2011年10月24日月曜日

WitEとWitP AEの比較

WitP AEにもユニットはたくさん(たぶん数千?)ありますが、前線に出ているのはごく一部。多くの商船は後方で潜水艦だけを心配していればいいし、飛行隊の多くも後方で訓練に従事しているし、軍艦も全部が常時戦闘態勢というわけではありません。それに対してWitEの方は長い長い前線にそって複数のヘクスにスタックした大量のユニットがあって、その多さに怖じ気づいてチュートリアル以降はプレイしていません。でもパッチ1.50がオフィシャルになるのもそう遠いことではないみたいだし、時々フォーラムを覗いています。最近では、 Nymdydarさんという人のたてたJapan in WitPAE versus Germany in WitEというスレが面白そうなので読んでみました。
WitEは、個々の仕様というより、ゲームデザインやゲームバランスに問題が残っているそうで、 WitP AEのように楽しくPBEMができるようになるのはまだまだ先のことのようです。特に、ドイツ側が勝利できないようなゲームになっているというのには驚きました。自分なら東部戦線のドイツ軍を勝利させることができると思ってゲームを購入したのに、勝つことはおろか、華やかな活躍も難しいというところなのでしょう。そのせいかWitEのopponents wantedをみてみるとドイツ側プレーヤーを募集する人の方が多いようです。WitP AEのフォーラムのopponents wantedでは、日本側プレーヤーを募集する人の方が圧倒的。どちらのゲームでも枢軸側は人気がないのですね。WitP AEの日本側の人気がないのは当たり前のような気がしますが、WitEのドイツ側希望が少ないのは完全にゲームシステムのせいとしか思えません。
WitP AEの場合、負ける側の日本の方に選択枝が多く自分流のプレイができて面白い、連合軍側は研究や生産の面白さはないが日本の攻勢に耐えた後で盛り返して勝つ楽しさがあるという点でよくバランスがとれています。WitP AEでいまだに話題になるのは四発爆撃機が強すぎること、特に防御砲火が強力で戦闘機の被害が多すぎる問題くらいでしょうか。四発爆撃機がsweeperとしてつかえたり(sweep指示はできないが、単に爆撃に行かせるだけで日本の戦闘機に対してsweepしたことになる)、四発爆撃機のパイロットにエースが珍しくなかったりなど。今のところ修正予定が入っていない問題でフォーラムの話題にのぼるのはこれくらいです。高々度sweepの問題はHRで高度制限をすることで対処されているし、満州やインドのrestrictedの部隊の戦闘参加が中国やビルマの状況に大きく影響してしまう問題も国境を越えるのにPPを支払うというHRで解決されています。ほかにはプレイバランスを大きく崩すような問題や仕様はもうほとんど残っていないと感じます。
このブログにコメントいただいたり、また日本の方とのPBEMを中止した理由でもある日本側の飛行機が脆弱過ぎるのではという点ですが、フォーラムでは全くと言っていいほど話題になっていません。最も多いプレーヤーの国籍がアメリカだとはいっても、PBEMが盛んなゲームですから、日本側を持ってプレイしている人もいっぱいいるはずで、本当に問題ならもっと騒がれているはずだと思います。私も含めてふつうのPBEMプレーヤーは日本機の性能・戦績に関してはよくできていると感じているのでしょう。それよりは、昭和18年になっても日本のパイロットの質が下がらないようにプレーできることの方を問題視する人がいて、この点でも負ける側のプレーヤー体験重視、つまり日本側有利につくられていると感じます。話がだいぶずれましたが、以下にスレのご紹介を
Nymdydar:日本側をプレイして破滅に至る方がドイツ側をプレイして同じように破滅するのにくらべてなぜ面白いのか、 複数のスレで話題になった。私は日本を持って2つのゲームをプレイ中で、ドイツを持って1回プレイした経験があるので、みんなに私の気づいたことを知ってもらおうと思う。順序不同で述べてみる。
