2014年6月25日水曜日

英連邦各国軍の戦車deviceのアップグレードパス


連合軍側をプレイしていると、英連邦諸国の地上部隊のdeviceのアップグレードに気を使う必要があるというレスをしばしば目にします。先日、貯蔵の設定をオンにすべきdeviceというエントリーでそういった事情を紹介しましたが、今日は戦車deviceについてのスレを紹介します。

RA modをつかって連合軍側をプレイしているJimさんの、John 3rdさんとのPBEMに助言している。第254機甲旅団の戦車、Improv AFV (Hvy)のアップグレード経路をデータベース(Dキーを押して表示される)でみたところ、混乱してしまいそうな部分をみつけた。この旅団のTOEをみてみるとImprov AFV (Hvy)は1942年3月にValentine IIIにアップグレードするようになっている。ところが、データベースを覗くとImprov AFV (Hvy)は1942年1月にMatilda IIに、1942年5月にはM3 Grant/Leeに、そして1945年9月には Churchill VIIになるとされている。過去のプレイの経験によると、Improv AFV (Hvy)は1942年3月にValentine III、1942年7月にGeneral Lee、1943年4月にGeneral Grant、1943年12月にSherman V、1945年9月にChurchill VIIになった。ところで、オーストラリアの機甲連隊はすべてMatilda IIの替わりにM3 Grant/Leeを装備するようになる。連合軍プレイヤーの皆さん、1942年以降利用可能になる新型戦車をどんなふうに配分(アメリカの戦車大隊は除いて)したらいいと思う?1942年7月にGeneral Leeが利用可能になるまで、イギリスの機甲旅団はアップグレードするのに充分な数のValentine IIIを入手できないようだ。オーストラリアの機甲部隊がM3 Grant/Leeに置き換わって行くように、インドの機甲部隊がMatlidaに置き換わって行くことがないのはなぜだろう?今ちょうどMatlidaの在庫が190両になったが、インドにいる機甲部隊はまだImprov AFV (Hvy)を装備したままだ。
私もこれと同じ問題に苦しんだことがある。特別なやり方はないけれども、時々、Valentine III、General Lee、General Grantを備蓄に指定して対処した。特に、前線で部隊が必要とされ、それでいて不十分な根拠地の状況(まだサプライがそれほど多く貯蔵されていない)という緒戦期にはなかなか困難だ。モスボールされた多数のMatlidaが車輛置き場に大量に眠ったままになってしまいそうだ... 誰かがこの問題に科学的なやり方をつかってもっと良い解決法を示してくれるのを待ちたいと思う。  

自分用のメモからDaBigBabes A modのValentine戦車についてお示しすると、Device 1086のVickers Tankettesは1942年3月にDevice 1088のValentine III Tank(月産わずかに4両)にアップグレードする。1942年5月18日に到着するConvoy WS 18(訳注:連合軍側のdeviceは毎月生産されるものの他に、ケープタウンに到着するコンボイが運んでくるものもある。コンボイはケープタウン港でdisbandし、積載していたdeviceはdeviceの在庫に加わる。素のWiTP AEでは毎月生産されるだけだったが、WitP AEではこのコンボイによる補充が加えられたと読んだ記憶がある)が24両、1942年6月1日到着のConvoy WS 19が24両、1942年11月5日到着のConvoy W 23が48両、WS 27が27両、WS 29が24両のValentine III戦車を運んでくる。合計で275両=128両(1942年3月から1944年12月までの生産数)+147両(コンボイの運んでくる数)。 

