ビルマでは航空戦が行われていますが、ゆくゆくは(といっても、史実よりはずっと早くなる可能性が大)連合軍の地上侵攻を考えておかなければなりません。だいぶ前から多くのAARで日本のビルマ防衛困難問題が明らかにされています。なにか対策がないものかとビルマ問題を扱ったスレを抄読、まずはパッチ4の前のWhat's up with Burma?というスレ。
AARの中には、昭和18年どころか昭和17年のビルマを防衛することが日本にとって困難になっているものがある。これは、昭和19年春までIJAがこの戦線で攻勢を示していた史実とは全く異なっている。どうしてこんなことになっていると皆さんはお感じか。日本側プレーヤーが他の戦線にまわすためビルマからまとまった兵力を引き抜いてしまい、側面をさらしてしまったからか。連合軍プレーヤーが史実で可能だった以上の部隊をこの戦域に送り込むからか。インド師団は強すぎるのか。モンスーンの影響は充分ではないのか。これらの要素が複合しているのか、または他にも原因があるのか。
ビルマから昭和17年後半にたたき出されたプレーヤーの一人として。主な問題はサプライにあると思う。私のPBEMの相手は6000~7000AVの兵力に国境を越えさせ、補給は完全だった。私はビルマにIJAの8個師団を配置してあったので、兵力不足だったとは思えない。
私は、二つの原因があると思う。連合軍プレーヤーが史実以上の兵力を動員して、 日本側プレーヤーはそれを予期していないこと。もう一つは、サプライの輸送システムが不完全で、悪夢のようなビルマの兵站の状況を再現できていないこと。日本側プレーヤーはこの戦域にもっと増援する必要がある。中国から1~2個師団と独立旅団を1~2個、9月に到着する3個守備隊、対戦車砲大隊を2~3個、戦車聯隊を2つ、AA大隊・聯隊を3~4個くらい。それに、強力な戦闘機と爆撃機を。
海軍艦艇を失うリスクが少なくて済むので、戦争の初期にはビルマを主な戦域とする連合軍プレーヤーが多い。史実ではイギリス軍はインド・ビルマに少数しか存在しなかったし、インド人部隊は装備や訓練が充分ではなかったので、昭和17~18年に攻勢作戦を行えなかった。連合軍プレーヤーのAARを読むと、ほとんどがAIF師団(オーストラリア帝国師団)に加えて数個のアメリカの師団をもビルマに派遣している。
こうすれば昭和17年3月までに連合軍は、攻勢をとれる優秀な師団をこの戦域でつかうことができるようになる。サプライに関していうと、連合軍の攻勢作戦を制限するのと同様に、日本の攻勢をも制限すべきものである。それが実現しているのであれば、サプライをビルマ問題の原因の一つに数えるつもりはない。
連合軍が1942年後半にビルマにそんなに部隊を集められるとは思えない。AIF師団とアメリカ陸軍師団なしではオーストラリアの防衛が危うくなると思う。それを許してくれるのは消極的な日本側プレーヤーだけで、AIF師団とアメリカ陸軍師団をビルマに投入したら、日本側プレーヤーの多くはオーストラリアに攻勢をかけるだろう。
日本軍はビルマ北部の基地にサプライを輸送する道路網を保持している点で有利なはず。日本側のこれらの基地に対する一日あたりサプライ輸送量の上限はは連合軍と同じ量のはずだが、良好な道路が支配下にあるので週に1~2回ではなく連日サプライを輸送できる。しかし、ラングーンにまとまった量のサプライを海上輸送することができなくなると問題が発生する。なぜなら、タイからのサプライの輸送量には上限があり、しかも長い距離を運ばれなければならないから。
インドに駐屯する(R)ユニットはPPを消費してHQを変更しなければインドを離れることができないというハウスルールを、すべてのPBEMプレーヤーが採用すべきだろう。また、日本側はマンダレーの北西のジャングルヘクスで防御する必要がありそうだ。素のWitPで防御していたおなじみの基地だと、開けた地形のために蹂躙されてしまう。早いうちにジャングルに分け入って、塹壕を掘っておくべきだ。数ヶ月にわたって塹壕にこもっている部隊を駆逐することはとても難しい。
