2012年12月27日木曜日

経済入門、第1ターンとその後の日本の立ち上げ – グランドキャンペーン、シナリオ1

日本側をもってグランドキャンペーンをプレイする際に参考になるものというと、Trackerの作者がつくってくれたガイド(PDF版とWord Doc版の2種類がある)がJEcon 101 setup pre-final Docというスレにあります。これはマニュアルという体裁でしっかり書かれていて、復習のために日本語に訳してみようかと思い立ったことがあるのですが、現在の自分には不要と感じて4ページまでで止めちゃいました。飛行機の研究開発や生産はずっと後の方にあるので訳していませんが、内容見本ということで以下に紹介しておきます。

あと、http://IJ production mistakesというスレや、Production crash courseというス レにも参考になるレスがついています。あとはAARでしょうか。Mike SolliさんのOnce Again into the Breach - Mike (J) vs. tc464 (A)というAARは有名です。ただ、これらはいずれも包括的ではないし、関連しないレスもたくさんついているので、読むのが大変かと思われます。
あと、具体的な疑問であれば、分かる範囲で私にもアドバイスできることがあるかとも思いますので、コメント欄にどうぞ。
 
以上、コメントへの返信でした。

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経済入門、第1ターンとその後の日本の立ち上げ – グランドキャンペーン、シナリオ1
兵站 – この戦争を戦うための鍵であり、第1-2ターンから経済を軌道に乗せておくことはきわめて重要だ。経済の立ち上げを終えてしまえば、その後の面倒はずっと少なくて済む。経済の立ち上げは、設定の違いによっては面倒にもなるし、簡単に済ませることもできる。緒戦期になすべきことをこれから簡単に紹介してゆくことにするが、余裕があればあなた自身でこれに手を加えることもできる。これは一つの案に過ぎず、これに不満で文句を付ける人もいるかもしれないし、またもし明らかな誤りがあったら報せてほしい。修正するつもりだ。またこれはベテランプレイヤーのためのものではなく、日本側でプレイすることに興味を持った人のために書いたものだ。さあ、始めよう。
まずは経済の入門から始めて、WitP AEの経済システム全体と細部とを扱ってゆく。次いでターン1の具体的な状況を扱うが、この手引き全部に目を通すのは面倒だと感じる人のために、ターン1用のチェックリストを示した。
私の用意したチュートリアルはここに
Trackerはここから

経済 – 概観
まず最初に、日本帝国全体の経済と、日本本土の経済との違いを認識しておこう。北海道と樺太は本土と連絡してはいないが本土に含めることにする。陸路での連絡はないが、工業原材料の流れは理解しておく必要があるので、後述する。
帝国の経済を考える上で、工業製品(飛行機、エンジン、車輛、武器、軍艦、商船)はすべてマクロレベルの材料から生産されることを記憶しておいてもらいたい。つまり満州の飛行機工場にHIが在庫していないとか、同じ都市にエンジン工場がないとかいったことを気にする必要はないわけだ。この例でいえば、HIポイントとエンジンはマクロレベルで管理されている。他方、燃料(fuel)とサプライ(supply)は、原材料とそれに対応した工場のある各都市で加工される。またもう一つ、敵と味方が共存しているヘクスでは原材料は生産されないことも記憶しておくべきだ。帝国の経済はTrackerのこのチャートに分かりやすく表示されているが、Trackerなしでもゲーム内で得られる数値をみることで理解することができる。 


経済の循環を理解する
このゲームでの主要な原材料はリソース(resource) と原油(oil)だ。リソースはリソースセンター(resource centre、RC)でその規模の20倍生産される。つまりターンごとに1RCは20リソースを生産する。原油は油田(oil centre、OC)でその規模の10倍生産される。ついで原油は製油所(oil refinery、OR)で精製され燃料とサプライになる。製油所の精製のためには、その都市に原油の存在することが必要となる。必要量はその規模の10倍で、製油所の規模の10倍の原油が使用され、燃料を9、サプライを1生産する。
先に進む前に、新米プレイヤーのみなさんには、上記の数値には半端な量というのが存在しないという重要なことをお報せしておきたい。例えば、ある都市に原油が100あって、その都市の製油所の規模が100だったら、なにも生産されない。規模100の製油所は原油を1000必要としている。100の原油から90の燃料と10のサプライが製造されるわけではない。これについては重工業(HI)と軽工業(LI)も同様だ。したがって、工業施設に充分な量の原料が供給されていることには充分注意しておかなければならない。
リソースは軽工業と重工業でつかわれる。もう一度確認しておくが、原料となるリソースは軽工業・重工業の存在する都市に在庫されていなければならない。この意味でのリソースはマクロレベルで管理されるわけではない。軽工業はリソースだけを原料とし、その規模の15倍を使用する。つまり15のリソースで1のサプライが生産される。重工業でもリソースが使われ、その規模の20倍を消費する。リソースに加えて、重工業はその規模の2倍の燃料を消費する。つまり規模1の重工業施設が操業すると、リソース20と燃料2とからHIポイント2とサプライを2製造する。
つぎに製品に注目してみよう。HIポイントは製品でもあるし、原料でもある。HIポイントは機体・エンジンの生産と、車輛・武器・軍艦・商船建造ポイントの生産につかわれる。ひとつずつ見てみよう(HIポイントはこれらの生産にしか使われない)。
1、機体 ― エンジン1台あたり18HIポイントがつかわれる。これは、使用可能な機種の製造工場にのみあてはまる。R&D工場はHIポイントを消費せず、修理にサプライを消費するのみ。
― 単発機は機体(18HI*1) + エンジン(18HI) = 36
― 双発機は機体(18HI*2) + エンジン(36HI) = 72
2、エンジン ― エンジン1台あたり18HIポイントが消費される。R&D工場はHIポイントを消費せず、修理にサプライを消費するのみ。
3、車輛 ― 1車輛ポイントの生産に6HIポイントを消費する。これが何を意味しているのか数学的な解説もできるが、ここでは概要だけを示すことにする。
4、武器 ― 1武器ポイントの生産に6HIポイントを消費する。繰り返すが、これは概要である。
5、海軍造船所 ― 1艦艇ポイントの生産に3HIポイントを消費する。艦艇ポイント1は、耐久度(durability)1の艦艇の建造作業1日分に相当する。
6、商船造船所 ― 1商船ポイントの生産に3HIポイントを消費する。商船ポイント1は、耐久度(durability)1の商船の建造作業1日分に相当する。