スケール。太平洋はロシアよりずっと広い。その結果、中国やインドやオーストラリアなど、行動の選択肢がたくさんある。WitEの場合はロシアだけで、それ以外の選択肢はない。
生産。日本は生産ができる。アメリカはできない。席巻される段階になっても、日本は連合軍の前進に影響を与えるためになにを生産するかの決定権を持っている(大した影響を与えることができないにしても、1%くらいはチャンスがあるかもと感じることはできるw)。WitEのドイツの生産は固定されているので、プレーヤーが飛行機や戦車の生産数を増やして状況を改善させる余地がない。このゲームがこういう風にデザインされた理由は理解できるけれども、これがドイツ側プレーヤーのプレイ体験に影響を与えていることは間違いない。
研究。これも日本は研究できて、連合軍はできない。効率的でも簡単でもないが、新機種を史実より早く生産可能にすることができる。これによって戦争の結末が変化するかというと、NOだ。しかし、日本側プレーヤーは新型機がどのくらいうまく戦ってくれるかを観察することができる。WitEのドイツも1942年中にティーゲルやパンテルやジェット戦闘機が欲しい。でも、ドイツを持ったプレーヤーは手元にあるもので戦わなければならず、新型を史実より早く手に入れるチャンスは万が一にもない。やはりどうしてこうされたのかは理解できるが、この点を変えればゲームがずっと良くなるかもしれない。
仮想キャンペーンシナリオ。1941年12月に日本の準備がもっと進んでいたらというオフィシャルな仮想シナリオが発売の時点で付属している。これは空想シナリオではなく、日本がもっと早い時期から準備していたら充分になし得た状態だ。WitEの公式シナリオにはこういうものはない。 例えば、ドイツがバルカン作戦を実施せず1941年6月より早くロシアを攻撃するシナリオや、1942年までロシア攻撃を待つシナリオなら、 発売時に簡単に用意できたはずだと思う。現在あるシナリオの他に、このどちらかが加わっていれば、枢軸側プレーヤーにより豊かな体験を提供できたろうと思う。
こういったことが、破滅まで日本をプレーする方がドイツの崩壊をWitEでプレーするより面白い主な理由だ。ご意見を聞かせて下さい。
Nymdydarさん、WitP AEのシナリオ2にあたるものが必要というあなたの意見に賛成だ。このゲームをとりまく議論は、ドイツ側にもっとましなチャンスをというものか、またはWitP AEのReluctant Admiral modのようにもう一つの歴史を体験できる現実的な仮想シナリオ、例えばあなたのいうようにバルカン作戦抜きだとか、北アフリカ戦線なしだとか、日本がソ連東部を攻撃したりのシナリオがほしいっていうことなのだと思う。武器生産開始前倒し可能なシステムや製造業をもっと効率的にさせることも考えられる。
日本の方がプレイして楽しい理由もあなたのいう通りだと思う。日本は敗北して行く側だが選択ができる。このゲームでは敗北の続く開戦後12ヶ月間のロシアには選択肢があるのに、押され始めるとドイツには楽しみがない。
また独ソ間の紛争の性質から、WitPのコミュニティはゲームに史実と同じように熱中しているように思う。WitPのフォーラムでみられる不満のほとんどは「でもドイツは勝てないじゃないか」という類いのものだ。
良い指摘をありがとう、Nymdyar!ドイツに勝つチャンスがなければならないということはないが、ドイツにもっと選択肢があればこのゲームはもっと面白くなるだろう。それに、1943年か44年には押しまくられてしまい、ドイツの敗北が早過ぎるというプレイバランスの問題ももちろんあるが。
Nymdydar:同じ人が両方のゲームをデザインしていることを考えると、WitP AEにはもっともらしい仮想キャンペーンシナリオがあるのに、WitEにはないのは驚きだ。特に、シナリオを加えるのはかなり簡単なので。もしかすると、発売の締め切りに間に合わなかったか、mod作者がやってくれると考えたのか?または、ゲームデザインの専門家からするとシナリオを作成するということは、外部のものが考える以上に難しいことなのかもしれない。
modについての問題点は、modを利用しようとしないプレーヤーがとてもたくさんいることだ。オフィシャルなシナリオでない限り、少数の人が利用するに過ぎない。