(R)ユニットに対するハウスルールには賛成。緒戦のビルマ戦の時機に連合軍は(R)ユニットを使用すべきではない。そうでないと、ビルマを早いうちからインド師団でいっぱいにすることができてしまう。ただ、本当の問題点は、連合軍にとっての兵站の困難さをシミュレートすることがとても難しいことにある。
日本軍にとっての兵站の困難さをシミュレートすることもとても難しいとも言えるね。インパール作戦は実際の戦闘よりもサプライの有無に関連していたし。
1942年後半に連合軍はアラカン作戦の14th師団HQのもとに12旅団と4個師団も集めることができたろうか?もし緒戦で、マレー半島の18 British旅団と3つのIndian旅団、ビルマの1st Burma師団と17th Indian師団、独立旅団、7th Armoured旅団、インドの6thと7th Aus師団のうちのいくらかを失わずに済ませれば、アラカン作戦用の兵力を1~4倍にまで増やせる。日本側プレーヤーも利用している後知恵をつかって第一ターンからそのつもりで運用すれば、これも可能なことだ。国境を越えてrestrictedのユニットを移動させるのにPPを消費する設定にしなければ、8個師団まで動員することが可能になってしまう。
日本のビルマ侵攻は昭和17年2月以降になるが、連合軍はビルマの防衛を第一ターンから始められる。もし兵站の困難さのシミュレーションが実現(インド・ビルマ間の山脈を越えてのサプライ輸送がほとんどゼロになる)しても、アキャブとミートキーナにしっかりした塹壕を掘る時間は充分にある。
パッチ2とパッチ3の前に開始されたプレイでは、連合軍がインドビルマ間の国境を越えての大攻勢を支えることが可能だった。パッチ3の後に始まったゲームでも、ジャングルと山岳ヘクスを通してサプライを輸送するのに困難はない。試しにhead to headプレイを昭和17年3月までやってみたが、二つの矛盾するような経験をした。連合軍がミートキーナを防衛することは、兵力を支えるのに充分なサプライをインドから輸送できないので不可能だった。しかし、攻勢時の連合軍がミートキーナのヘクスではなくその周辺ヘクスに2000~4000AVの兵力を配置して、インドから補給することは簡単だった。サプライがSilchar-Imphal-Kohima-Dinapur-Jorhat-Ledoへと輸送される途中でwastageも発生するだろうが、off-mapからサプライを運んでくるコンボイのおかげで、連合軍はそれを気にする必要は全くない。このルートは一日あたり6875のサプライ輸送を可能にする。なので、連合軍は好きな時に「北部ビルマ」を攻略できる。ここで「北部ビルマ」というのは、Jorhatから東のヘクスがサプライ供給点だとするとMagweとTung Gyiを結ぶ線より1ヘクス南までを含む。南武ビルマでは、モールメン以北はすべてChittigong-Comilla-Dacca(一日あたり2690サプライの輸送可能)から陸越えで支援されうる。
第一ターンから準備すれば、1942年後半からのアラカン作戦に史実の1~4倍の兵力を用意できるという意見に賛成で、それに加えて中国のユニットも加えることができると思う。史実でも中国軍はビルマ国境に行き、攻勢はしなかったが、守備隊としての役割を果たした。AEプレーヤーが史実以上の中国ユニットを送ればビルマの中央部まで行けるだろう。AEは航空優勢を持つ側の有利さを良く表しているゲームではあるし。ビルマに航空ユニットを増援することもできる。もうひとつ、史実以上に緒戦のビルマ戦線の連合軍を有利にさせているのは、危険を避けてビルマ南部から北部へ、またインド本土へとユニットが移動する速度が速くなっている点だ。これは、一つにはアレクサンダー将軍の決断よりも早くプレーヤーが総退却を始めるからだし、またAEでは接敵後でも良好な状態で逃れることが容易であり、さらにいっぺんに全てを荷造りして鉄道で戦略移動させることができるからでもある。史実では兵員と装備を輸送するのに必要な数の機関車と貨車を見つけ出し、そして順々に輸送しなければならなかった。