経済状況の解説
マクロ 
経済は混乱状態だとまではいえないが、素晴らしい経済ということもできないことを、まず確認しておきたい。原材料資源(リソース、原油、燃料、サプライ)の総量は充分だが、HIポイントは低い。しかし、ゆくゆく分かってくると思うが、こういった帝国全体の数字というのはいまのところそれほど重要ではなく、日本の生産基地である本土の原材料資源の在庫量の方が重要である。
チャートによると、日本はリソースセンターが13830存在する状態で開始し、1ターンに267600トンのリソースが生産される。帝国には9340の軽工業があり、1ターンに140100のリソースを使って9340トンのサプライを生産する。重工業は規模1あたり20のリソースを使用する。重工業の規模は6950あるので、1ターンに13900リソースを消費する。まとめると、1ターンに2500トンのリースが不足する。開戦時、日本には油田が224あって、1ターンに2240の原油を産出している。1035ある製油所は1ターンに10350の原油を消費するから、8110が不足する。生産された燃料のうち4585は重工業が消費する。HIポイントの余剰は2514だが、増援される地上部隊の状況、工業施設や機体工場の拡張によって変化する。良好ではあるが、望ましい姿ではない。
まとめると、原料の面ではリソースセンターと油田が不足していて、製油所の能力も足りていない。これは重要なことのように見えるが、短期的にはそれほど重要ではない。長期的には、南方資源地帯(マラヤ、ボルネオなど)の資源豊富な地域を奪取しないと、この不足によって経済が破綻することになる。いずれにせよ、こういった数字は経済の現状に関する指標に過ぎず、実際に起きていることを正確に反映しているわけではない。そういう観点では、ミクロの状況を見ることが役に立つ…

ミクロ
この章では原料資源の地域ごとの必要量を見てみることにする。樺太と北海道を除いた日本本土のリソースの在庫を維持するには、本土で生産されるリソースに加えて一日に79100トンのリソースを運び込む必要がある。北海道が本土(本州、四国、九州)と陸続きでないことは重要だ。つまり、リソースがこの両地間を自動的に移動することはなく、輸送してやらなければならないわけだ。この両地間をCSコンボイで効率的に輸送する設定については後述する。CSコンボイの使い方を知らない人は、私のつくったビデオチュートリアルをみてほしい。
現在のところ、60日分のリソースの在庫がある。しかしリソースの在庫のレベルが減ってゆく(だいたい20-30日分くらいに)と、全体としては足りているのに、フルに操業できない重工業や軽工業が施設が出現してくる。また、日本にはおよそ一年分の原油と200日分の燃料の在庫がある。この在庫の日数は重工業で消費される分だけから計算された数値で、艦船の消費量は考慮されていない。任務にふさわしくかつ効率的な艦船を使用することが必要なのはこのためだ。 
  リソースに話を戻すが、日本は一体どこからリソースを調達したらいいのだろう?したの表をみてほしい。一日あたりの変化(Diff/Day)の欄をみると、正の値の合計が77100で負の値の合計が79600で、その差心配はいらない。は2500になる。マクロの章で触れたリソースの数値がこの2500だ。これらの地域にもリソースの在庫があって、それを本土に輸送するのが私たちの仕事だ。ここでは原油については触れないが、現在のところ心配には及ばない。ただ、少ないながら北海道(日産150)と樺太(日産300)の原油は移入し、満州や朝鮮からは移入しないでおくべきなのは知っておいてほしい。

次の表はサプライと燃料の状況を示している。サプライについてはここでは触れないが、燃料事情は深刻で対策を必要としている。燃料の在庫は211日分あるが、問題なのは最初の100日間の艦船の燃料需要量で、その間に重工業は408500の燃料を消費する。タイ領内を除いてどこも燃料の在庫は縮小してゆくので、不足分を帝国の領域内から調達することはできない(朝鮮・満州・中国は一体として扱う)。


どの根拠地にリソースが集中するかは、パッチのバージョンに因って異なる。私は最新のパッチをあてている。北海道では札幌・函館・釧路、満州では大連、朝鮮では京城・釜山、中国では上海と後には香港にリソースが集まって来るのは周知の事実だ。したがって、これらの港のうちで日本に近いものをリソースの積出港としよう。多数の重工業と軽工業の集中する東京と大阪のリソース需要は大きいが、本土の三つの島のどこに荷揚げされたリソースでも、やがては需要地に移動してゆく。

状況の概観と第一ターンの目標:
私の目標は二段階あって、まずはHIポイントの需要を減らすことで、ひいては原料と製品をにらみながら経済の効率的な運用を確立することだ。この章では整理の仕方を伝授したい。
知っておくべきゲームの仕組み
- 工場の修理のためには各根拠地に10000トン以上のサプライが存在することが必要。また工場の修理1ポイントには1000のサプライを消費する。
- 工場の規模を1拡張するにはサプライ100と10HIポイント、10Manpowerを要する。
- 上記の二つの仕組みをうまく働かせるためには、サプライ必要量(Supply Required)を理解しておくことが大切だ。

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