たとえ粉砕されてしまうにしても、少なくとも日本をもったプレーヤーは、史実シナリオでも自分流に日本をコントロールしている体験ができる。ゲーム開始後間もなくから、史実とは違う途を選択し、ゲームの進み方に影響を与えることができる。真珠湾を2回3回と攻撃するのも望みのまま。自分の好みに合わせて日本の製造業を再編成したければ、どうぞ。オーストラリア(もしかするとインドも)の侵攻、御武運を。連合軍の猛攻を受けるののプレーヤー流儀の日本で、史実の日本ではない。どちらのグランドキャンペーンでもそうだが、シナリオ2ならその特長が一層はっきりする。
ドイツを持つと、あなたにはヒトラーの持ち札だったのとそっくり同じカードが配られていて、自分流に変更する余地がない。プレーヤーが史実の日本の生産量に縛られて変更の余地が全くないとすれば、WitP AEにもこのスレと同趣旨のスレがたてられるに違いない。同じく、ロシア側にはロシア軍を自分流に変更する機能があり、スターリンがおかしたのと同じへまをしない後知恵がある。ドイツにあるのは、3年(かそれ以上)も叩かれ続けるためにだけ役立つ後知恵のみ。
史実とは違った方向へ変えて行ける能力と洞察力さえあれば、負ける側をもつことに問題を感じないプレーヤーが(大量にw)いるということが肝心な点だ。史実の戦力と史実の進行を余儀なくされないとしても、負ける側でプレーするということじたい大変なことだ。この二つのゲームが負けることでこんなに違った体験をさせてくれるのも当たり前だ。
この二つのゲームのもう一つの大きな違いは、WitP AEは1946年3月まで進むと、連合軍側の使用した核兵器の数によって勝利のレベルが修正され、3つ以上の核兵器を使用すると連合軍側の勝利レベルが一つ低下する。
WitEも1945年10月まで進めることができるというが、実際には?1945年7月以降の戦争継続は核兵器使用の理由となる。その頃までドイツが東でがんばっていれば、連合軍は日本ではなくドイツに核兵器を使用したかもしれない。このことはゲームでは考慮されていない。連合軍が核兵器を使用すれば、ヒトラーは地下壕で自殺について思い悩む必要がなかったかろうに。もちろん、そんなに遅くまで生き残れるドイツ側プレーヤーはいそうもないので、実際には問題にならないが。
WitP AEは戦略・研究・太平洋地域のどこに集中するかを含め、自分流の戦略をつかって負けて行く機能を提供してくれるのに対し、ヒトラーの決めた型式・研究をつかって負けて行かなければならないという違いが結論だ。負ける側をもつと、軍事的なミスを修正するだけでは不十分で、プレーヤーは経済的・政治的なミスも修正しなければならない(たとえば、日本の陸海軍間に不和がないように)。軍事的な成功がどんなに大きくても、戦闘の様子と戦争の結果を真に決めるのは経済と研究だ。
勝つ側のコントロールする余地をさらに広げると、プレイに値しないほどまでこのゲームのバランスを崩してしまうだろう。最初のプレイから地獄をみたのはつらいことだった。このゲームを修正して古典と呼ばれるようなゲームにする唯一の方法は、ドイツ側に生産・研究を加える(もしかすると拡張板になるかも、私なら買うけど)か、ロシア側から生産を取り除いてロシア側も史実の経路をたどるようにすることだ。こうしてようやくバランスのとれたゲームになる。
リンゴとオレンジの比較をしている気がする。WitEは発売後まだ1年なのに対して、WitPは10年、AEもすでに3年になる。正しい日付を調べてはいないので、間違っている点もあるかもしれないが。WitEは今でもオリジナルの開発チームがサポートしているのに対し、WitP AEは最初はmodでその後完全にコードしなおされた。AEが出る前のWitPにはシナリオ2やIronmanシナリオはなかった。
AEをつくったメンバーはWitPをつくった人たちの意見も取り入れて独自のシナリオをつくった。同様にWitEでもアドバイスを取り入れて、ゲームのパラメータはそのままで初期配置の異なるシナリオ2風味のシナリオをつくることができるだろう。またはAEがしたようにオリジナルのコードを借り受けて、無料でコードを書き直してシナリオ2にそった拡張をしてもいいだろう。