注意深く貯蔵(stockpiling)とアップグレードの指示をすべき案件だ。オーストラリアの機甲旅団6個のうち3個はやがてwithdrawすることになっている。この3つにはMatlidaへのアップグレードを許可し、戦争を闘い抜く旅団3個のためにM3 Grantをとっておく。オーストラリアの騎兵旅団もやがては戦車にアップグレードする。そのうちの一つはかなり早期にwithdrawし、所属の戦車もすべて失われてしまうので、その部隊の方はアップグレードさせないようにする。150両のM3戦車を保有することになるもうひとつの部隊の方は、1943年のかなり遅い時期まで最も価値ある強力な部隊の一つだ。Valentineは本当のところ急場しのぎの戦車に過ぎず、インドの戦車旅団すべてに充当するほど入手することはできない。ニュージーランドの部隊もValentineを使用する。ニュージーランド部隊のうち、Stuartを装備している部隊をValentineにアップグレードさせ、その他の2つは1942年後半Grant/Leeが利用可能となるまでアップグレードさせないようにしている。とにかくインド戦車旅団が1942年末までに充足することなんてないんだ。でもいったん充足されると、インドの戦車旅団は驚くほど強力で、日本の部隊で立ち向かえるものなんてない。インドでMatlidaを目にすることはないだろう。英連邦の戦車の供給数は不十分なので、注意深くアップグレードしてゆくことが重要だ。Sherman Vの配備が始まっても、例えば私のViberpolさんとのPBEMは1945年8月だがインドの戦車部隊の多くはGrant/Leeを装備している。どんな日本の部隊とぶつかってもひっぱたくことはできるから、Grant/Leeでも問題はないけどね。 

permanently restrictedに指定されているニュージーランドの第一戦車旅団は150両以上のValentine IIIを装備している。この部隊を、倉庫にある役立たずのMatilda IIにアップグレードできたらなあ。Valentine IIIはインドならきっと役立つだろうに! 

これまでのレスの内容を繰り返すだけになるかもしれないが、私はこんな風にしている:
・戦域からwithdrawする部隊はアップグレードさせない。装備していたdeviceは在庫に戻されるわけではなく、失われてしまうので。
・有用なAFVを吸い取られ、管理できなくなってしまったりするようなアップグレードはさせない。そういった部隊の戦車以外のdeviceをアップグレードさせたいような場合には注意を要する。戦車deviceの貯蔵の指示をオンにせずに、そういった部隊にアップグレードさせると望まなかった結果がもたらされる。
オーストラリアはアメリカから直接戦車を買い付けていたので、戦車に不足はなかったが、乗員の方が足りなかったんだ。インド軍には人がたくさんいたが、訓練が不足していた。また他の戦線の需要が充足されるまで、武装トラックとブレンキャリアでやって行くしかなかった。ニュージーランド軍は上記二つの中間で、大戦終盤までAFVは定数を満たせなかった。シリア、レバノン、イランへの脅威があったので、戦車はインドより中東の機甲師団に優先的に配分された。インド向けのAFVはすべて中東の部隊に横取りされたが、この部隊が実際に展開することはなかった。 

オーストラリアにはオーストラリアの機甲師団を充足させるだけの人がいた。ニューギニアでは機甲師団が役に立たなかったので、もっと有用な部隊に配属させられたか、工場の現場に戻されるかしただけだ。日本軍によるオーストラリア北部への侵攻があれば、別の成り行きになったかもしれないが。インドの兵隊は機甲師団に充当するだけの数がいたが、もちろん訓練は必要だった。当時はインド、ビルマよりも機甲戦力とAFVを切実に必要としている戦場がほかにあった。アラメインとスターリングラードの後になってようやく中東での扱いが変化し、インドの機甲戦力もインドに集中できるようになった。ニュージーランド第一戦車旅団はAFVの不足により解隊したわけではない。第4歩兵師団が機甲師団へ変換される際、訓練済みの乗員を提供して協力し、残りの兵員もStuartとValentine装備の機甲連隊に組み込まれ、その後グリーン諸島の上陸に参加した。
http://kiwisinarmour.hobbyvista.com/tshist.htm 
http://kiwisinarmour.hobbyvista.com/index.html  

