVは水上機をまったく運用できないはずだという点にある。あなたの挙げた機数を例にとると、9機は搭載機数で停泊しないと運用できない。21機は停泊している時にお世話できる機数になる。 
DevのBillさん:航行中に水上機を運用するにはカタパルトと、航行中でも水上機を回収できるよう船の後面にskidが必要だ。また水上機の方は、skidにフロートを引っ掛けることができるよう設計されていなければならない。日本の水上戦闘機がカタパルトから射出されたことがあるとは思えないし、skidに引っ掛けることのできるように作られていたとも思えない。本来のAVはAKVと同じように飛行機を搭載している。停止・投錨しなければ、機器を使うことができない。
Nihon Kaigunの中の 神川丸のページ を見ると
1941年12月7日:マレー沖、午前3時、小沢治三郎提督は船団とマレー半島の間の海域の哨戒飛行を命じた。船団はコタバルから100海里に位置していた。豪雨でほとんどなにも見えない状況だった。南遣艦隊には14機の零式水偵と零式水上観測機を搭載した神川丸と、6機の零式水上観測機と2機の九五式水偵水上機を搭載した相良丸、合計2隻の水上機母艦が2隻含まれていた。両船は11機の零式水上観測機と6機の零式水偵を射出したが、何も報告されなかった。 
1941年12月8日:マレー上陸作戦:日本軍はタイのクラ地峡と北東マラヤに上陸した。タイのコタバル沖では神川丸と相良丸がマレー上陸船団の上空をカバーした。この日、神川丸のパイロット水野梯之介大尉が戦死した。GVT-7のDo-24 X-34飛行艇が船舶を攻撃したが、神川丸の零観が迎撃した。ドルニエは緊急着水を余儀なくされ、乗員2名は死亡した。2時間後、悪天候のもと、オランダの2-VIG-IのGlenn Martin爆撃機が6機飛来した。神川丸の零観が迎撃したが、逃げられた。
とある。作戦中の神川丸は零式水偵と零観を哨戒とCAPに従事させていた。2隻ともカタパルトとクレーンを装備していたのだと思う。またASWを行わせていたという記載もある。
カタパルトの件は勉強になった。でも、水上戦闘機を運用していた日本の船についてはやはり記憶がない。零観はホンモノの水上戦闘機ではなく観測機で、時にCAPに飛んでいただけだ。 
そっちもどうだろう。
1942年9月14日:ガダルカナル。ヘンダーソン飛行場を奪還する作戦で、ラバウル地区の飛行機が航空支援を行った。千歳と神川丸・山陽丸・讃岐丸は60kg爆弾を搭載した零観を19機発進させ、神川丸搭載の二式水戦2機が護衛した。17時30分、ルンガポイント近くでグラマンF4F-4ワイルドキャットが二式水戦を迎撃した。
とある。投錨中に発進させたのか、航行中にだったのかははっきりしないが、11機搭載している零観のうち2機だけを発進させたということは、カタパルトで射出したことを示しているんだと思う。CAPや攻撃隊を発進させるのに、同時に2機しかカタパルトで射出できないということが難問であることは間違いない。おそらく、その次の2機をカタパルトに載せて射出するにはかなりの時間がかかったことだろう。 
以前、私も同じ疑問をもち、日本のAVがカタパルトを装備していることに気付いて驚いたことがある。問題なのは、このゲームが水上機有利にできていることだと思う。特に潜水艦に搭載されている水上機。航行中に水上機を運用すると、航行速度に悪影響を及ぼす仕様になっているべきだった。 
調べてみたが、神川丸は零観2機を短時間飛行させ、零観を搭載していた他の母艦もやはり短時間飛行させている。どうやら零観を全機いっせいに運用したわけではないようだ。しかし、航行中に射出できなかったという記録は見出せなかった。AVがカタパルトを装備していたことは確かだが、曳航skidを装備していたわけではない。アメリカの軍艦はskidを装備していたし、日本の軍艦もそうだったろうと思う(訳注:でも日本のAVは違うという含みの発言でしょう)。

 ということで、本当は航行中に水上機を運用できるかどうかがCSとAVの違いとなるはずだったが、AVが航行中に搭載している水上機を運用させないようにコードが作られていなかったということのようです。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

興味深いです。ありがとうございます。
水上機に機動部隊の索敵を担当させると、悪天候で飛べないのが恐いですね。ASWにしてますか?

somali さんのコメント...

コメントありがとうございます。戦場近くでは索敵で、後方を航行中はASWを主にしています

また、水上機だけに索敵を担当させることはしないようにしています。艦攻・艦爆でも陸攻でも、一部を索敵にまわした方が艦船攻撃が実現しやすいように感じるので。

匿名 さんのコメント...

お返事ありがとうございます。
このゲームは両軍とも、攻撃隊から索敵にどれだけ割けるかが非常に重要なんですね。
面白いし、そうあるべきかと思います。