日本が勝利できないことは大部分のプレーヤーが知っている(日本自体もそのことを理解していて、連合軍が戦争に倦んで日本に有利な条件で停戦交渉をまとめることがゴールだとしていた)。
しかも、緒戦の6ヶ月を過ぎてミッドウエイの戦いでの4空母の沈没が完全な破局だったという視点からは、もう少し日本にやらせてみたらどうだろうという興味がわく。ほとんどのプレーヤーは、そんな事態は避けられて日本の勝利をもっと続けられるし、実際じぶんがミッドウエイ作戦を計画したらアメリカ空母群の方こそ最期を迎えることになるだろうと感じている。それができれば、最低もう一年は勝利を続けられるだろう。
東部戦線には、ミッドウエイのように2-3日の戦闘がはっきりと戦争の画期になるようなものはなかった。スターリングラードがそれだという人もいるが、あれは生起するのに数ヶ月かかった。でも、ドイツに選択の余地のあったキャンペーンはいくつかある(例えば、1942年キャンペーンはどんな形をとることになるだろうか)。
ドイツにはロシアに対するはっきりとした軍事的な勝利のチャンスがないと感じているプレイヤーはずっと数が少ないと思う。もちろん異論はあるだろうが。
すでにいくつかmodが出されているが、開発チームによってオフィシャルなものとして出されなければ、コミュニティからは無視されてしまうことになるだろう。
私は以前WitP AEのプレーヤでシナリオ2が好きだった。でもそれは、日本がかなり不利な状況にあるからだ。歴史的には、ドイツの勝利はわずかだったかもしれないが、日本の勝利のチャンスは絶対に完全にゼロだったと私は思うし、これがみんなの意見でもあるだろう。
でも、ゲームがバランスのとれた状態になれば、ドイツびいきのmodも面白いと思う。アイディアとしては、
1. ドイツの戦車生産:装甲戦闘車輛の生産開始の前倒しの優先度について、T-34に対抗できるタイプの生産開始時期を前倒しし、生産数も増加させる。戦車のサポートユニット、特に突撃砲をもっと増やす。
2. ブルガリア軍:あったら楽しいと思う
3. 連合軍の約束実現の遅延:1943から44年に登場するユニットが多くなる。
4. ウクライナ国やバルト海の傀儡国家:軍隊ももって登場
ブルガリアが採用されたら、システムの扱える能力を超えてしまうかもね。
私もこれを長いこと主張してきたので、Nymdydarさんの言ってることに全く賛成だ。ファンが力をあわせてWitP AEをつくったように、ファンが一丸となってWitE FM(訳注:WitPの改良型がAdmiral Edition・提督板なので、このコミュニティではWitEの改良型はfield marshal・陸軍元帥版と呼ばれているのでしょう)をつくるのを、待たなければならない。
WitEでうんざりすることの一つは、飛行隊の機種を自分でアップグレード(またはダウングレード)できるのに、陸上部隊の装甲戦闘車両が勝手にアップグレードされてしまうことだ。これは意味のある仕様とは思えない。あるゲームで、私の自動車化師団の4号戦車がパンテルにアップグレードされることになった。しかし他方、38(t)戦車装備の装甲師団が残っていた。自分の手で装甲戦闘車両のアップグレードをできれば、ゲームをする上で励みになる。
WitEはまだ新しく、対処すべきバグがたくさんあったり、ゲームバランスの調整が必要なことも知ってはいるが、1941年以降も枢軸側が楽しくプレイし続けられるための色気に欠けているのはたしかだ。枢軸側が簡単に勝てるようにするための、非現実的だったり史実とかけ離れている選択枝を望んでいるわけではない。しかしNymdydarさんが言うように、敗北するのが確定しているのなら、少なくとも楽しく負けられることは必要だ。そうでなければ、そのゲームは繰り返しプレイする価値がなく、現在の私はそう感じている。現状は枢軸側にとっては厳密なシミュレーションなのに、ロシア側には欲しい部隊を生産したりなどの選択枝がたくさんある。史実に沿って軍を編成することをゲーム制作者は想定していたのに、プレーヤーは史実とはかけ離れた編成のロシア軍を作り上げてしまう。その結果、ゲームバランスは史実とは離れた非現実的な方向にいってしまう。