注意しなければならないことは、WitP AEにおけるオーストラリアのアップグレードパスは妥協の産物だということだ。オーストラリアの機甲部隊編成の変遷につながった史実の複雑な意思決定を再現する能力がゲームエンジンにはなかったんだ。たとえば、史実ではMatildaがLee/Grantに置き換えられたことはなかった。実際にはLee/GrantがMatildaより先にオーストラリアに到着していた。Matildaが置き換えたのは実はChurchillで1945年のことだ。Lee/Grantはレンドリースで北アフリカ用にともたらされた巡航戦車だったが、種々の事情により本国の防衛のためにとどめられた。Matildaは歩兵戦車で、ジャングルの中で歩兵の前進を支援する役割にふさわしかった。Stuartは英連邦の標準的なTOEの通り、巡航戦車の編成の中の偵察隊として使われるよう、レンドリースにより提供された。Stuartはニューギニアでの歩兵支援車輛としての道をたどったが、それほど成功したとはいえず、この役割はすぐMatildaに置き換えられた。Improvised AFVは海外から充分な数のより現代的な装備が到着するまでの間に合わせのものだった。その他、 M4 Sherman、M24 Chaffee、Valantineなどもジャングルで運用されたが、ふさわしくない、改善の余地なしと判断された。与えられた任務に従い、戦車部隊の編制は変化を余儀なくされた。MatildaをLee/Grantで置き換えた部隊もあったし、Lee/GrantをMatildaで置き換えた部隊もあった。Lee/GrantをMatildaで置き換えたのに、海外に移動する他部隊のためにMatildaを譲ってLee/Grantに戻った部隊もあった。その時々の戦略的な状況に応じて個々の部隊ごとに異なる意思決定がなされたので、deviceアップグレードを処理するゲームエンジンはこれについていけない。しかし、おおまかにいうと戦車連隊は歩兵戦車を、機甲連隊・師団は巡航戦車を装備していた。戦線がオーストラリアから遠ざかるにつれ、その時々の状況に関連した陸軍の他の部署(上陸用舟艇など)に人員を移動させるため本国防衛用の機甲部隊が廃止されたことも、アップグレードパスをさらに複雑なものにしている。特に歩兵戦車(はじめのうちはLee/Grantの方が試されたが)を装備した独立旅団は島嶼攻略用に切望されたものだ。この件に関してはだいぶ前、オーストラリア陸軍のどの部隊がいつなにを装備したかについての経過表をつくって、Andy Macさんに送ったことがある。現在のシナリオは、当時の混乱状況によりゲームエンジンが破綻を来さないよう苦心したAndy Macさんの調整の産物なので安心してほしい。シナリオのデータにはそれぞれ対応する当時のエピソード(と議論の沸騰)があるんだ。ところでこのゲームエンジンの問題点の例をあげると、歩兵戦車と巡航戦車を区別できず、また各戦車のもつ能力を最大限にまで発揮させる運用法などといった戦車ごとの役割分担も反映していない点がある。ゲームエンジンは単に装甲厚・速度・火力といった関係することのしないこともあるような性能値を適用するだけなんだ。さて、オーストラリア軍の装備の変遷についてもっとよく知りたければ、 Dust, Sand and Jungle: A History of Australian Armour 1927-1948 by Paul Handel というサイトがとても役に立つ。

とのことです。いろいろと複雑になってしまった理由はよく分かりましたが、スレ主さんの疑問に直接こたえてくれているわけではないのもたしかかなと。deviceについて調べてみると、Improv AFV (Hvy)という名前のdeviceが2種類あることがスレ主さんの疑問の原因のようです。Device# 1083の方はMatilda II経由で、またDevice# 1085の方はVickers Tankettes経由でアップグレードしていて、おおむね前者は歩兵戦車として、後者は巡航戦車としてアップグレードされたのかなと感じます。それにしても後者のアップグレードパスは複雑怪奇ですね。

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