2015年2月12日木曜日

重慶のサプライ、戦力の推移


日本軍の第1回総攻撃からでもすでに1ヶ月半以上が経過した重慶戦役。私だけでなく、このブログを読んで下さっている方、つまり日本語が難なく読める方はWitP AEを日本側でプレイすることが多いことと思います。中国を制覇すると多くの兵力を他に転用することが可能になるので、日本側にとって重慶はぜひとも占領してみたい根拠地です。しかし、どのくらいの兵力でどのくらいの期間かければ重慶を奪取できるのかがはっきりせず、チャレンジしにくいという事情もあります。中国軍の戦力の推移はコンバットリポートに示される兵数・砲数やAVからもある程度推測できますが、よくいわれる中国軍のサプライ不足がどの程度のものなのか、日本側がプレイ中に知ることは困難です。その点、連合軍側をもった今回のプレイでは、当たり前のことながら重慶の中国軍のサプライの状況が一目瞭然。今日は、重慶守備隊の状況を紹介したいと思います。

重慶のインフォメーション画面に表示されるサプライの在庫量はだいぶ以前からずっと420トンのままです(図の赤のライン)。一方、日本軍の第一回総攻撃の頃20万トン近く在庫のあったリソース(青のライン、こちらは目盛りを10倍してみて下さい)は、その後だいぶ減って9万トンを割りこみました。

重慶にはLI(軽工業)が176(4)あるので(生産可能が176、修理すれば生産可能になるのが4)、一日にリソースを2640トン(176x15)消費しサプライを176トン生産してくれます。このペースだと、あと一ヶ月ほどでリソースの在庫が無くなりますが、ちょうどその頃には重慶陥落となるでしょうから大きな問題ではないかも知れません。重慶のヘクスにもリソースを生産する施設があるのですが、軽工業とは違って、敵がそのヘクス内に侵入するとリソース生産施設は生産がストップしてしまうルールです。また、重慶にはHI(重工業)もありますが、こちらは重油が不足しているので西域の油田を日本側に占領されて以来、生産停止のままです。その他、このシナリオでは重慶に一日400トンのサプライがシステムから配給されることになっています。これはショートシナリオ、例えばソロモンキャンペーンでトラック島にシステムからサプライや重油が配給されるのと同じ仕組みです。

各ターンでの重慶のサプライの動きを推測すると、
①前ターンに在庫されていたサプライ420トンのうちのいくらかが空爆で破壊される
②対空射撃(と、陸戦がある日には陸戦でも)により地上部隊の持つサプライが消費される
③飛行場や防御施設の建設にはサプライを消費するが、現在はサプライ消費を要しない飛行場の修理に専念させられているので、この項でのサプライ消費はなし
④現状、重慶へサプライを送ってくれる根拠地はなし
⑤兵站活動では
 ㋑まず、軽工業により176トンのサプライ生産され
 ㋺つぎに、空爆で破壊し残されたサプライと軽工業が生産したサプライが地上部隊に分配される(20トンだけは倉庫に残される仕様のようです)
㋩特配のサプライ400トンが到着し、㋺で残された20トンをあわせて在庫が420トンになる
という感じになっているものと思われます。

重慶のサプライ在庫は420トンで変化ありませんが、重慶守備隊のもつサプライの総量(緑のライン)をみてみると、少しずつ減少して来ています。特に日本軍の攻撃のあったターンには応射することにより700~1500トンも減ってしまっていました。長い目で見るとじり貧は明らかなのですが、1943年1月になって大きな変化がありました。まず、それまでずっと420トンだった重慶基地のサプライ在庫が1月4日に3556トンと急増しました。翌日はまた420トンに戻ったのですが、その差の3136トンは守備隊に配給されたようで、重慶守備隊のもつサプライの総量が前日の10612トンから14028トンに増加したのです。これは戦局にかなり大きく影響しました。

守備隊の戦力の指標として、重慶に駐屯する地上部隊すべてのAV合計をみてみると、図の赤のラインのように推移してきました。日本軍の総攻撃にあわせて減少し、第一回総攻撃の前には8394あったものが、1月には6千台前半ですからほぼ75%になってしまいました。しかし、守備隊の中にはサプライをまったく持っていない部隊が多数含まれています。サプライがないと射撃・砲撃の効果が本来の25%しか発揮できないルールがあります。なので、戦力をより厳格に評価するには、サプライを持っている部隊だけのAVの合計(青のライン)をみてみることも重要です。こちらは第一回総攻撃の前の6911から1月4日には2687とわずか38%にまで減少してしまいました。当初の4割弱の戦力で第4回総攻撃を待ち受けていたわけですから、事態はかなり深刻でした。しかし1月4日に重慶のサプライ在庫が突然増加し、翌5日にそれが守備隊に配給されたことで、1月6日にはサプライをもつ部隊のAV合計が4004にまで回復したのです。これは第3回総攻撃時の3639よりだいぶ多い値です。1月6日の第4回総攻撃をこの良い状態で迎えることが出来たのは本当にラッキーでした。第4回総攻撃での日本軍の死傷者数が第1~3回総攻撃の時とあまり大きく違わなかった理由は、この突然のサプライの増加のおかげだと思っています。

ところで、この1月4日に重慶に出現したサプライ3136トンはどこからやってきたのでしょうか?多少なりともサプライに余裕のある中国の根拠地としては西域や温州を挙げることが出来ますが、これらと重慶はかなり遠く、また間には日本軍がいて補給線をひくことができません。しかも、1月4日の中国全体のサプライ保有量の合計をみてみると、やはり同じくらい増えています。つまり中国国内の根拠地から重慶に送られたのではなく、国外からやってきたものであることは明らかです。

そこで思い当たるのはビルマです。ビルマ戦線ではちょうど1月4日にラシオ奪還という慶事がありました。ラシオに日本軍が備蓄していたサプライが、奪還されたそのターンの④サプライの地上輸送により重慶に達したのではないかと考えたのです。そこで、お相手の方にラシオにどのくらいのサプライがあったのか尋ねてみたところ、1600トンくらいとのことでした。これだと重慶のサプライ増加量の半分にしかなりません。またこの説にとってはラシオと重慶が遠いことも難点です。ゲーム中に5のキーを押すと、サプライの輸送される範囲が黄色いドットで表示されます。図は保山からのサプライ輸送範囲ですが、日本側が楚雄(Tsuyung)、昆明を不法占拠しているため、この保山からでも重慶には達しないのです。ましてやラシオからサプライが輸送されてくるなんて無理ですよね。では、あのサプライはどこからやって来たのか。良い子にしていたからどなたかがお年玉を下さったでしょうか。ほんとうに不思議です。でも、私としてはラシオ奪還と重慶のサプライ増加のタイミングの一致が偶然とは思えず、やはりビルマからやって来たのではという線を捨てきれずにいます。

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