「同じ人が両方のゲームをデザインしていることを考えると、WitP AEにはもっともらしい仮想キャンペーンシナリオがあるのに、WitEにはないのは驚きだ」と言うが、WitEの開発者はWitP AEの開発者とは違うことは知っておくべきだ。WitP AEの開発チームは全く別の人たちだ。同じなのは、WitEのデザイナーと素のWitPのデザイナーで、後者には仮想シナリオは付属していなかった。八紘一宇、Reluctant Admiral、Ironmanは実際にはサードパーティのmod制作者がつくったものだ。
この問題はゲームデザインに起因するものではないと思う。東部戦線を扱うゲームはみんなこの種の問題を抱えている。「 ロシアに対するはっきりとした軍事的な勝利のチャンスがドイツにはないと感じているプレイヤーはずっと数が少ないと思う」ということは、あなたもこれが問題の一因だってことは分かっているよね。
Nymdydar:「リンゴとオレンジの比較をしている気がする。WitEは発売後まだ1年なのに対して、WitPは10年、AEもすでに3年になる」というのは正しいし鋭い。WitP AEは素のWitPのバージョン2.0にあたる。でも、現在のWitEは発売時のオリジナルのWitEのバージョン2.0にあたるっていうことはないだろうか?あなたはそうじゃないと言うかもしれないが、WitP AEで日本に与えられた作戦・研究・生産・スケール・代替となる選択枝といった特長をオリジナルのWitEももっている。これらはWitP AEだけの特長ではない。より良いとかより細かいとかいった違いはあるかもしれないが、基本的な考え方は一緒だ。ただし、modなしの素のWitEではこれらすべてがドイツ側には与えられていない。3-4年後にWitE FMがなんとか発売されるとしたら、私はきっと買う。私は素のWitPとUV(Uncommon Valor)を持っているが、この二つはあまり好きではない。しかしWitP AEは大好きで、発売以来ずっと没頭した。なので私が望むのは、WitP AEが素のWitPにしたのと同じことをしてくれるWitEの改良型が発売されることだ。それまではWitEの箱は棚の上に置かれてほこりが積もってゆくだけだろう。
「ロシアに対するはっきりとした軍事的な勝利のチャンスがドイツにはないと感じているプレイヤーはずっと数が少ないと思う」というけど、ドイツが史実よりうまくやるってことは、核兵器のクジ引きでドイツが当選しちゃうってことになるだけじゃないのかな。
ドイツが勝つとしたら1941年か、せいぜい1942年前半くらいまでのことだろう。アメリカに対するドイツの宣戦布告は(連合軍の息継ぎにはなったが)馬鹿げているし不必要なことだった。ヨーロッパと地中海でドイツが勝利したら、太平洋戦争には関係しないでおけたかもしれない。それに、東部戦線でドイツが史実よりうまくやったら、太平洋戦争自体起きなくて済んだかもしれない。東南アジアに共栄圏をつくってアメリカと摩擦を起こすよりも、ロシアの解体に参加するように日本を誘って。核兵器がこの戦争の結末になると決まったわけじゃないだろう。まあ、いつかは開発されるには違いないけど。原爆の開発には多額の費用が必要だったので、直接的な脅威がアメリカに差し迫った時にだけ開発されることになっただろう。
「でも、現在のWitEは発売時のオリジナルのWitEのバージョン2.0にあたるっていうことはないだろうか?」というが、そんなことはない。比較してみると、Pacific War -> War in the Pacific -> War in the Pacific Admiral's Edition と進化してきたのに対して、War in Russia -> War in the East -> まだこの第3段階は実現していない。 また「WitP AEで日本に与えられた作戦・研究・生産・スケール・代替となる選択枝といった特長をオリジナルのWitEももっている」という点についても、WitEと同じく素のWitPは仮想シナリオを持っていなかった。もちろん、史実と違った作戦をたてることはできるが、開戦時の設定は史実に基づくものだ。素のWitPには史実からかけ離れた設定のシナリオがあったが、それらはサードパーティのmod制作者によるものだ。なので、WitEに史実とは違ったシナリオを希望するなら、それはmod制作者に期待すべきものだろう。