「いっぺんに全てを荷造りして鉄道で戦略移動させることができる」点は、一日に戦略移動できる距離が実際よりもかなり限定されていることで、代償されていると思う。一日に2個師団を1200マイル移動させる代わりに、もっと多くの師団を一日に500マイル移動できるような感じ。鉄道輸送されている状態を表すのに、機関車と貨車が表現されていてほしいが、このレベルのゲームではそれは無理だね。
それできちんと代償されてるとは思えない。ビルマの件について言うと(もっとひどい例はパース・アデレード間の大陸横断鉄道)、出発地での荷造りと到着後の荷下ろしをあわせても、連合軍プレーヤーは一週間以内にミートキーナまで退却することができる。これじゃ、民需物資、石油、軍需サプライの輸送はできないはず。ある国の鉄道で可能なことでも、他の国では不可能ということがある。
数ユニットを鉄道で戦略移動する時に、鉄道の輸送能力に限界が設定されているように感じることがあるが、どうだろうか。すでにstrategic modeになっている複数のユニットを同時に移動させても、遅れるユニットが生じることがある。
私は今のところ、鉄道の能力限界の存在を経験したことはない。もっとも、私の経験で多いのはアメリカ東海岸からサンフランシスコ行きで、オーストラリアやジャワでは1~2ダースのユニットを同時に鉄道輸送したことがあるが、いずれも起点と行き先が複数だった。でも、鉄道の輸送限界のように見えるのは、ユニットごとにpacking/unpackingにかかる時間が違うからなのでは。
ユニットのfatigue, disruptionなどの条件が異なると、かかる時間が異なるのかもしれない。その点ではstrategic moveも他の移動と同じで、単にスピードが速いだけなのだろう。
ビルマの補給問題を解決する簡単な手法がある。自分のmodの中で中国に使った方法だが、ビルマにも通用すると思う。ビルマ・インド国境の全てのヘクスにdot baseを配置する。インドからの進撃路になりそうなビルマのヘクスにもdot baseを配置する。インドのアッサム地方のすべてのヘクスにもdot baseを配置する。タイ・ビルマ国境を横断する道路ヘクスにもdot baseを配置する。これらdot baseのサプライ輸送量限度は史実を調査して決定するが、10とか20とかになるだろう。こうすれば、サプライの歩みはカタツムリのようにゆっくりとしたものになるだろう。また、ビルマ内のほとんどすべてのヘクスがbaseになってサプライ輸送量限度をもつことになる。そしてほとんどのヘクスがbaseのあるヘクスに位置することになるので、base以外に位置するユニットが多量のサプライを受け取れる問題も回避できる。(訳注 これはいい案ですね)。もちろん、AIが処理しにくい問題が出現するだろうから、それには別の対策も必要だろうが。
ビルマはゲームでシミュレートしにくい戦域の一つだと思う。私の記憶が正しければ、ビルマの連合軍司令官は、日本軍が迫ってきたからというだけではなく、サプライ不足や叛乱の恐れもあることから、早めにビルマから撤退することにしたはず。また、ビルマで作戦するどんな陸軍にも重大な影響を及ぼすモンスーンについて、AEがシミュレートできているようには思えない。
多くの連合軍プレーヤーは早期にビルマの死の罠から部隊を逃れさせ、インドに移動させる。これが日本にとってのビルマ防衛困難問題の原因の一つだろう。
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