真珠湾を攻撃したときに日本の敗北は決まった。それと同じく、ソ連を攻撃したときにドイツはあの戦争を失ったのだと私は思う。なぜかというと、ソ連はフランスではないから。巨大な領土で、征服するには厖大な量の兵器の生産とマンパワーが必要になる。ソ連がフランスくらいの大きさならドイツが勝っていただろうが、現実にはソ連に対する戦争に勝つチャンスはなかった。どうしてドイツは勝てないのか。まず歴史をみるべきだ。ロシアは簡単には降伏しない。モスクワとレニングラードが陥落しても戦い続けるだろうし、彼らの歴史は決して屈服しないという良い見本だ。ナポレオンはロシア帝国を征服できると考えた。彼は間違っていた。第一次大戦のドイツはナポレオンの失敗を知っていて、輝かしい勝利と大量の捕虜を得たが、勝つことはできず、ブレストリトフスクで講和条約を結ばなければならなかった。ナチスドイツはナポレオンと第一次大戦時のドイツのことを知っていて(第一次大戦で戦った将校がまだ現役でいることも少なくなかった)、それでも挑戦し、そして失敗した。もしドイツがイギリスとのヨーロッパ戦争を徹底していたなら、結果は別だったかもしれない。イギリス海峡は越えがたい障害で、イギリス本国侵攻は問題外だが、イギリスの利益に関連したジブラルタルやマルタやエジプトにむけて南進することはできたろう。ヒトラーが正気ではなく、ソ連に向かってくれたことは、私も含めて全世界にとって幸運だった。そして、重要な点を付け加えると、WitEにおける枢軸側の勝利というのは、プレーヤーが史実よりうまくやることだ。言いかえると、史実のヨーロッパ戦争の終了(1945年5月)まで、ロシアをベルリンに寄せつけなければいい。これはWitPやWitP AEの日本についても同様で、1945年8月の時点で連合軍を史実より本土から遠ざけておければ、日本の勝利だ。WitEにおけるドイツの完全な勝利、WitPとWitP AEにおける日本の完全な勝利はほとんど不可能で、しかもほとんど不可能であるべきだ。私たちが歴史シミュレーションゲーム好きで、幻想的なものを望むのでない限り、物事はこうでないといけない。
東部戦線の歴史的な運命を受け入れることと、太平洋での戦争の結末を受け入れることとが全く違うように思える理由の一つは、東部戦線が僅差の勝利だったことだ。ドイツ軍はモスクワまで迫り、スターリングラード奪取寸前まで行き、別の選択がなされていれば戦争の行方が劇的に変わっただろうという機会がいくつもあった。アメリカと戦って日本が究極的な勝利を得ることはあり得ず、このことが日本側プレーヤーの心理と態度に影響している。しかしドイツ側プレーヤーは厳しい状況を与えられたシナリオに対して、天秤を勝利の方向に傾かせることができると受け止めている。(もちろん、3大都市が陥落したとしてもソ連が休戦を求めるという保証がないことは言うまでもないが、赤軍が別の場所で戦い続けたとして、ドイツ軍がクレムリンで行進できれば注目に価する戦果となっただろう)。
そんなことはない。モスクワ・レニングラード・スターリングラードの陥落はソ連の戦いの終わりを意味しない。これら3都市が陥落してもソ連には大きな軍隊と(ドイツの手の届かない)後背地での生産力と戦い続ける決意があった。上に書いたように、ソ連はフランスではない。私たちは西ヨーロッパやアメリカの尺度で客観的にソ連を測ることはできない(西ヨーロッパやアメリカの尺度で日本を客観的に計ることはできないのと同じ事だ)。
このスレが段々と「ドイツに戦争に勝つチャンスを与えるべきかどうか?」という終わりのない議論にはまりこんできているような危惧を覚える。私はまだこのゲームを買ってはいない(時間とサイフに余裕がないから)。なので話半分に聞いて欲しいが、問題は1941年にではなく、1942年夏以降のドイツにあると思う。したがって、どのsupport unitを選んで使うかや、プレーヤーの戦略にあわせてTOEを変更することなど、ドイツには戦力をどう組織するのかもう少し柔軟性があった方がいい。例えば、状況に応じてAGAとAGB(訳注:プレイしていないのでこの二つの略語の意味が不明)を新設できるようになっていたらいいと思う。どうしてそういう選択がプレーヤーに許されていないんだろう?ほかにも掘り下げるべき点はあるが、エディターで操作可能なら、プレーヤーのコミュニティで解決すべきことなのかもしれない。
ドイツ側がHQを新設できない仕様は奇妙に感じる。
WitPとWitP AEは二つの別々なゲームではない。同じゲームエンジンと同じコードを使っている。WitP AEはフォーラムの賜物っていうだけだ。多くの特長が加えられ、マップが一新され、OOBも設定し直された。一度WitP AEをプレイしたら、素のWitPをプレイする気にはなれないだろう。そして、私と同様、一度Da Big Babes mod(兵站の面がいっそう現実的に設定されている)をプレイしたら、オリジナルのWitP AEをプレイする気にはなれないだろう。きっとWitEにも同じことがおきるだろうから、忍耐強く待つか、または積極的にmodをつくるかだ。WitEで残念に思うのは、前線から離れた後方で防御態勢をとる能力についてだ。それをすることはできるが、非常に高価につく(fortified region)。治安聯隊は廃止されてしまったし、旅団ではそれほど強固に防御施設をつくることができない(戦略予備についてはここではふれない、あちこちで火消しにまわらなければならないからね)。史実ではソ連は10個の工兵軍を創設して多くの地点を要塞化した(たしか1943年に廃止された)。それらはゲームに取り入れられている。鉄道のことなど。でも、それらの工兵軍は、対象のヘクスにユニットがいないと何もしてくれない。これはソ連の保持していた実際の工兵軍の行動、「第1工兵軍をボロネジ地域(前線から10ヘクスぐらい後方)に派遣し、塹壕を掘らせろ」といったものとは異なる。さらに、現在のゲームでは、ソ連側のプレーヤーが多くの失敗を重ねると(完全な人なんていない)、第三帝国の国境まで迫ることもできなくなってしまう。だから、ドイツ側を強化したら、ミンスクを取り返すこともできなくなるかも。他方、WitPやWitP AE(modも含めて)の日本は破局を迎えるよう運命づけられている。アメリカは天文学的な量の物資を生産し、それだけでどんな日本側の防御を打ち破るにも充分だ。つまり、結果は史実通りになるというわけ。例えば、連合軍側はマリアナ諸島に上陸するだけでいい。そこから原爆が落とされれば、それでおしまい。
あなたの挙げた日本側のプレイが楽しい理由は、私にとってはなぜ日本側をプレイしたくないかになってる。やらなければならないことがいっぱいあるのに、結局は負けてしまう。うまくやらなければ、敗北が早まってしまうし。
UVのPBEMを史実の日本側でプレイしたのは私くらいかもしれない。ミッドウエイで沈んだ空母なしで、翔鶴と瑞鶴とその他でも楽しめたよ。
私もUVとWitP(WitEの開発のためWitP AEでは少ししか遊んでない)の日本側を持ってPBEMをたくさんした。勝ったゲームも少なくないよ。
「 比較してみると、Pacific War -> War in the Pacific -> War in the Pacific Admiral's Edition と進化してきたのに対して、War in Russia -> War in the East -> まだこの第3段階は実現していない。」というのはいくつか誤りがある。本当はWar in Russia (1984)==>Second Front (1990)==>Gary Grigsby's War in Russia (1993)==>Gary Grigsby's War in the East (2010) で、1984年のWar in Russiaではドイツ側にユニットの生産があり、鉄道部隊は新らしく鉄道を敷くことができた。
でもそれだとティーゲルIIばかりになって、gamey。

0 件のコメント: